似た意味を持つ「消費期限」(読み方:しょうひきげん)と「賞味期限」(読み方:しょうみきげん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「消費期限」と「賞味期限」という言葉は、どちらも食品のパッケージに記載されている期限表示という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
消費期限と賞味期限の違い
消費期限と賞味期限の意味の違い
賞味期限と消費期限の違いを分かりやすく言うと、消費期限とはその期日までに食べきらないと危険であることを意味していて、賞味期限とはその期日までならおいしく食べられることを意味しているという違いです。
スーパーなどで売られている食品には、一部の例外を除き期限表示が義務付けられています。期限表示には賞味期限と消費期限の二種類があり、どちらかを記載しなければなりません。
製造者がどちらの表示をするか選べるわけではなく、品質の劣化が早いものには消費期限を、品質が劣化しにくいものには賞味期限を記載する必要があります。
品質の劣化が早いものには消費期限が表示される
弁当や総菜、生鮮品など品質の劣化が早いものに対しては、その日までに食べなければいけないことを示す消費期限を記載しなくてはいけません。また、消費期限は必ず年月日で表示しなければなりません。
品質が劣化しにくいものには賞味期限が表示される
それに対して、インスタント麺や缶詰など、品質が劣化しにくいものには、その日までなら美味しく食べることが出来ることを示す賞味期限を記載します。
基本的には年月日を記載することになっていますが、商品を製造してから賞味期限まで三か月以上ある場合には、年月までの表示でも許可されています。
消費期限と賞味期限の日数は未開封が前提
ただし消費期限も賞味期限も、どちらも未開封かつ定められた保管方法をした場合の期限です。例えば牛乳パックを開封した場合や、開封はしなかったが冷蔵庫に入れずに放置していたような場合には、消費期限も賞味期限も無効になります。
「開封後は消費期限(賞味期限)に関わらず出来るだけ早くお召し上がり下さい」と書かれていることがあります。気にすることは少ないですが、これは重要なことです。
塩・砂糖・アイスクリームは消費期限と賞味期限を省略可能
消費期限も賞味期限も省略できるものがあります。品質の劣化がほぼない、塩や砂糖、アイスクリームなどです。
消費期限の意味
消費期限とは
消費期限とは、その日までに食べきらなければいけない期日を意味しています。ただし開封したり、適切な保存方法をしなかった場合には、消費期限よりも前に食べきらなければなりません。
消費期限は5日以内に食べきるべき食品に表示される
消費期限が記載される食品は、品質の劣化が急激なものです。例えば弁当や総菜、肉や魚などの生鮮食品や生めんなどに消費期限の表示が義務付けられています。おおむね5日以内に食べきることが推奨されている食品に対して、消費期限が記載されます。
消費期限は年月日すべて表示する必要あり
消費期限は、すべて年月日まで記載しなければなりません。品質の劣化が早いため、一日単位で変化が生じると考えられているからです。その期日を過ぎた食品は食べないようにしなければいけません。
消費期限切れを販売していたら
消費期限切れの商品を販売することは、食品衛生法違反に該当する可能性はありますが、必ずしも違法であるとは言い切れません。
返金等には応じて貰える可能性はありますが、健康被害が出て慰謝料を請求する場合には、その食品を摂取したことによるものかどうか因果関係を照明する必要があります。
賞味期限の意味
賞味期限とは
賞味期限とは、美味しく食べることが出来る期日を意味しています。ただし開封したり、適切な保存方法をしなかった場合には、賞味期限内であっても品質が損なわれる可能性があります。
賞味期限の語源
「賞味」とは「味わって食べる」という意味の言葉です。賞の字は「鑑賞」(読み方:かんしょう)と同じように、「優れた点を味わう」という意味です。消費期限の「しょう」とは漢字が違うので注意して下さい。
賞味期限まで三か月以上のものは年月までの表示でも可
賞味期限が記載される食品は、品質が劣化しにくいものです。例えばスナック菓子やインスタント麺などに記載されています。基本的には年月日まで示すことになっていますが、製造日から賞味期限まで三か月以上のものは年月までの表示が許可されています。
賞味期限は美味しく食べられる目安
賞味期限はおいしく食べられる期限なので、その日を過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではありません。あくまでも一種の目安として利用することが推奨されています。
賞味期限切れの商品が販売されることもある
賞味期限が切れた商品は、健康を害する危険な商品では決してありません。スーパーなどで賞味期限切れの商品が割引で販売されることもあります。
賞味期限の付け方
賞味期限がどのように決められるかと言えば、主に三つの検査をして定められます。菌がどれくらい増えるかを調べたり、実際に食べてみたり、栄養成分を調べたりします。
三つの試験から導き出された賞味期限に、さらに「安全係数」(読み方:あんぜんけいすう)というものを掛けたものが実際の商品に記載されています。これは義務ではありませんが、消費者庁は0.8以上を推奨しています。
例えば十か月間おいしく食べられるものは、安全係数の0.8を掛けて八か月が賞味期限となります。ただしリスクを考えて0.5や0.3などの安全係数を設定している食品企業もあり、リスク回避のために賞味期限が短く設定され、食品ロスが増えているとの批判もあります。
消費期限の例文
この言葉がよく使われる場面としては、その日までに食べないといけないことを表現したい時などが挙げられます。
例文2のように、消費期限の当日何時までなら大丈夫なのかという疑問は、多くの人が一度は考えたことがあるものです。はっきりとした答えはないのですが、夕方以降に食べるのは控えるほうが良いです。
消費期限はおにぎり、サンドイッチを含むパン、ケーキ、肉などに記載されるものです。おおむね5日以内に消費しなければならないものに対して消費期限の記載がされます。消費期限は品質の劣化が急速なものに対して付けられるので、年月日までの記載をしなければなりません。
消費期限は購入からとても早く来てしまうので、例文5のように冷蔵庫の中で期限切れを起こしてしまうことがよくあります。消費期限外の商品で健康被害が出ても、製造元に責任はありませんので、注意が必要になります。
例文3のように、食肉を冷凍して日持ちさせるということは、多くの家庭で行われています。繰り返しますが、消費期限外の食材に関しては、製造元や販売元に責任はなく自己責任になります。
賞味期限の例文
この言葉がよく使われる場面としては、おいしく食べられる期限を表現したい時などが挙げられます。
賞味期限は消費期限と違って、それを過ぎても食べることが出来ることを意味しています。スーパーなどで賞味期限切れの商品を割引で販売しているのは、まだ食べられるからです。
賞味期限の設定には安全係数というものが用いられていますが、日本の企業多くは国の安全基準よりも厳しい基準を設定しています。厳しいこと自体は好ましいのですが、その厳しさがむしろ食品ロスを増加させているのではないかとの批判の声も上がっています。
賞味期限が切れた商品はどのくらいの間食べることが出来るかについては様々な意見がありますが、最大で1.5倍程度だと言われています。例えば製造年月が2019年12月で、賞味期限が2020年12月の缶詰なら、2021年の6月までは食べられるという計算になります。
今述べたことは、あくまでも単なる計算です。実際にそうであることを保証するものではないので、食品は賞味期限内に食べきるようにして下さい。