似た意味を持つ「破れかぶれ」(読み方:やぶれかぶれ)と「やけくそ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「破れかぶれ」と「やけくそ」という言葉は、どちらも物事が思うようにいかず冷静な判断を失った状態のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「破れかぶれ」と「やけくそ」の違い
「破れかぶれ」と「やけくそ」の違いを分かりやすく言うと、「破れかぶれ」は無謀な行動に出る様子や態度を表すこと、「やけくそ」は自暴自棄になった精神状態を表すことという違いです。
一つ目の「破れかぶれ」を使った分かりやすい例としては、「どうせ失敗するなら破れかぶれで挑戦してやる」「追い込まれて、破れかぶれの行動に出てしまった」「計画は崩れたが、最後は破れかぶれでやり切った」などがあります。
二つ目の「やけくそ」を使った分かりやすい例としては、「うまくいかないことが続いて、やけくそになってしまった」「失恋のショックで、やけくそな言動を取ってしまった」「どうにでもなれと、やけくそで高い買い物をした」などがあります。
「破れかぶれ」と「やけくそ」はどちらも物事が思うようにいかず冷静な判断を失った状態のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「破れかぶれ」はもうどうにでもなれという気持ちで、無茶や無謀な行動に出るというニュアンスが強く、外に向かって行動を起こす場面で使われることが多い言葉です。そのため、「破れかぶれの勝負に出る」「破れかぶれの行動」のように、具体的な行為と結びつけて使われる傾向があります。
一方、「やけくそ」は失望・怒り・悲しみなどの感情から自暴自棄になる心理状態を指し、内面的な感情に焦点が当たることが多い言葉です。そのため、「やけくそな気持ち」「やけくそになる」のように、心情を表す表現として使われることが多くなります。
つまり、無謀な行動に出る様子や態度を表すのが「破れかぶれ」、自暴自棄になった精神状態を表すのが「やけくそ」と覚えておきましょう。
「破れかぶれ」を英語にすると「desperate」「reckless」「in desperation」となり、例えば「彼は破れかぶれで最後の賭けに出た」を英語にすると「He made a desperate last gamble」となります。
一方、「やけくそ」を英語にすると「in desperation」「out of frustration」「self-destructive」となり、例えば「彼女はやけくそになって全てを投げ出した」を英語にすると「She gave up everything out of frustration」となります。
「破れかぶれ」の意味
「破れかぶれ」とは、もうどうにでもなれという気持ちを意味しています。
「破れかぶれになる」「破れかぶれな態度」「破れかぶれで決める」などが、「破れかぶれ」を使った一般的な言い回しになります。
「破れかぶれ」を使った分かりやすい例としては、「失敗が続き、彼は破れかぶれになって無謀な挑戦をした」「破れかぶれな行動が状況をさらに悪化させた」「何もかも嫌になり破れかぶれで答えを出した」「追い詰められて破れかぶれの態度を取ってしまった」などがあります。
「破れかぶれ」は、物事がうまくいかず、自暴自棄になって投げやりな行動を取る様子を意味する形容動詞です。形容動詞とは活用のある自立語で、文中において単独で述語になることができ、言い切りの形が、口語では「だ」、文語では「なり」「たり」で終わるものを指します。
「破れかぶれ」は、冷静な判断を失い、どうにでもなれという気持ちで行動する場面に使われるため、基本的にはマイナスのイメージを持つ言葉です。感情に流されている状態を表すことが多く、注意や戒めの意味を含んで使われることが多いと覚えておきましょう。
「破れかぶれ」の特徴を挙げると、失敗や不安から投げやりになる人、冷静な判断ができなくなる人、結果を考えずに行動してしまう人、感情のままに突き進む人、状況を悪化させる可能性のある無謀な選択をしやすい人などがあります。
「破れかぶれ」の類語・類義語としては、自暴自棄な状態を意味する「投げやり」、結果を顧みず行動する「無鉄砲」などがあります。
「やけくそ」の意味
「やけくそ」とは、自暴自棄になって投げやりな行動をとることを意味しています。
「やけくそになる」「やけくそな行動」「やけくそで言い返す」などが、「やけくそ」を使った一般的な言い回しになります。
「やけくそ」を使った分かりやすい例としては、「何度挑戦してもうまくいかず彼はやけくそになった」「やけくそな態度で無理な計画に賛成してしまった」「もうどうでもいいとやけくそで本音をぶつけた」「追い詰められてやけくそのような行動を取った」などがあります。
「やけくそ」は、物事が思いどおりにいかず、投げやりな気持ちで乱暴な行動や極端な選択をしてしまう状態を意味する形容動詞です。
「やけくそ」は、失望や怒り、不満などの感情が限界に達したときに使われることが多く、基本的にはマイナスのイメージを持つ言葉です。感情の爆発や自暴自棄な心理状態を表す場面で使われやすいと覚えておきましょう。
「やけくそ」の特徴を挙げると、うまくいかないことへの強い不満を持つ人、感情を抑えきれなくなる人、冷静さを欠いた判断をしやすい人、周囲の意見を聞かずに行動してしまう人、衝動的で極端な選択をしやすい人などがあります。
「やけくそ」の類語・類義語としては、感情にまかせて行動する「無茶」などがあります。
「破れかぶれ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、もうどうにでもなれという気持ちのことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「破れかぶれ」は無謀な行動に出る様子や態度を表す時に使う言葉です。
「やけくそ」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自暴自棄になって投げやりな行動をとることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「やけくそ」は自暴自棄になった精神状態を表す時に使う言葉です。
「破れかぶれ」と「やけくそ」はどちらも物事が思うようにいかず冷静な判断を失った状態のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、無謀な行動に出る様子や態度を表すのが「破れかぶれ」、自暴自棄になった精神状態を表すのが「やけくそ」と覚えておきましょう。