似た意味を持つ「ただ」と「ただただ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ただ」と「ただただ」という言葉は、どちらもそのことだけをすることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「ただ」と「ただただ」の違い
「ただ」と「ただただ」の意味の違い
「ただ」と「ただただ」の違いを分かりやすく言うと、「ただ」はそのことだけをすること、「ただただ」は「ただ」を強調した表現という違いです。
「ただ」と「ただただ」の使い方の違い
一つ目の「ただ」を使った分かりやすい例としては、「私たちはただ命令に従うしかありませんでした」「あなたはただ言われた通りにやればいいだけです」「彼はただ笑うばかりでした」「飲んでみたらただの砂糖水でした」などがあります。
二つ目の「ただただ」を使った分かりやすい例としては、「ただただ家族の無事を祈っています」「ただただ見事という他ありません」「私はただただ脱帽するしかありませんでした」「私はただただ母に感謝するばかりでした」などがあります。
「ただ」と「ただただ」の使い分け方
「ただ」と「ただただ」はどちらもそのことだけをすることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「ただ」を強調した表現が「ただただ」という点です。
したがって、「ただ」をより強めて言いたい場合に「ただただ」を使うと覚えておきましょう。
「ただ」と「ただただ」の英語表記の違い
「ただ」も「ただただ」も英語にすると「ordinary」「common」となり、例えば上記の「飲んでみたらただの砂糖水でした」を英語にすると「I tasted the drink and found it was merely sugared water」となります。
「ただ」の意味
「ただ」とは
「ただ」とは、そのことだけをすることを意味しています。その他にも、数量や程度などが極少ないことや前述の事柄に対して条件をつけたりその一部を保留したりすることの意味も持っています。
「ただ」の漢字表記
「ただ」を漢字にすると「唯」「只」「但」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ただ」を使うようにしましょう。
「ただ」の使い方
「何も思い浮かばずにただ時間だけが過ぎていきまん」「彼が合格するようにただ祈っています」などの文中で使われている「ただ」は、「そのことだけをすること」の意味で使われています。
一方、「正解はただの二人でした」「出かけてもいいがただ夕方までには帰るように」などの文中で使われている「ただ」は、「数量や程度などが極少ないことや前述の事柄に対して条件をつけたりその一部を保留したりすること」の意味で使われています。
「ただ」は複数の意味を持つ言葉ですが、似た意味ではないので使い方は異なっています。
そのことだけをすることの意味は副詞として使い、「ただ無事を祈る」「ただ時間だけが過ぎる」などのように、それよりほかにないと限定するというニュアンスです。
数量や程度などが極少ないことの意味は副詞として使い、「合格者はただ一人でした」のように、僅かやたったというニュアンスで使います。
前述の事柄に対して条件をつけたりその一部を保留したりすることの意味は接続詞として、「ただし」と似たようなニュアンスで使うと覚えておきましょう。
「ただ」の類語
「ただ」の類語・類義語としては、そのことだけに意を用いることを意味する「ひたすら」、数量が少ないことを強調することを意味する「たった」、 数量、程度、価値、時間などがほんの少しであることを意味する「わずか」などがあります。
「ただただ」の意味
「ただただ」とは
「ただただ」とは、そのことだけをすることを意味しています。
「ただただ」の漢字表記
「ただただ」を漢字にすると、「唯々」「只々」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「ただただ」を使うようにしましょう。
「ただただ」の使い方
「ただただ」を使った分かりやすい例としては、「私たちはただただ驚くばかりでした」「彼はその知らせを聞くとただただ泣くばかりであった」「ここから観る景色はただただ見事でした」「突然の訃報に接しただただ驚くばかりです」などがあります。
「ただただ」はそのことだけをすることを意味した副詞で、「ただ」をより強調した言葉です。
「ただただ」は後ろに続く言葉を強調する場合に使い、「ただただ驚くばかり」「ただただ悲しいだけ」などのように、「ばかり」や「だけ」のような範囲を限定する語句とセットで使うことが多いと覚えておきましょう。
「ただただ」の類語
「ただただ」の類語・類義語としては、他は差し置いてある一つの事に集中することを意味する「もっぱら」、だそのことだけをするさまを意味する「偏に」などがあります。
「ただ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そのことだけをすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、数量や程度などが極少ないこと、前述の事柄に対して条件をつけたりその一部を保留したりすることを表現したい時にも使います。
例文1と例文2の「ただ」はそのことだけをすること、例文3と例文4の「ただ」は数量や程度などが極少ないこと、例文5の「ただ」は前述の事柄に対して条件をつけたりその一部を保留したりすることの意味で使っています。
「ただただ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、そのことだけをすることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ただただ」は「ただ」を強めた表現として使います。
「ただ」と「ただただ」はどちらもそのことだけをすることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「ただ」をより強調した表現が「ただただ」と覚えておきましょう。