【一歩ずつ】と【一歩づつ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「いっぽずつ」という読み方の「一歩ずつ」と「一歩づつ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「一歩ずつ」と「一歩づつ」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




「一歩ずつ」と「一歩づつ」の違い

「一歩ずつ」と「一歩づつ」の意味の違い

「一歩ずつ」と「一歩づつ」の違いを分かりやすく言うと、「一歩ずつ」とは現代仮名遣い、「一歩づつ」とは歴史的仮名遣いという違いです。

「一歩ずつ」と「一歩づつ」の使い方の違い

一つ目の「一歩ずつ」を使った分かりやすい例としては、「一歩ずつ前に進んでください」「人々はこの階段を一歩ずつ上がっていきまいた」「彼女は一歩ずつ先に進むだろう」などがあります。

二つ目の「一歩づつ」を使った分かりやすい例としては、「一歩づつ確実に前と進んでいきます」「警戒しながら一歩づつ進んでいきます」「彼は一歩づつ緩やかに足を運びました」などがあります。

「一歩ずつ」と「一歩づつ」の使い分け方

「一歩ずつ」と「一歩づつ」はどちらも物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを意味しています。違いを挙げるならば「一歩ずつ」が現代仮名遣いで、「一歩づつ」が歴史的仮名遣いということです。

どちらも正しい日本語なのですが、現代においては内閣告示の現代仮名遣いである「ずつ」の方を使うのが一般的になっています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「一歩ずつ」の方を使うようにしましょう。それ以外の場面では好きな方を使っても問題ありません。

「一歩ずつ」と「一歩づつ」の英語表記の違い

「一歩ずつ」も「一歩づつ」も英語にすると「step by step」「step at a time」となり、例えば上記の「彼女は一歩ずつ先に進むだろう」を英語にすると「She will move ahead step by step」となります。

「一歩ずつ」の意味

「一歩ずつ」とは

「一歩ずつ」とは、物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを意味しています。

表現方法は「一歩ずつ前へ」「一歩ずつ進む」「一歩ずつ前へ進む」

「一歩ずつ前へ」「一歩ずつ進む」「一歩ずつ前へ進む」などが、「一歩ずつ」を使った一般的な言い回しになります。

「一歩ずつ」の使い方

「一歩ずつ」を使った分かりやすい例としては、「長年の悲願が一歩ずつ現実のものとなってきている」「夢に近づくための努力を一歩ずつでいいからやってみます」「暗い谷底を一歩ずつ前に進んでいきました」などがあります。

「一歩ずつ」は物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを表す現代仮名遣いになります。現代仮名遣いとは、1986年7月1日に昭和61年内閣告示第1号として公布された日本語の仮名遣いのことです。

現代仮名遣いにおいて、歴史的に表記されてきた「づ」も「ず」に統一するとされています。そのため、法令、新聞、公的な書類などでは「ずつ」を用いた「一歩ずつ」を使うようにしましょう。

「一歩ずつ」の類語

「一歩ずつ」の類語・類義語としては、 手堅く着実に物事をすることを意味する「地道に」、やり方が堅実で危なげがないことを意味する「手堅い」などがあります。

「一歩づつ」の意味

「一歩づつ」とは

「一歩づつ」とは、物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを意味しています。

表現方法は「一歩づつ前へ」「一歩づつ進む」「一歩づつ前へ進む」

「一歩づつ前へ」「一歩づつ進む」「一歩づつ前へ進む」などが、「一歩づつ」を使った一般的な言い回しになります。

「一歩づつ」の使い方

「一歩づつ」を使った分かりやすい例としては、「再生への道を一歩づつ踏み出しました」「目標に一歩づつ近づくために努力は怠らない」「真っ暗で何も見えないので一歩づつ慎重に進むことにしました」などがあります。

「一歩づつ」は物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを表す歴史的仮名遣いになります。

歴史的仮名遣いとは、明治時代から第二次世界大戦終結直後までの公文書や学校教育において用いられたもので、平安時代初期までの実際の綴りを基盤としている言葉です。

「一歩づつ」は公用文では使えない

歴史的仮名遣いは間違った日本語ではないのではないのですが、現代にはおいては「づつ」を使うよりも「ずつ」の方を使うのが推奨されています。また、法令、新聞、公的な書類などでは「づつ」を用いた「一歩づつ」は使えないと覚えておきましょう。

「一歩づつ」の類語

「一歩づつ」の類語・類義語としては、落ち着いて確実に物事を行うことを意味する「着実に」があります。

「一歩ずつ」の例文

1.彼女が支えてくれることで勇気が出て、一歩ずつ前に進むことができました。
2.大人の世界へ一歩ずつ近づいているので、少し誇らしい気分です。
3.習い事を投げ出さずに一歩ずつコツコツと続けるのは、とても難しいことです。
4.山の斜面に生い茂る木を掴みながら、一歩ずつ降りていくことにしました。
5.この足場は崩れやすいので、一歩ずつ確認しながら進まなければなりません。
6.真っ暗な廊下を壁づたいに手探りで一歩ずつ進んで行くと、ふとこの廊下が永遠に続くんじゃないかという気になってくる。
7.わたしはほかの受験生のように一歩ずつ地道になんてそんな面倒くさいことなんてしてられなかったので、100歩ずつ進める方法を考えなくてはならなかった。
8.初めての登山では足が棒になってしまうくらい疲れてしまったが、誰も助けてくれるものはいないのだから我慢して一歩ずつ進むしかなかった。
9.わたしたちは敵に存在をばれないように靴音を立てないように一歩ずつゆっくりと歩いていたが、その甲斐もなく監視カメラですべて動きを把握されていた。
10.目隠しをされて捕らえられていた時に誰かが一歩ずつ近づいてくるのがわかり、わたしは殺されるかもしれないと恐怖に苛まれたが、その誰かはなんと縛っていた紐を解いてくれたのだ。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3の「一歩ずつ」は物事を少しずつ進めていくこと、例文4と例文5の「一歩ずつ」は足運びを一つずつ進めていくことの意味で使っています。

「一歩づつ」の例文

1.夢を叶えるためには、失敗や挫折を乗り越えて一歩づつ努力するしかありません。
2.私たちにできることは、ただひたすら生き延びて一歩づつ前に向かって進んでいくことです。
3.人生を一歩づつ登っていくのはとても大変だが、転がり落ちるのはいともたやすいです。
4.長い階段を一歩づつ登っているが、目的地まではまだまだかかりそうです。
5.列は1分ほどの間隔で一歩づつ前に進んでいます。この調子だと入場できるのはいつになるだろうか。
6.私たちが一歩づつ歩き切り開いてきた道を、後輩たちが更に平らにならし、その後輩たちがまた広い道へと作り上げてゆくのだ。
7.社長に就任して早々、この会社の再生への道は果てしなく遠いものに感じられ一瞬怖くなったが、わたしは一歩づつ進んでいく覚悟を決めた。
8.気づいてみればわたしたちの全国制覇への悲願が一歩づつではあったが現実のものになろうとしていたのだが、一方で強大な敵が立ちはだかろうとしていたのだ。
9.人生というのは一歩づつ進んでいると思っていても、本当は足踏みしているだけということがあったりするので、足元をよく確認しなければならない。
10.とにかく夢に近づくために一歩づつ地道に頑張るしかないのだが、才能のあるものはどんどん私を追い抜いて行ってしまうのでときに挫けそうにもなった。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを表現したい時などが挙げられます。

例文1から例文3の「一歩づつ」は物事を少しずつ進めていくこと、例文4と例文5の「一歩づつ」は足運びを一つずつ進めていくことの意味で使っています。

「一歩ずつ」と「一歩づつ」という言葉は、どちらも物事を少しずつ進めていくことや足運びを一つずつ進めていくことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、現代仮名遣いである「一歩ずつ」を使うようにしましょう。

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