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【司法】と【行政】と【立法】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「司法」(読み方:しほう)と「行政」(読み方:ぎょうせい)と「立法」(読み方:りっぽう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「司法」と「行政」と「立法」という言葉は、国の権力の一部という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




司法と行政と立法の違い

司法と行政と立法の意味の違い

司法と行政と立法の違いを分かりやすく言うと、司法は裁判所が担う権力を表現する時に使い、行政は内閣が担う権力を表現する時に使い、立法は国会が担う権力を表現する時に使うという違いです。

司法と行政と立法の使い方の違い

司法という言葉は、「司法試験を受ける友人のためにお守りを買ってきた」「司法書士に不動産の相続に関しての助言をしてもらうべきだ」などの使い方で、法を適用して争訟を解決することを意味します。

行政という言葉は、「行政サービスを扱っている場所で証明書を発行してもらわなければならない」「行政手続きがインターネットで出来るのは非常に便利だ」などの使い方で、法の下で公共の目的の実現を目指して行われることを意味します。

立法という言葉は、「立法権があるとは言え適当な法律を作ることはできない」「立法制定に関する歴史は長く続けられている」などの使い方で、法律を制定することを意味します。

司法と行政と立法はそれぞれが対義語

どれも国の権力の一部で、これら三つに分けて互いに抑制し合い、均衡を保つことによって権力の集中や、濫用を防ぐ仕組みを「三権分立」といいます。

17世紀フランスでは、君主に絶対的な権力が集中する絶対王政という政治体制の全盛期を迎え、しばらくその状態が各国で続きます。その絶対王政を18世紀前半に批判したモンテスキューが、『法の精神』という著書にて権力の分散を論じました。

この三権分立論は、アメリカ合衆国憲法やフランス革命など様々な統治理念に影響を与え、第二次世界大戦後にはアメリカに倣った三権分立が日本国憲法によって定められました。

そのため、実際に政治を行う内閣を、政治を行うための予算や法律を定める国会が抑制し、定められた法律が日本国憲法に反していないかを裁判所が審査して均衡を保ちます。司法と行政と立法はそれぞれがそれぞれの対義語・反対語と言えます。

これが、司法、行政、立法の明確な違いです。

司法の意味

司法とは

司法とは、法を適用して争訟を解決することを意味しています。

司法を使った言葉として、「司法権」「司法書士」があります。

「司法権」の意味

一つ目の「司法権」とは、日本国憲法や国会が制定した法律に基づいて問題を解決していく、裁判所が持つ権力です。裁判官や裁判所が政治的権力やその他の権力の干渉を受けずに裁判を行う司法権の独立という原則を持ちます。

国会が制定した法律を憲法に反していないか審査する違憲立法審査権や、内閣が命令や処分などその他政策が憲法に反していないか審査する違憲審査権などの権利を、裁判所は持ち、これらを行使することで国会や内閣の均衡を保っています。

「司法書士」の意味

二つ目の「司法書士」とは、専門的な法律の知識に基づき、個人や企業から依頼を受けて、裁判所や検察に提出する書類の作成を行う仕事をする人を指す言葉で、民事訴訟や調停など場は限られていますが、当事者を代理することができます。

同じように法律に関する職業に弁護士がありますが、こちらは個人間や法人間のトラブルなどの法的な紛争に発展するような訴訟など、司法書士よりも多くの業務に対応することができる職業です。

行政の意味

行政とは

行政とは、法の下で公共の目的の実現を目指して行われることを意味しています。

行政を使った言葉として、「行政権」「行政機関」があります。

「行政権」の意味

一つ目の「行政権」とは、法律や条例などによって決定された内容を実行したり、諸外国との条約や協定などを締結したりすることを担う権利を指す言葉で、内閣や大統領が担う権力です。行政権は「執行権」とも言い換えられます。

具体的には、国会の召集や衆議院の解散権で国会の権力を抑制し、最高裁判所長官の指名や裁判官の任命などを行うことで裁判所の権力の均衡を保つ役割を持ちます。

「行政機関」の意味

二つ目の「行政機関」とは、国の行政事務を行う国家機関を指す言葉で、大きく分けて6つの種類に分類されています。

例えば、内閣や公安委員会、教育委員会などの法律上の意思を外部に示す機関は行政庁に該当し、自衛官や警察官、消防職員などの目的を実現するために必要な実力行使を行う機関は執行機関に該当します。

立法の意味

立法とは

立法とは、法律を制定することを意味しています。

立法を使った言葉として、「立法権」「行政立法」があります。

「立法権」の意味

一つ目の「立法権」とは、法律などの規範を定める権利を指す言葉です。日本において、立法を行う際は国会が関わらなければならないという国会中心立法の原則と、国会だけが放棄を成立させることができるという国会単独立法の原則が定められています。

また、内閣総理大臣の指名や、その時に行政を担っている特定の内閣に退陣を求める内閣不信任決議を出すことで内閣を抑制し、裁判官が不正を行った場合調べ上げて公開して責任を問う裁判官弾劾を行うことで裁判所を抑制する役割を持ちます。

「行政立法」の意味

二つ目の「行政立法」とは、行政機関によって規範が定められることや、定められた規範を指す言葉です。原則として、立法機関である国会が法律を定めていますが、例外として行政が法的規範を定めることが認めれています。

政令や省令などの形で定められる法規命令と、訓令や通達などの国民や裁判所に対する法的拘束力を持たない行政規則の二つの種類に大きく分けられます。

司法の例文

1.司法機関のトップにあたる最高裁判所に社会科見学に訪れる学生は非常に多い。
2.司法解剖によって死因などが明らかになったのか、事件の詳細と共にテレビで放映されていた。
3.司法制度の改革は度々行われ、知的財産高等裁判所が設置されるなどの対応が行われてきた。

この言葉がよく使われる場面としては、法を適用して争訟を解決することを意味する時などが挙げられます。

例文2の「司法解剖」とは、犯罪に関係ある死体についての死因や死後経過時間などを明確にするための解剖を指す言葉です。

行政の例文

1.行政手続きを行うために一度役所に出向かなければならないが、平日休みになることがなかなかない。
2.現在行われている行政事業は景気をよくするために設けられているのだろうが、業界によっては痛手となっているらしい。
3.行政警察の活動は、公共の安全や秩序の維持、回復であり、犯罪の予防や鎮圧のためにパトロールなどが行われている。

この言葉がよく使われる場面としては、法の下で公共の目的の実現を目指して行われることを意味する時などが挙げられます。

例文3の「行政警察」の対にあたる言葉として「司法警察」があり、こちらは犯罪の処罰の準備のための捜査を行う役割を担います。

立法の例文

1.立法機関は憲法でも国会が唯一であると定められているが、内閣も稀に政令などの形で法規を定めている。
2.国会が立法するには時間が掛かるため、急を要するものに関しては内閣が定めてしまうこともある。
3.テレビなどのメディアでは報じられない場合もあるが、立法情報は議事録などとして衆議院のウェブサイトに掲載されている。

この言葉がよく使われる場面としては、法律を制定することを意味する時などが挙げられます。

例文1のように、憲法41条にて国会が「唯一の立法機関」と定められています。

司法と行政と立法どれを使うか迷った場合は、裁判所が担う権力を表す場合は「司法」を、内閣が担う権力を表す場合は「行政」を、国会が担う権力を表す場合は「立法」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
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