【正直】と【素直】と【誠実】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「正直」(読み方:しょうじき)と「素直」(読み方:すなお)と「誠実」(読み方:せいじつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「正直」と「素直」と「誠実」という言葉は、嘘を吐かない人という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




正直と素直と誠実の違い

正直と素直と誠実の意味の違い

正直と素直と誠実の違いを分かりやすく言うと、正直は偽りがない言動を表現する時に使い、素直はひねくれていない性格を表現する時に使い、誠実は真心を感じる言動を表現する時に使うという違いです。

正直と素直と誠実の使い方の違い

正直という言葉は、「正直者である彼は何度も馬鹿を見てきた」「兄弟喧嘩のきっかけを正直に答えるように姉に言われた」などの使い方で、嘘や偽りがない様子を意味します。

素直という言葉は、「彼女はなかなか素直になれないらしい」「素直な言葉は誰かを傷付けることになりかねない」などの使い方で、性格や態度がひねくれていない様子を意味します。

誠実という言葉は、「誠実な対応を心掛けていたら高評価を貰えるようになってきた」「父の誠実さを一番知っているのは母である」などの使い方で、真心があり真面目で偽りがない様子を意味します。

正直と素直と誠実の使い分け方

正直と誠実は、どちらも嘘を吐かない人に対して使われる言葉ですが、前者は良いことも悪いことも言動に偽りを含まない場合に使い、後者は他者を害するような嘘を吐かない場合に使います。

また、正直は「自分の心に正直に生きる」のように自身の欲を考慮に入れるのに対して、誠実は「彼の対応には誠実さを感じる」のように自身の欲を考慮に入れず誠意を持って物事の対処に当たる人や団体などに使います。

一方の素直という言葉には、嘘を吐かないという意味は含まれていませんが、穏やかでひねくれていない人に対して使われる言葉であるため、正直や誠実と同じように使われています。

これが、正直、素直、誠実の明確な違いです。

正直の意味

正直とは

正直とは、嘘や偽りがない様子を意味しています。

表現方法は「正直に言うと」「正直なところ」「正直な人」

「正直に言うと」「正直なところ」「正直な人」などが、正直を使った一般的な言い回しです。

正直を使った言葉として、「三度目の正直」「正直者が馬鹿を見る」があります。

「三度目の正直」の意味

一つ目の「三度目の正直」とは、占いや勝負事など物事において一回目、二回目が上手くいかなかったとしても、三回目は確実に上手くいくものであることを意味することわざです。

「正直者が馬鹿を見る」の意味

二つ目の「正直者が馬鹿を見る」とは、ずる賢い人ばかりが得をするのに対して正直な人はひどい目に遭うことを表すことわざです。

正直の対義語

正直の対義語・反対語としては、偽りが多く正直ではない様子を意味する「不正直」、表面上だけ善人らしく見せる行為を意味する「偽善」、事実をわざと歪めて伝えることを意味する「歪曲」、騙すことを意味する「欺瞞」があります。

正直の類語

正直の類語・類義語としては、性質が穏やかで素直なことを意味する「善良」、道徳を守って誠実な態度で人と接することを意味する「律儀」、心が清らかで私欲がないことを意味する「清廉」、まじめで熱心なことを意味する「真摯」などがあります。

素直の意味

素直とは

素直とは、性格や態度がひねくれていない様子を意味しています。

その他にも、飾り気のない様子や、物の形がまっすぐであったり癖のない様子なども意味します。

表現方法は「素直な心」「素直な人」「素直が一番」

「素直な心」「素直な人」「素直が一番」などが、素直を使った一般的な言い回しです。

素直の使い方

素直を使った表現として、「素直に考えると引っ掛け問題でつまずく」「子どもたちの素直さが眩しい」「湿気で髪の毛がなかなか素直になってくれない」などがあります。

日常生活における会話はもちろん様々な場面で使うことができますが、素直という言葉は従順な様子や相手に従うことを意味するため、目上の人に対して使うのは失礼とされます。

素直の対義語

素直の対義語・反対語としては、なかなか自分の態度や考えを改めようとしない様子を意味する「頑固」、良くも悪くも思ったことは押し通すことを意味する「意地っ張り」、なかなか自分の考えを変えずに意地を張る様子を意味する「強情」があります。

素直の類語

素直の類語・類義語としては、人に逆らわずに大人しく人の言うことを聞く様子を意味する「従順」、態度が大人しく素直なことを意味する「神妙」、心がけがよくしっかりしている様子を意味する「健気」などがあります。

誠実の意味

誠実とは

誠実とは、真心があり真面目で偽りがない様子を意味しています。

表現方法は「誠実に生きる」「誠実な人」「誠実な男性」

「誠実に生きる」「誠実な人」「誠実な男性」などが、誠実を使った一般的な言い回しです。

「信義誠実の原則」の意味

誠実を使った言葉として、「信義誠実の原則」があります。これは契約における法原則をを指す言葉で、信義則とも呼ばれています。互いに相手の信頼を裏切らないように誠意を持った言動を心掛けることを信義誠実は指しています。

フランスやドイツ、スイスでもこの原則に関して明文化されており、日本の民法では1条に規定されています。

日本民法の信義誠実の原則を元に、不法に関与した人には裁判所からの救済が与えられないことが定められ、日本民法130条「条件成就の妨害」や同じく708条「不法原因給付」が明文化されています。

誠実の対義語

誠実の対義語・反対語としては、他者に対する誠意や真心に欠ける様子を意味する「不実」、真心がなく人の好意を無下にする様子を意味する「不誠実」、品性や言動がいやしく劣っていることを意味する「卑劣」があります。

誠実の類語

誠実の類語・類義語としては、裏表がなく真面目な様子を意味する「実直」、思いやりがあり実直であることを意味する「篤実」、飾り気がなく真面目な様子を意味する「質実」、真面目で正直な様子を意味する「克明」などがあります。

正直の例文

1.息子は昔から良くも悪くも嘘を吐かず正直に物を言うが、それは間違ったことをする相手を正すのも相手のためになると思うと教えてくれた。
2.職場の後輩は正直一遍なところが長所だが、その他業務においては少しばかり作業スピードが遅い気もする。
3.正直、彼女の口を開けば罵詈雑言ばかり出てくる性格が苦手で、どう対応していいのかわからなくなる時がある。

この言葉がよく使われる場面としては、嘘や偽りがない様子を意味する時などが挙げられます。

例文2の「正直一遍」とは、正直であることのみが取り柄で他者よりも優れた才能やはたらきがないことを意味する言葉です。

例文3の正直は、率直な様子や、本当のところといった意味を持つ副詞としての使い方です。

素直の例文

1.娘は本当は素直に感謝の気持ちを伝えたいようだったが、誰に対してももじもじしてしまい、最終的にぺこりと会釈をして終えてしまう。
2.友人は素直な心の持ち主なのか、騙されて壺を買わされてしまうのではないかと冷や冷やすることが何度もあった。
3.物事が素直にいつも進行するとは限らないため、いつどんな時でも不測の事態に見舞われる可能性を考慮しておくべきだ。

この言葉がよく使われる場面としては、性格や態度がひねくれていない様子を意味する時などが挙げられます。

例文3のように、人の性格や言動だけでなく、物事に対して使うこともできます。

誠実の例文

1.誠実な男性と結婚したいと彼女は言っていたが、結婚をするにあたって浮気や不倫をしないのは当たり前ではないだろうか。
2.公正性を保ちつつ、誠実な対応に努めて参りますという彼の真摯な態度に取引先も満足そうだった。
3.日頃の行いから不誠実だと思っていた男性は、思ったよりも一途で恋人のことを大切にする人だったらしく、勝手に罪悪感を感じている。

この言葉がよく使われる場面としては、真心があり真面目で偽りがない様子を意味する時などが挙げられます。

例文3の「不誠実」は、真心がない様子を意味する言葉で、誠実の対義語に当たります。

正直と素直と誠実どれを使うか迷った場合は、偽りがない言動を表す場合は「正直」を、ひねくれていない性格を表す場合は「素直」を、真心を感じる言動を表す場合は「誠実」を使うと覚えておけば間違いありません。

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