【恩返し】と【恩送り】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「恩返し」(読み方:おんがえし)と「恩送り」(読み方:おんおくり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「恩返し」と「恩送り」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「恩返し」と「恩送り」の違い

「恩返し」と「恩送り」の意味の違い

「恩返し」と「恩送り」の違いを分かりやすく言うと、「恩返し」は恩をくれた人に返すこと、「恩送り」は恩をくれた人ではなく別の人に送ることという違いです。

「恩返し」と「恩送り」の使い方の違い

一つ目の「恩返し」を使った分かりやすい例としては、「お世話になった先輩に恩返しをする」「彼女に何か恩返しをしたいです」「応援してくれる祖母に恩返しをしたいです」「彼に何か恩返しがしたいです」などがあります。

二つ目の「恩送り」を使った分かりやすい例としては、「彼が仕事を手伝ってくれたので恩送りをしようと思います」「世の中は恩送りで溢れていると思います」「恩送りは気持ちがいいものだと思います」「私はいつも恩送りをしたいと思っています」などがあります。

「恩返し」と「恩送り」の使い分け方

「恩返し」と「恩送り」は似た言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。

「恩返し」は受けた恩に報いることを意味する言葉で、恩をくれた人に直接返す場合に使います。

一方、「恩送り」は誰かから受けた恩を直接その人に返すのではなく別の人に送ることを意味する言葉で、恩をくれた人ではなく別の人に送るに使います。

したがって、「恩返し」は恩をくれた人に返す言葉、「恩送り」は恩をくれた人ではなく別の人に送る言葉と覚えておきましょう。

「恩返し」と「恩送り」の英語表記の違い

「恩返し」を英語にすると「repay」「show one’s gratitude」となり、例えば上記の「彼に何か恩返しがしたいです」を英語にすると「I want to do something to repay him」となります。

一方、「恩送り」を英語にすると「Pay it forward」となり、例えば上記の「私はいつも恩送りをしたいと思っています」を英語にすると「I always want to pay it forward」となります。

「恩返し」の意味

「恩返し」とは

「恩返し」とは、受けた恩に報いることを意味しています。

表現方法は「恩返ししたい」「恩返しをする」

「恩返ししたい」「恩返しをする」などが、「恩返し」を使った一般的な言い回しになります。

「恩返し」の使い方

「恩返し」を使った分かりやすい例としては、「彼には何か恩返しをしなければならないだろう」「私は何らかの形で両親に恩返しをしたいです」「自分が成長することで会社に恩返しがしたい」「両親への最高の恩返しは健康で生き続けることだと思います」などがあります。

「恩返し」は受けた恩に報いることを意味する名詞で、恩をくれた人に直接返す場合に使う言葉です。

「恩返し」は受けた恩に感謝しそれに相応しい行為で返す場合に使うので、基本的にプラスのイメージを伴っていると覚えておきましょう。

「恩返し」の対義語

「恩返し」の対義語・反対語としては、恩返しをしないでかえって恩人に害を与えることを意味する「恩を仇で返す」などがあります。

「恩返し」の類語

「恩返し」の類語・類義語としては、受けた事に対してそれに見合う行為を相手に行うことを意味する「報いる」、人から受けた礼や贈り物に対して行為や品物で報いることを意味する「返礼」などがあります。

「恩送り」の意味

「恩送り」とは

「恩送り」とは、誰かから受けた恩を直接その人に返すのではなく別の人に送ることを意味しています。

「恩送り」の使い方

「恩送り」を使った分かりやすい例としては、「恩送りはどこかで止まってしまうこともある」「恩送りは世界中に溢れていると思う」「恩送りの思想は世の中を豊かにするはずです」「恩送りはとても素敵な行いだと思っています」などがあります。

「恩送り」は誰かから受けた恩を直接その人に返すのではなく別の人に送ること、つまり、恩をくれた人ではなく別の人に送る場合に使う言葉です。

「恩送り」のメリット

「恩送り」には「恩返し」にはないメリットがあります。「恩返し」は基本的に1対1のやり取りなので二人だけで完結しますが、「恩送り」は別の人に送るので、その喜び感謝が無限に広がっていくという点です。

「恩送り」は最近作られた言葉ではなく、江戸時代にはすでに使用されていた表現となっています。また、英語圏でも「ペイ・フォワード」という言葉で使用されており、2000年には『ペイ・フォワード 可能の王国』という題名で映画化もされていました。

「恩送り」の類語

「恩送り」の類語・類義語としては、自分が受けた善意を他の誰かに渡すことで善意をその先につないでいくことを意味する「ペイ・フォワード」があります。

「恩返し」の例文

1.母校が廃校になると聞いたので、せめての恩返しでイベントを開催することにしました。
2.私たち何らかの形で、彼に恩返しをしたいと思っています。
3.今年大学を卒業して就職するので、両親に何らかの恩返しがしたいです。
4.チーム初のリーグ優勝をすることで、応援してくれたファンの方々に恩返しをすることができました。
5.自分を育ててくれたこの会社に、結果を残して恩返しがしたいです。

この言葉がよく使われる場面としては、受けた恩に報いることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「恩返し」はプラスのイメージで使う言葉です。

「恩送り」の例文

1.恩送りをすることで、あなただけではなく周りも幸せな気持ちになるでしょう。
2.恩送りは恩を違う人に送るので、バトンみたいなものだと思っています。
3.私は意識して恩送りを行なうことで、たくさんの人に幸せになってもらいたいです。
4.恩送りのメリットとしては、他人に受け継ぐのでその輪が広がっていくことだと思います。
5.今回は恩返しではなく、恩送りをしようと思っています。

この言葉がよく使われる場面としては、誰かから受けた恩を直接その人に返すのではなく別の人に送ることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「恩送り」はプラスのイメージで使う言葉です。

「恩返し」と「恩送り」は似た言葉ですが意味は異なっています。どちらの言葉を使うか迷った場合、恩をくれた人に返すことを表現したい時は「恩返し」を、恩をくれた人ではなく別の人に送ることを表現したい時は「恩送り」を使うと覚えておきましょう。

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