今日の買取件数:20件/今月の買取件数:520件/累計買取件数:27,566件

【上梓】と【出版】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「上梓」(読み方:じょうし)と「出版」(読み方:しゅっぱん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「上梓」と「出版」という言葉は、どちらも「著作物を書物として発行すること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




上梓と出版の違い

上梓と出版の意味の違い

上梓と出版の違いを分かりやすく言うと、上梓とは古風で改まった言い方、出版とは一般的な言い方という違いです。

上梓と出版の使い方の違い

一つ目の上梓を使った分かりやすい例としては、「LGBTQの人権に関する論文を上梓する」「英語のテキストを上梓しましたのでお知らせ申し上げます」「上梓に際して沢山のお祝いのメッセージが届いております」「二年前に上梓した本が重版されることになった」などがあります。

二つ目の出版を使った分かりやすい例としては、「教科書大手出版社に就職したいと考えています」「出版権は著作権法に定められています」「出版社にも電子書籍のメリットがあります」「簡単に自費出版できる時代になりました」などがあります。

上梓と出版の使い分け方

上梓と出版という言葉は、どちらも文書や絵画などの著作物を印刷して複製し、書物として販売や配布することを意味します。二つの言葉はほぼ同義であるため、上記の例文にある「論文を上梓する」「上梓した本が重版される」の上梓は、出版に置き換えて使っても意味は通じます。

ただし、二つの言葉が持つニュアンスは異なります。上梓は日常会話では使われない古風で改まった表現であり、出版は一般的に使われている表現です。上梓という言葉は上品な印象を与えますが、一般的な表現ではありません。特にこだわりがない場合は、通じやすい出版を用いる方が良いでしょう。

上梓と出版の英語表記の違い

上梓も出版も英語にすると「publication」「publishing」「press」となり、例えば上記の「論文を上梓する」を英語にすると「publish a treatise」となります。

上梓の意味

上梓とは

上梓とは、文字などを版木に刻むことを意味しています。

その他にも、「書物を出版すること」の意味も持っています。

上梓の読み方

上梓の読み方は「じょうし」です。誤って「かみし」「うえし」などと読まないようにしましょう。

表現方法は「上梓おめでとうございます」「上梓する」「上梓した」

「上梓おめでとうございます」「上梓する」「上梓した」などが、上梓を使った一般的な言い回しです。

上梓の使い方

「儒教の経典を一文字ずつ上梓する」「昔は印刷のために上梓することが普通でした」「堅い版材に上梓するのは困難だ」などの文中で使われている上梓は、「文字などを版木に刻むこと」の意味で使われています。

一方、「祖父が自叙伝を上梓するとは思わなかった」「ことわざの由来や使い方を解説した本を上梓した」「この度はご上梓おめでとうございます」「こちらは上梓されたばかりの小説です」などの文中で使われている上梓は、「書物を出版すること」の意味で使われています。

上梓とは、日常会話ではあまり使われていませんが、出版業界では使われることがある言葉です。上記の例文にあるように二つの意味がありますが、ほとんどの場合「書物を出版すること」の意味で用いられています。

上梓の由来

上梓の「梓」は訓読みで「あずさ」と読み、かばのき科の落葉高木を表します。昔の中国で版木に梓が使われたことが由来となり、上梓とは、文字などを版木に刻むことを意味しました。この意味が転じて、今では「本や書籍を出版すること」の意味で用いられています。

上梓の対義語

上梓の対義語・反対語としては、新聞や雑誌などの定期刊行物の刊行を廃止することを意味する「廃刊」、絶えてなくなることを意味する「絶息」などがあります。

上梓の類語

上梓の類語・類義語としては、書物を印刷するため版木に彫ることや出版することを意味する「上木」、書物や文書などを印刷して発行することを意味する「版行」、書籍や新聞などを発行することを意味する「発兌」(読み方:はつだ)、印刷して発行することを意味する「印行」などがあります。

出版の意味

出版とは

出版とは、印刷その他の方法により、書籍や雑誌、そのデジタルデータなどを製作して販売または頒布することを意味しています。

出版の読み方

出版の読み方は「しゅっぱん」です。誤って「すいはん」「ではん」などと読まないようにしましょう。

出版の使い方

出版を使った分かりやすい例としては、「娘は大手出版社に就職しました」「不況のなか出版業界も厳しい状況です」「出版健保の加入条件を確認する」「出版健保保養所の予約はいつからできますか」「今年度の出版社ランキングが発表されました」などがあります。

その他にも、「書籍出版社の新卒採用求人は減少傾向にあります」「出版社を知るためにインターンに参加しようと思います」「主に英語教材を扱っている出版社です」「アマゾンで販売している本の出版社一覧です」などがあります。

出版とは、文章や写真などの著作物を印刷技術を用いて図書や雑誌などとして複製し、広く社会に公表する行為のことです。出版の「出」は内から外に出すこと、「版」は印刷のために文字や絵を彫った板や、印刷して本を出すことを表す漢字です。

「出版健保」の意味

上記の例文にある「出版健保」とは、出版健康保険組合の略であり、出版業界の健康保険組合のことです。1947年に設立され、2021年の登録事業所数は1295社、約8万人の被保険者数がいます。

「電子出版」の意味

出版を用いた日本語には「電子出版」があります。デジタル出版とも言い、電子化された出版や電子化された出版物を指す言葉です。近年、電子化された出版物については「電子書籍」と呼ばれることが多くなっています。

出版の対義語

出版の対義語・反対語としては、一度出版した本の版を廃棄して再び発行しないことを意味する「絶版」、新聞や雑誌など定期刊行物が発行を休むことを意味する「休刊」などがあります。

出版の類語

出版の類語・類義語としては、書籍などを印刷して世に出すことを意味する「刊行」、新聞や雑誌などの定期刊行物を出しはじめることを意味する「発刊」、新聞や雑誌などを印刷して世に出すことを意味する「発行」などがあります。

上梓の例文

1.今般、四字熟語の例文や使い方の解説本を上梓することになりました。
2.自治会創設50周年を記念して、町内会エリアの歴史をまとめた冊子を来月に上梓する。
3.富山県の上市町に住むシングルマザーが、子供三人を東大に入れたノウハウ本を上梓しました。
4.お気に入りの推理小説シリーズの新刊が上梓されることを、心待ちにしている。
5.先生、このたびは画期的な英語の絵本のご上梓おめでとうございます。
6.先月上梓した本の売上がいまいちで、今度大手書店でサイン会を開くことになったが、果たしてお客は何人ほど来てくれるのだろうか。
7.この度、私が執筆いたしました英語のテキストを上梓しましたのでお知らせ申し上げます。初学者でも親しみやすいように工夫いたしました。
8.彼はテレビでは教育専門家として有名で、子供の自立や学校教育をテーマにした本などを上梓している。
9.この度は、御上梓お祝い申し上げます。トークイベントも素敵な機会ですね。多くの人に知ってもらえますように。
10.彼女が政治や経済、社会問題などを上梓した著書は30冊ほどあり、いずれも同じ出版社より刊行されました。

この言葉がよく使われる場面としては、木版を彫ること、本や書籍などを出版することを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にある上梓は、「本や書籍などを出版すること」の意味で用いられています。このように、「木版を彫ること」の意味で用いられることは、ほとんどありません。

出版の例文

1.大好きな本に携わる仕事がしたいと考え、出版業界に就職しようと思いました。
2.自分の経験を本にして出版したいので、持ち込みや自費出版ができる出版社を調べています。
3.自費出版の費用はどれぐらいかかるのか調べてみると、意外と払えそうな価格設定で安心しました。
4.私家版や私家本は自費出版本のことで、クラウドファンディングを利用したものもあるそうです。
5.英語の参考書はたくさん出版されていて、どれが自分に合っているのか選ぶのが難しい。
6.一冊の本が出版されるまでには実に多くの工程があり、それに携わる人の数を数えたら著者以外最低でも20人はいるのではないだろうか。
7.今でこそベストセラー作家として名高い彼も、処女作が出版された当時は知る人ぞ知るという通向けの作家だった。
8.この頃はいろいろなところで新しい雑誌の発行や本の出版計画があったので、積極的に執筆活動を行っていました。
9.本を読む人が減って出版界の未来は決して明るいものではなかったが、それでも完全にいなくなることはないはずだ。
10.アメリカで大ヒットしたマインドフルネスの書籍が、ついに日本でも出版されることが決まったので楽しみにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、販売または配布の目的で文書や絵画などの著作物を複製したり刊行することを表現したい時などが挙げられます。

例文2から例文4にある「自費出版」とは、著作者が出版社に委託せず、書物をつくる諸費用を自分で負担して出版することです。「個人出版」とも言います。

上梓と出版という言葉は、どちらも「書物などを印刷して販売または配布すること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、古風で改まった言い方をしたい時は「上梓」を、一般的な言い方をしたい時は「出版」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
例文買取センター