【裸の王様】と【独裁者】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「裸の王様」(読み方:はだかのおうさま)と「独裁者」(読み方:どくさいしゃ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「裸の王様」と「独裁者」という言葉は、どちらも周りの意見を聞かない人のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「裸の王様」と「独裁者」の違い

「裸の王様」と「独裁者」の意味の違い

「裸の王様」と「独裁者」の違いを分かりやすく言うと、「裸の王様」とは周りの意見を聞かないため真実が見えていない人、「独裁者」とは周りの意見を聞かず独裁政治を行う人という違いです。

「裸の王様」と「独裁者」の使い方の違い

一つ目の「裸の王様」を使った分かりやすい例としては、「他人の意見を無視していたら裸の王様になってしまうよ」「彼女の独裁ぶりはまるで裸の王様だ」などがあります。

二つ目の「独裁者」を使った分かりやすい例としては、「彼は独裁者として非難されている」「残忍な独裁者を倒すために住民が立ち上がる」「独裁者の専制政治が始まった」「彼女は独裁者になる恐れがある」などがあります。

「裸の王様」と「独裁者」の使い分け方

「裸の王様」と「独裁者」はどちらも周りの意見を聞かない人のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあります。

「裸の王様」は周りの意見を聞かないため真実が見えていない権力者を指しているのに対して、「独裁者」は周りの意見を聞かず独裁政治を行う人を指しているのが違いです。ほぼ似たようなニュアンスで使うのですが、「独裁者」は独裁政治を行なってるというのがポイントになります。

「裸の王様」と「独裁者」の英語表記の違い

「裸の王様」を直訳すると「The naked emperor」となりますが、あまり使わない表現です。

一方、「独裁者」を英語にすると「dictator」となり、例えば上記の「彼女は独裁者になる恐れがある」を英語にすると「She might become a dictator」となります。

「裸の王様」の意味

「裸の王様」とは

「裸の王様」とは、高い地位にあって周囲からの批判や反対を受け入れないために真実が見えなくなっている人のことを意味しています。

「裸の王様」の使い方

「裸の王様」を使った分かりやすい例としては、「彼の独裁ぶりはまるで裸の王様だ」「バレーボールで自己中心的なプレーを続けていたら裸の王様と呼ばれるようになってしまった」「入社した会社の社長が裸の王様だったので退社を決意しました」などがあります。

「裸の王様」の由来

「裸の王様」はデンマークの童話作家アンデルセンが1837年に発表した童話が由来になっています。童話「裸の王様」は衣装に現を抜かす王が仕立屋を装った詐欺師に騙されて、下着姿で町を練り歩くというお話です。

これが転じて、高い地位にあって周囲からの批判や反対を受け入れないために真実が見えなくなっている人のことを指すことを「裸の王様」と言うようになりました。

「裸の王様」は有名人・社長・上司に使う

「裸の王様」は有名人、社長、上司など、自分よりも高い地位を持っている人を貶すための言葉として使うのが一般的です。そのため、マイナスなイメージでしか使わない言葉になります。

「裸の王様」の類語

「裸の王様」の類語・類義語としては、身近にあって自分に関わりの深いものはかえって気づかないことを意味する「魚の目に見えず」、自分は思い上がって得意になっているが他人からは卑しめられていることを意味する「蛸の糞で頭に上がる」(読み方:たこのくそであたまにあがる)などがあります。

「独裁者」の意味

「独裁者」とは

「独裁者」とは、独裁政治を行う者のことを意味しています。

「独裁者」の使い方

「独裁者」を使った分かりやすい例としては、「我々の力で独裁者から民衆を解放しなければならない」「独裁者が居ない世界を作りたい」「彼はこの会社の独裁者です」「独裁者は人々を」などがあります。

「独裁者」は独裁政治を行う人に使う

「独裁者」は独裁政治を行う人のことを指しています。

独裁政治とは特定の個人、党派、階級、身分などの少数者が国家権力を独占し、恣意的に行う政治のことです。ローマ時代では非常事態に対処するために任命された統治者による政治の形態であったが、現代では政治や第三世界の国に見られる軍部による政治を指すようになりました。

有名な「独裁者」としては、イタリアの政治家である「ベニート・ムッソリーニ」、ナチスドイツの政治家である「アドルフヒトラー」、ソ連の政治家である「ヨシフ・スターリン」などがいます。

また、「独裁者」は社長や上司などの、自分よりも高い地位を持っている人を貶すための言葉として使う人も増えてきました。そのため、マイナスなイメージでしか使わない言葉になります。

「独裁者」の類語

「独裁者」の類語・類義語としては、人民を苦しめる暴虐な君主のことを意味する「暴君」、専制政治を行う君主のことを意味する「専制君主」、ある地域や組織に権力を及ぼして自分の意のままに動かせる状態に置くことを意味する「支配」などがあります。

「裸の王様」の例文

1.部長に昇進した途端、周りの意見を一切聞かなくなったら、陰で裸の王様と言われるようになった。
2.中学校のサッカーで先輩のアドバイスも聞かず自己中心的なプレーばかりをしていたら、裸の王様と呼ばれパスをしてもらえなくなりました。
3.悪事がバレた社長が責任を秘書や部下に押し付けるのは、裸の王様と言わざるを得ない。
4.美容院で髪型が似合ってないのにスタリストさんが絶讃するのは、裸の王様に近い物があります。
5.周りの意見を一切聞かない裸の王様のような社長が運営している会社は、数年で潰れるだろう。
6.株式投資が小金を得ることができたことでいい意味での慎重さや客観的な視点を失い、裸の王様になって潰れていった人をわたしは何人も見てきたよ。
7.今思えば会社がつぶれる数年前から社長の取り巻きがイエスマンだらけで諌める者もおらず、きっと裸の王様状態だったのだと思う。
8.芸能界でちょっと売れたりしてちやほやされるとすぐに裸の王様になってしまうやつがいるが、そういうやつはすぐに売れなくなるだろうな。
9.YouTuberではわざと非常識な発言をして炎上するものがいるが、彼らみたいなのは裸であることを誇った裸の王様のようなものであり、救いようがないと思う。
10.小さい頃に母親からたくさんの絵本を読んでもらったが、その中でも一番印象にに凝っているのがアンデルセンの童話の「裸の王様」であった。

この言葉がよく使われる場面としては、高い地位にあって周囲からの批判や反対を受け入れないために真実が見えなくなっている人のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように「裸の王様」はマイナスなイメージで使われることが多いです。

「独裁者」の例文

1.独裁者は庶民の考えをコントロールし、反対者の反発を制御するために、新聞などメディアなどを制限した。
2.あの会社の社長は独裁者とも言われているので、数年で潰れるはずだ。
3.新卒で入社した会社の社長が独裁者だったため、僅か3ヶ月で退社することに来ました。
4.彼女の政治は独裁者からかけ離れていて、国民からとても信頼されています。
5.彼は国民を救うために独裁者と戦った、優秀なレジスタンス達です。
6.昭和の企業経営者のなかには独裁者的な側面が垣間見えることがあり、今でいえばパワーハラスメントやコンプライアンス違反などが横行していた。
7.メンターからいかなる人も誰かの奴隷になってはならず、自分で自分のことを強く支配する独裁者になるくらいの気迫がないといけないと教わった。
8.独裁者の人生はイージーモードのように思えるが、実態は孤独で疑心暗鬼に苛まれており、その不安を拭い去ろうと罪のない人たちを死刑台に送り続けている。
9.この国では指導者がすこしでもリーダーシップを発揮しようとするとまわりから独裁者呼ばわりされるので、なかなか改革が進まない状況であった。
10.人民が独裁者を恐れるのは単に権力を持っているからではなく、その権力をどのような基準で行使するのかわからないから恐れているのである。

この言葉がよく使われる場面としては、独裁政治を行う者のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文のように「独裁者」はマイナスなイメージで使われることが多いです。

「裸の王様」と「独裁者」という言葉は、どちらも周りの意見を聞かない人のことを表します。

どちらの言葉を使うか迷った場合、高い地位にあって周囲からの批判や反対を受け入れないために真実が見えなくなっている人のことを表現したい時は「裸の王様」を、独裁政治を行う者のことを表現したい時は「独裁者」を使うようにしましょう。

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