似た意味を持つ「見受けられる」(読み方:みうけられる)と「見られる」(読み方:みられる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「見受けられる」と「見られる」という言葉は、どちらも見て判断することを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「見受けられる」と「見られる」の違い
「見受けられる」と「見られる」の意味の違い
「見受けられる」と「見られる」の違いを分かりやすく言うと、「見受けられる」は婉曲的なニュアンス、「見られる」は断定的なニュアンスという違いです。
「見受けられる」と「見られる」の使い方の違い
一つ目の「見受けられる」を使った分かりやすい例としては、「ここ数年でコンビニの利用者が増えたように見受けられます」「相変わらず元気そうに見受けられた」「本件は内情をよく知っている者の犯行だと見受けられる」などがあります。
二つ目の「見られる」を使った分かりやすい例としては、「彼女は実年齢よりも若く見られる」「ここは綺麗な景色が見られる絶景スポットです」「この生物は北海道の様々な場所で見られる」「最近日本でも少子化の傾向が見られる」などがあります。
「見受けられる」と「見られる」の使い分け方
「見受けられる」と「見られる」は似た日本語ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「見受けられる」は「〇〇だと感じる」のようなやや婉曲的なニュアンスになるのに対して、「見られる」は断定的なニュアンスになるというのが違いです。
また、「見受けられる」は見て判断することや目に留まることの意味で使うのに対して、「見られる」は見て判断すること、視界に入ること、ある状態が認められること、調べること、経験することなど様々な場面で使うことができます。
つまり、「見受けられる」よりも「見られる」の方が幅広い範囲で使えるというのも違いの一つになります。
「見受けられる」と「見られる」の英語表記の違い
「見受けられる」も「見られる」も英語にすると「be seen」「see」「infer」となり、例えば上記の「最近日本でも少子化の傾向が見られる」を英語にすると「You can see a declining birth rate trend even in Japan recently」となります。
「見受けられる」の意味
「見受けられる」とは
「見受けられる」とは、見て判断することを意味しています。その他にも、目に留まることの意味も持っています。
表現方法は「しばし見受けられる」「様子が見受けられる」
「しばし見受けられる」「様子が見受けられる」などが、「見受けられる」を使った一般的な言い回しになります。
「見受けられる」の使い方
「彼女は相変わらず元気そうに見受けられる」「アンケートの結果、この商品は中年層に人気だと見受けらる」などの文中で使われている「見受けられる」は、「見て判断すること」の意味で使われています。
一方、「会場では知った顔も見受けられる」「このイベントでは人気キャラクターのコスプレをしている人も見受けられる」などの文中で使われている「見受けられる」は、「目に留まること」の意味で使われています。
「見受けられる」は見て判断することや目に留まることを意味する「見受ける」の未然形「見受け」に受け身や可能を表す助動詞の「られる」が加わった言葉です。
「見受けられる」は日常生活だけではなく、ビジネスシーンにおいても使うことができます。また、ビジネスシーンでは「お見受けされる」「お見受けする」「見受けられます」などと敬語表現にすることによって、より丁寧な表現になります。
「見受けられる」の類語
「見受けられる」の類語・類義語としては、であると考えることができることを意味する「考えられる」、ある事柄をもとにして推量されることを意味する「推測される」、物事の真偽や善悪などを見極めてそれについて考えを定めることを意味する「判断される」などがあります。
「見られる」の意味
「見られる」とは
「見られる」とは、視界に入ることを意味しています。その他にも、ある状態が認められることやそのように考えられることの意味も持っています。
表現方法は「見られるようになった」「よく見られる」「多く見られる」
「見られるようになった」「よく見られる」「多く見られる」「様子が見られる」などが、「見られる」を使った一般的な言い回しになります。
「見られる」の使い方
「つまみ食いしたのを妻に見られてしまった」「他人に見られるのが苦手なので外食はしない主義です」などの文中で使われている「見られる」は、「視界に入ること」の意味で使われています。
一方、「このビルはとても古い建物のように見られる」「地下室からは犯人のものと見られる足跡が発見された」などの文中で使われている「見られる」は、「ある状態が認められることやそのように考えられること」の意味で使われています。
「見られる」は視覚に入れること、調べること、観察して判断すること、読んで知ること、経験することなど様々な意味を持つ「見る」に、受け身や可能を表す助動詞の「られる」が加わった言葉です。
「見られる」は様々な意味を持っているので、とても幅広い範囲で使うことができる言葉になります。また、「見られる」は「確かにそうだ」という物事を断定するニュアンスを持っています。
「見られる」の類語
「見られる」の類語・類義語としては、書物やウェブページなどの内容を調べながら読むことを意味する「閲覧できる」、ある物事を知りその本質や意義などを理解することを意味する「認識される」、物事や状態に気づくことを意味する「意識される」などがあります。
「見受けられる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、見て判断することを表現したい時などが挙げられます。その他にも、目に留まることを表現したい時にも使います。
例文1から例文4の「見受けられる」は見て判断すること、例文5の「見受けられる」は目に留まることの意味で使っています。
「見られる」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、視界に入ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、ある状態が認められることやそのように考えられることの意味も持っています。
例文1と例文2の「見られる」は視界に入ること、例文3と例文4の「見られる」はある状態が認められること、例文5の「見られる」はそのように考えられることの意味で使っています。
「見受けられる」と「見られる」はどちらも見て判断することを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、婉曲的なニュアンスの時は「見受けられる」を、断定的なニュアンスの時は「見られる」を使うと覚えておきましょう。