【かねてから】と【かねてより】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「かねてから」と「かねてより」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「かねてから」と「かねてより」という言葉は、どちらも以前からのことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「かねてから」と「かねてより」の違い

「かねてから」と「かねてより」の意味の違い

「かねてから」と「かねてより」の違いを分かりやすく言うと、「かねてから」と「かねてより」は同じ意味を持つ言葉ですが、「かねてより」の方が昔から使われているという違いです。

「かねてから」と「かねてより」の使い方の違い

一つ目の「かねてから」を使った分かりやすい例としては、「かねてから交際している女性と入籍する運びとなりました」「かねてからの夢だった自分の店をオープンすることができました」「かねてから企画していたイベントが実現しました」などがあります。

二つ目の「かねてより」を使った分かりやすい例としては、「あなたのご活躍はかねてより聞いております」「かねてよりお付き合いしている男性と結婚する運びとなりました」「かねてより計画してイベントが中止になった」「かねてより興味があったスカイダイビングができた」などがあります。

「かねてから」と「かねてより」は「以前から」「前から」「前もって」という同じ意味を持つ言葉になります。そのため、どちらの言葉を使っても問題ありません。

「かねてから交際している」と「かねてより交際している」は同じ

また、どちらの言葉を使っても問題ないので、置き換えることができます。例を挙げると、上記の「かねてから交際している女性と入籍する運びとなりました」を「かねてより交際している女性と入籍する運びとなりました」とすることができます。

「かねてから」と「かねてより」の違いを挙げるならば、「かねてより」の方が昔から使われている言葉ということです。「かねてより」は平安時代から使われているのに対して、「かねてから」は中世末頃から使われ始めました。

「かねてから」と「かねてより」の英語表記の違い

「かねてから」も「かねてより」も英語にすると「for a long time」「for some time」「since some time ago」となり、例えば上記の「かねてより興味があったスカイダイビングができた」を英語にすると「I’ve been interested in skydiving for a long time」となります。

「かねてから」の意味

「かねてから」とは

「かねてから」とは、以前からのことを意味しています。

「かねてから」の使い方

「かねてから」を使った分かりやすい例としては、「かねてから交際していた年下男性との入籍を報告した」「先生のご高名はかねてから伺っております」「かねてからの夢であったプロサッカー選手になることができた」などがあります。

「かねてから」は「以前から」「前から」「前もって」という意味を持つ副詞になります。「かねて」だけでも「以前から」「前から」という意味を持っているため、「から」をつけて重語にすることにより、前から継続していることをより強調しています。

表現方法は「かねてから交際」「かねてから病気療養中」「かねてからの懸案事項」

「かねてから〇〇」という形で使うのが、「かねてから」を使った一般的な表現な方法になります。また、日常生活とビジネスシーンの両方で使える言葉です。

「かねてから」の期間

「かねてから」は、どれくらい前からなんだろうと気になる人も多いはずですが、何年前や何日前などの明確な期間は決まっていません。そのため、ある程度前と覚えておけばいいでしょう。

「かねてから」の漢字表記

「かねてから」は漢字にすると「予てから」と「兼ねてから」と表現することができます。どちらも正しい漢字なのですが、一般的に使わているのは「予てから」の方になります。

「かねてから」の類語

「かねてから」の類語・類義語としては、今より前の時点のことを意味する「以前」、先日のことを意味する「先立って」、物事の始まる前にある事をしておくことを意味する「予め」、以前からのことを意味する「兼ね兼ね」(読み方:かねがね)などがあります。

「かねてから」を漢字にした「予てから」の予の字を使った別の言葉としては、何かが起こりそうだと前もって感じることを意味する「予感」、前もって期待することを意味する「予期」、前もって告げ知らせることを意味する「予告」などがあります。

「かねてより」の意味

「かねてより」とは

「かねてより」とは、以前からのことを意味しています。

「かねてより」の使い方

「かねてより」を使った分かりやすい例としては、「かねてより探してた本を見つけることができました」「かねてより準備していたイベントがついに明日開催される」「かねてより夢だったプロ野球選手になることができた」「かねてよりお会いしたいと願っていた」などがあります。

「かねてより」は「以前から」「前から」「前もって」という意味を持つ副詞になります。「かねて」だけでも「以前から」「前から」という意味を持っているため、「より」をつけて重語にすることにより、前から継続していることをより強調しています。

表現方法は「かねてよりお付き合い」「かねてより懸案」「かねてよりお願い」

「かねてより〇〇」という形で使うのが、「かねてより」を使った一般的な表現な方法になります。また、日常生活とビジネスシーンの両方で使える言葉です。

「かねてより」の期間

「かねてより」は、どれくらい前からなんだろうと気になる人も多いはずですが、何年前や何日前などの明確な期間は決まっていません。そのため、ある程度前と覚えておけばいいでしょう。

「かねてより」の漢字

「かねてより」は漢字にすると「予てより」と「兼ねてより」と表現することができます。どちらも正しい漢字なのですが、一般的に使わているのは「予てより」の方になります。

「かねてより」の類語

「かねてより」の類語・類義語としては、今の時までのことを意味する「今迄」、ある事態が変えられないところまで進んでいることを意味する「最早」、前々からのことを意味する「疾うから」(読み方:とうから)などがあります。

「かねてより」を漢字にした「兼ねてより」の兼の字を使った別の言葉としては、前もって言っておいた言葉を意味する「兼ね言」、決まった期日より前の日のことを意味する「兼日」、兼ねてから約束しておくことを意味する「兼約」などがあります。

「かねてから」の例文

1.希望部署へ配属が決まり、かねてからの夢が叶いました。
2.かねてから交際が噂されていた二人が、結婚することを公表しました。
3.かねてからの夢であった、世界一周旅行を実現することができて、大変喜ばしい。
4.新型コロナウイルスの流行により、かねてから計画されていたプロジェクトが中止になりました。
5.かねてからお伺いしてみたかった、高級フレンチのお店にお邪魔しました。
6.かねてから厳しい指導で知られる我が校の新体操部が、ついに全国大会への出場権を手に入れた。
7.父親はかねてから自分で小説を執筆してみたかったらしく、原稿用紙と万年筆を買い揃えていた。
8.同僚はこの部署で評価をされたことで、かねてから希望していた部署に異動することができた。
9.彼は災害が起きてもすぐに適切な行動できたのは、かねてから防災訓練を熱心にやっていたからだ。
10.かねてから私たちの結婚に反対していた父も、最終的には折れて私たちは無事結ばれることが出来た。

この言葉がよく使われる場面としては、以前からのことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように、ビジネスシーンでも日常生活でも使える言葉です。

「かねてより」の例文

1.この度、私事ではありますが、かねてよりお付き合いさせて頂いた一般男性の方と入籍を致しましたので、ご報告させていただきます。
2.かねてよりお願いしておりました案件の進歩はいかがでしょうか。
3.かねてよりお知らせしています通り、店内改装工事のため、しばらくの間お休みをいただきます。
4.かねてより念願だったフランス料理店を今月開店することができました。
5.山田様のご高名はかねてより存じ上げております。
6.君には言っていなかったが、これはかねてより計画されていたことであるから心配には及ばない。
7.退職した彼はかねてより準備していた蕎麦職人の修行を実行に移すため、まずは家を引き払った。
8.ブータンシボリアゲハはかねてより知っていたが、標本を間近でみるのは初めてのことで興奮を抑えきれなかった。
9.新政権が成立し、首相がかねてより主張していた規制改革が進むかどうか国民は固唾を呑んで見守っている。
10.わたしがかねてより関心を持っていた社会問題が解決にむけて大きく動き出しつつあるのでとても期待している。

この言葉がよく使われる場面としては、以前からのことを表現したい時などが挙げられます。

例文1は、有名人が結婚の報告をする際によく使われるフレーズになります。

「かねてから」と「かねてより」は同じ意味を持つ言葉なため、どちらの言葉を使っても問題ありません。

言葉の使い方の例文
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