【息が合う】と【馬が合う】と【そりが合う】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「息が合う」(読み方:いきがあう)と「馬が合う」(読み方:うまがあう)と「そりが合う」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「息が合う」と「馬が合う」と「そりが合う」という言葉は、気がぴったり合うことという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「息が合う」と「馬が合う」と「そりが合う」の違い

「息が合う」と「馬が合う」と「そりが合う」の意味の違い

「息が合う」と「馬が合う」と「そりが合う」の違いを分かりやすく言うと、「息が合う」は調子が合う時に使い、「馬が合う」は同性間で考え方が共通する時に使い、「そりが合う」は異性間で考え方が共通する時に使うという違いです。

「息が合う」と「馬が合う」と「そりが合う」の使い方の違い

「息が合う」という言葉は、「こうも息が合うと双子か何かかと疑ってしまう」「彼とは息が合わずに苦労した」などの使い方で、物事を行う調子が相手と合うことを意味します。

「馬が合う」という言葉は、「馬が合う彼女とは意見の衝突が少なく済む」「ここまで馬が合わない人も初めてだ」などの使い方で、お互い気が合い相性が良いことを意味します。

「そりが合う」という言葉は、「彼とはそりが合う気がしている」「そりが合わないと割り切って接する方がいいのかもしれない」などの使い方で、相手と意気投合することを意味します。

「息が合う」と「馬が合う」と「そりが合う」の使い分け方

「馬が合う」と「そりが合う」は、どちらも相手との考え方や感じ方が通じ合うことを意味する言葉で、違いはほとんどありません。

強いて言うなら、前者は異性間、同性間問わず使われ、後者は異性間で使われるという区別のされ方がありますが、基本的にはどちらの言葉も性別問わずに使われています。

一方の「息が合う」も、相手とぴったりと合うことを意味しますが、性格などに対して使う「馬が合う」や「そりが合う」とは異なり、その時一瞬一瞬の言動に対して使います。

「息が合う」の意味

「息が合う」とは

「息が合う」とは、物事を行う調子が相手と合うことを意味しています。

相手と自分の息を吸ったり吐くタイミングが同じであるほど、相手と何かを行う際の言動であったり気持ちがぴったりと合うことを意味する言葉です。

「阿吽の呼吸」も呼吸という言葉を使うことから、相手と息をするタイミングが合うことは心が通じ合うことを意味する表現に多く使われています。

「意気が合う」は誤用

「いきがあう」という読み方をすることもあり、同音の「意気が合う」という表記も散見されますが誤用で、「息が合う」や「息があう」といった表記で使われるのが正しい使い方です。

「息が合う」の対義語

「息が合う」の対義語・反対語としては、同じことを行っているが考えや思惑が異なることを意味する「同床異夢」があります。

「息が合う」の類語

「息が合う」の類語・類義語としては、無言でも心が通じ合うことを意味する「以心伝心」、互いに気持ちを通じ合わせて物事を行うことを意味する「呼応」、二人以上で一緒に物事を行う時の気持ちが一致することを意味する「阿吽の呼吸」などがあります。

「馬が合う」の意味

「馬が合う」とは

「馬が合う」とは、お互い気が合い相性が良いことを意味しています。

「馬が合う」は「馬があう」「ウマが合う」とも表記可能

「馬が合う」は「馬があう」や「ウマが合う」などの表記もなされる言葉です。

「馬が合う」の由来

この言葉に含まれる「馬」は乗馬における馬を指しており、「馬が合う」の語源ともなっています。

乗馬において馬を乗りこなすためには、乗り手と馬の息が合わなければ十分な力を発揮することができないことから、馬と騎手の相性がいいことを「馬が合う」と言うようになり、これが人間関係にも用いられるようになりました。

そのため、「馬が合わない」という使い方は、相手と考え方や価値観が合わないことを表す時になされます。

また、「馬が合う」「馬が合わない」といった言葉は日常会話でもビジネスシーンでも使うことができる言葉ではありますが、元の関係が騎手と馬であることから目上の人に対して使うのは失礼と感じる人もいるため別の表現が適している場合もあります。

「馬が合う」の類語

「馬が合う」の類語・類義語としては、警戒心がなくなり隔てなく親しむことを意味する「打ち解ける」、人と人との関係が良いことを意味する「折り合いがいい」、互いに十分に理解し合い互いの考えなどが相手に伝わることを意味する「心が通う」などがあります。

「そりが合う」の意味

「そりが合う」とは

「そりが合う」とは、相手と意気投合することを意味しています。

「そりが合う」の漢字表記

「そりが合う」は「反りが合う」という漢字表記にすることができます。この言葉に含まれる「そり」は日本刀の刀本体や鞘の曲がり度合いを意味する言葉で、語源ともなっています。

刀と鞘は反り方が違えば鞘に収めることができません。そのため、刀と鞘が合わなければ「反りが合わない」と表現され、これを人と人との間でも使うようになりました。

表現方法は「そりが合わない」「そりを合わせる」

「そりが合う」を使った表現として、「そりが合わない」「そりを合わせる」などがあります。日常会話はもちろん、ビジネスシーンなど目上の人たちの関係にも使うことができます。

「そりが合う」の類語

「そりが合う」の類語・類義語としては、人になれて親しくなることを意味する「馴染む」、どこか共通するところがあることを意味する「一脈相通ずる」、他人の考えや行動などに心から同感することを意味する「共鳴」などがあります。

「息が合う」の例文

1.あまりにも旦那と息が合いすぎて怖いと感じたのは、何気ない一言が全く同じタイミング口から零れた時だった。
2.先輩とは息があまりにも合わないと思っていたが、趣味が同じであることからもう一度話してみたいと思い始めた。
3.息が合う人と仕事をすれば何事も上手くいくような気がしているが、自身を磨くことも忘れてはいけない。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を行う調子が相手と合うことを意味する時などが挙げられます。

どの例文の「息が合う」も「調子が合う」などの表現に変えることができます。

「馬が合う」の例文

1.馬が合う後輩と食事に行ってしばらく話に花を咲かせていたが、酔っぱらった彼の面倒を見るのは骨が折れたため、ランチで話をすることにしている。
2.自分が左を選べば相手は右を選ぶなど、こうも馬が合わない同僚と職務上コンビを組むことになってしまい、前途多難である。
3.馬が合うような合わないような、まだ相手のことを知ることができていない段階なので、まずは知ることから始めたい。

この言葉がよく使われる場面としては、お互い気が合い相性が良いことを意味する時などが挙げられます。

どの例文の「馬が合う」も、「息が合う」という言葉に置き換えて使うことができます。

「そりが合う」の例文

1.上司にそりが合うと思われている相手は、態度が気に入らずに言い合いをよくしている相手だったので、どういう考えでそうなったのか小一時間問い質したかった。
2.そりが合わないことが理由で、教室で会っても素通りだったり、軽い挨拶程度しかしなかった。
3.息子と近所のお友達はそりが合うのか、毎日遊びに出掛けては泥まみれになって帰ってくる。

この言葉がよく使われる場面としては、相手と意気投合することを意味する時などが挙げられます。

どの例文の「そりが合う」も「馬が合う」という言葉に置き換えて使うことができます。

「息が合う」と「馬が合う」と「そりが合う」どれを使うか迷った場合は、調子が合う場合は「息が合う」を、同性間で考え方が共通する場合は「馬が合う」を、異性間で考え方が共通する場合は「そりが合う」を使うと覚えておけば間違いありません。

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