【勇み足】と【早とちり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「勇み足」(読み方:いさみあし)と「早とちり」(読み方:はやとちり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「勇み足」と「早とちり」という言葉は、どちらも慎重さが足りずにミスが起こることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「勇み足」と「早とちり」の違い

「勇み足」と「早とちり」の違いを分かりやすく言うと、「勇み足」は調子の乗って勢いあまって失敗すること、「早とちり」は分かったつもりになって間違えることという違いです。

一つ目の「勇み足」を使った分かりやすい例としては、「勇み足で試合に負けてしまいました」「昨日の放言は私の勇み足でした」「その件については私が勇み足を踏んだと思います」「上手くいっていたものの勇み足で失敗してしまいました」などがあります。

二つ目の「早とちり」を使った分かりやすい例としては、「早とちりして必要な資料を捨ててしまいました」「とんだ早とちりで大恥をかきました」「早とちりしないようによく資料を読むことが大切だろう」「私は早とちりでチャンスを逃しました」などがあります。

「勇み足」と「早とちり」はどちらも慎重さが足りずにミスが起こることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「勇み足」は調子づいてやりすぎたり仕損じたりすることを意味する言葉で、「彼は勇み足で失言してしまいました」のように、調子の乗って勢いあまって失敗するというニュアンスで使う言葉になります。

一方、「早とちり」は早合点をして間違えることを意味している言葉です。早合点とは、よく聞いたり確かめたりしないうちに分かったつもりになることを意味しています。つまり、「早とちり」は分かったつもりになって間違えるというニュアンスで使う言葉です。

したがって、「勇み足」と「早とちり」は類語ではあるものの、意味は異なった言葉なので上手に使い分けるようにしましょう。

「勇み足」を英語にすると「jumped the gun」「overeager」「getting ahead of oneself」となり、例えば上記の「その件については私が勇み足を踏んだと思います」を英語にすると「I think I jumped the gun on that one」となります。

一方、「早とちり」を英語にすると「jump to a conclusion」「jumping the gun」となり、例えば上記の「私は早とちりでチャンスを逃しました」を英語にすると「I blew a good chance by jumping the gun」となります。

「勇み足」の意味

「勇み足」とは、調子づいてやりすぎたり仕損じたりすることを意味しています。

「勇み足」の読み方は「いさみあし」です。「ゆうみあし」などと読まないようにしましょう。

「勇み足を踏む」「勇み足になる」などが、「勇み足」を使った一般的な言い回しになります。

「勇み足」を使った分かりやすい例としては、「新社長が勇み足の失言をし大問題となりました」「マランソン選手がゴール前で勇み足をし最後の最後で抜かれてしまいました」「警察の誤認逮捕は勇み足といえる」「勇み足として相手の勝ちになりました」などがあります。

「勇み足」は調子づいてやりすぎたり仕損じたりすることを意味する言葉です。

「勇み足」は元々相撲用語で、相手を土俵際に追いつめながら、勢いあまって自分から先に足を土俵の外に踏み出すことの意味で使われていた言葉でした。相手に対して優勢なのにも関わらず負けてしまうのです。

この相撲で使う「勇み足」が転じて、調子に乗って余計なことをして失敗することの意味で日常生活やビジネスシーンでも使われるようになったと言われています。

「勇み足」は上手くいっていたのに調子に乗り過ぎて失敗する場合に使う言葉なので、基本的にマイナスのイメージが伴っていると覚えておきましょう。

「勇み足」の類語・類義語としては、何かに心を奪われて我を忘れることを意味する「無我夢中」があります。

「早とちり」の意味

「早とちり」とは、早合点をして間違えることを意味しています。

「早とちりをする」「早とちりを直す」などが、「早とちり」を使った一般的な言い回しになります。

「早とちり」を使った分かりやすい例としては、「早とちりしないように気をつけよう」「私はまた早とちりをしてしまいました」「彼はせっかちなのでよく早とちりをします」「週刊誌の早とちりによって誤情報が世の中に広まってしまいました」などがあります。

「早とちり」は早合点をして間違えることを意味する名詞です。簡単に言うのであれば、よく聞いたり確かめたりしないうちに分かったつもりになることを指しています。

「早とちり」は本人は理解したと思っていても実際は理解しておらず失敗する場合に使うので、基本的にはマイナスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「早とちり」の類語・類義語としては、よく聞いたり確かめたりしないうちに分かったつもりになることを意味する「早飲み込み」、自分だけでよく分かったつもりになることを意味する「独り合点」などがあります。

「勇み足」の例文

1.プロジェクトを完了させる予定が、勇み足で先延ばしになってしまいました。
2.彼女の勇み足のせいで、決まりかけていた契約が破綻となってしまいました。
3.勇み足を避けるため、しっかりと確認を行ってからお手続きを始めさせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。
4.あの失言は社長の勇み足で、その影響で株価が大幅に下がりました。
5.なんと勇み足での優勝は、相撲史上初めてだったと言われています。

この言葉がよく使われる場面としては、調子づいてやりすぎたり仕損じたりすることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「勇み足」はマイナスのイメージで使う言葉です。

「早とちり」の例文

1.警察の早とちりによって誤認逮捕が行われ、世間から批判を受けていました。
2.私の早とちりで先方に迷惑をかけたので、謝罪へ行くことになりました。
3.彼女は人の話を聞かないので、よく早とちりをしてみんなに迷惑をかけています。
4.彼がこのままチームを去ると思っていたが、私の早とちりでした。
5.早とちりで友人を怒鳴ってしまい、とても反省をしています。

この言葉がよく使われる場面としては、早合点をして間違えることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「早とちり」はマイナスのイメージで使う言葉です。

「勇み足」と「早とちり」はどちらも慎重さが足りずにミスが起こることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、調子の乗って勢いあまって失敗することを表現したい時は「勇み足」を、分かったつもりになって間違えることを表現したい時は「早とちり」を使うと覚えておきましょう。

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