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【要綱】と【要項】と【要領】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「要綱」(読み方:ようこう)と「要項」(読み方:ようこう)と「要領」(読み方:ようりょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「要綱」と「要項」と「要領」という言葉は、物事の事項という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




要綱と要項と要領の違い

要綱と要項と要領の意味の違い

要綱と要項と要領の違いを分かりやすく言うと、要綱は基本的な事項を表現する時に使い、要項は大切な事項を表現する時に使い、要領は物事の最も大切な点を表現する時に使うという違いです。

要綱と要項と要領の使い方の違い

要綱という言葉は、「ホームページの要綱は古いものである」「要綱の改正により大きな影響は感じられなかった」などの使い方で、基本的かつ大切な事柄やそれらをまとめたものを意味します。

要項という言葉は、「要項に目を通しておく」「募集要項が貼りだされている」などの使い方で、大切な事柄や必要な事柄を意味します。

要領という言葉は、「学習指導要領が改正された」「以下の要領で挑戦してみてください」などの使い方で、最も重要な事柄や、物事の上手い処理方法を意味します。

要綱と要項と要領の使い分け方

要項と要領はほとんど意味が同じです。要綱は基本的な事柄を表すため他二つと若干意味は違ってきますが、これらを踏まえて、三つの言葉を表すものが大切な度合いの順に並べると、要領>要項≧要綱となります。

また、要綱と要項は、前者が抽象性の高いものや枠組みが広いものに、後者が具体性の高いものや枠組みの狭いものに使われるという違いもあります。例えば、球技大会全体のルールは要綱ですが、球技大会のうち一つの競技のルールは要項を使います。

これらが要綱、要項、要領の明確な違いです。

要綱の意味

要綱とは

要綱とは、基本となる大切な事柄を意味しています。

表現方法は「募集要綱」「実施要綱」「設置要綱」

「募集要綱」「実施要綱」「設置要綱」などが、要綱を使った一般的な言い回しです。

「要綱アセスメント」の意味

要綱を使った言葉として、「要綱アセスメント」があります。これは、法律や条例などの形式を取らずに要綱に基づいた環境アセスメントを行うことを要綱アセスメントと言います。省略して要綱アセスと言う場合もあります。

環境アセスメントとは、開発を行う、続けることで、本来雨水を吸収していた森林が皆無になった場合近辺の住民に浸水などの被害が及ぶのではないだろうか、など開発によって生じるだろう影響を予測することです。

この環境アセスメントを法律などではなく、要綱にだけ沿って行うことを要綱アセスメントと言います。今日では法が施行されたため、要綱アセスメントは実施されていません。

要綱の類語

要綱の類語・類義語としては、必要な部分だけを書いた図面を意味する「要図」、領域全体のあらましを要約して述べることを意味する「概論」、要点をまとめて見やすくした文書を意味する「要覧」、大体の意味を意味する「大意」があります。

要項の意味

要項とは

要項とは、大切な事柄や必要な事柄を意味しています。

表現方法は「参加要項」「募集要項」「大会要項」

要項を使った表現として、「参加要項」「募集要項」「大会要項」「要項の規程により」「要項改正」「要項を満たす」「要項を策定する」などがあります。どの表現の要項も、要領という言葉に置き換えて問題はありません。

また、要綱という言葉も、共に使う言葉に応じて置き換えて使うことができます。その場合は、重要かつ概要のように基本的なことが書かれているものであれば置き換えて使うことができます。

要項の類語

要項の類語・類義語としては、物事をなす時の考え事やねらいを意味する「趣意」、全体の要点を取りまとめたものを意味する「概要」、主要な意図を意味する「主意」、内容を全体的にとらえて述べたものを意味する「総論」があります。

要領の意味

要領とは

要領とは、物事の最も大事な点を意味しています。その他にも、物事の要点を掴んだ上手い処理の仕方も意味します。

要領を使った言葉として、「要領がいい」「要領を得ない」があります。

「要領がいい」の意味

一つ目の「要領がいい」とは、手際がいいということや、手を抜いたり人に取り入るのが上手いことを意味する慣用句です。

「要領を得ない」の意味

二つ目の「要領を得ない」とは、要点がはっきりしないことを意味する慣用句です。もとは『漢書』の「張騫伝」と呼ばれる話で出てきたのが由来です。

紀元前2世紀の中国は漢と呼ばれる時代で、武帝という王様が宿敵である匈奴を倒すために大月氏国と協力して挟み撃ちにしようと目論むも、長い年月を掛けて大月氏国へと出向いた張騫は大月氏国に断られてしまいます。

張騫が旅の途中で集めた西ヨーロッパなどの西域の情報が非常に貴重で、武帝が高く評価したような場面で「ついに月氏の要領を得る事あたわず」という文章が登場することになります。これが「要領を得る」「要領を得ない」の語源です。

表現方法は「要領をつかむ」「要領がわからない」「以下の要領で」

上記以外では「要領をつかむ」「要領がわからない」「以下の要領で」などが、要領を使った一般的な言い回しです。

要領の類語

要領の類語・類義語としては、物事の中心となる大切なところを意味する「核心」、述べられていることの主要な点を意味する「要旨」、全体を構成する上での重要な部分を意味する「骨子」、大切な意味を意味する「要義」などがあります。

要綱の例文

1.今度の学内イベントに関する要綱のひな型は昨年度のものを使わせてもらおうと思う。
2.要綱には基本的な事柄しか書かれていないため、その他必要な事柄は別場所に決められたものが置かれていることが多い。
3.契約に関する要綱を提示されたが持ち帰ってゆっくり読ませてもらえるよう頼んだ。
4.地方自治体が持つ建築指導要綱は、建築についてだけでなく、まちづくりや環境の整備についても言及するものである。
5.条例に違反すると罰則が課せられるが、要綱は「指導」の意味合いが強いので、これに違反しても取り締まることは法律上出来ない。
6.国から公共事業の入札における募集要綱が発表されたので、我が社の関係部署はその要綱をもとに準備作業を進めている。
7.新エネルギー政策の要綱作成に関しては、与野党以前に、与党のなかでも意見が対立してまとまる道筋は見えてこない。

この言葉がよく使われる場面としては、基本的な事柄を意味する時などが挙げられます。

例文2の要綱は「基本的な事柄」と書かれているため、要項に置き換えて使うことはできませんが、例文1と例文3は詳細が書かれていないため、場合によっては置き換えて使うことができます。

要項の例文

1.次に参加するイベントの参加要項を事前に確認してから申し込みをするつもりだ。
2.大学の入試要項をネットで確認して、試験に必要な科目などを確認しておく。
3.球技大会要項に書いてあった違反行為が行われたため、何人かの選手は退場扱いとなってしまった。
4.プロジェクターで映される資料の要項を読み上げるだけの会議に、毎週2時間も時間を割くなんて古き悪しき習慣だと僕は思う。
5.求人の募集要項の年齢はあくまでも目安で、その他の条件や人柄などが先方とマッチすれば年齢の範囲外でも採用されることはある。
6.募集要項をしっかり確認しなかったために、履歴書や職務経歴書などを書類作成をしたことが無駄骨になってしまったのだった。
7.わたしは年齢の要項を満たしていなかったが、新聞記者の面接に飛び入りで参加し、その中で編集長に気に入られたのが幸いし試験を合格できた。

この言葉がよく使われる場面としては、大切な事柄や必要な事柄を意味する時などが挙げられます。

どの要項も要領に変えることができますが、要綱の場合は抽象的な内容であったり、全体的な枠組みに対してのみしか置き換えて使うことはできません。

要領の例文

1.彼は要領がいいのか頼んだ仕事をすぐに終わらせてくれる。
2.書類作成や提出のための要領がホームページに書かれているらしい。
3.要領をつかもうとするのも大切だが、そのためにはまず経験量を増やす必要があるだろう。
4.朝イチで母から電話が来たが、なにやら慌てていて全く話の要領を得ないので、そのまま実家に向かい直接話をした。
5.小さい頃から要領が悪く、何をするにしても最後になる私はよく兄弟と比べられ辛かったので、自分の子どもには同じことをすまい、と誓っている。
6.彼は運動神経が抜群というだけでなくて、どんなスポーツであっても要領をつかむのがうまいのですぐに上達するのだ。
7.彼はそれほど優秀でもないくせに、上司の前では取り入るのがうまいので出世も早く、同僚からは要領だけはいいと皮肉を言われている。

この言葉がよく使われる場面としては、最も大切な事柄を意味する時などが挙げられます。

例文1の「要領がいい」と例文3の「要領をつかむ」は、大切な事柄ではなく、処理方法が上手いことを意味する言葉となります。

要綱と要項と要領どれを使うか迷った場合は、基本的な事項を表す場合は「要綱」を、大切な事項を表す場合は「要項」を、最も大切な事項を表す場合は「要領」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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