似た日本語の「へそが茶を沸かす」(読み方:へそがちゃをわかす)と「へそで茶を沸かす」(読み方:へそでちゃをわかす)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「へそが茶を沸かす」と「へそで茶を沸かす」という言葉は、間違えやすい日本語なのでご注意下さい。
「へそが茶を沸かす」と「へそで茶を沸かす」の違い
「へそが茶を沸かす」は「へそで茶を沸かす」の間違い
「へそが茶を沸かす」と「へそで茶を沸かす」の違いを分かりやすく言うと、「へそが茶を沸かす」とは「へそで茶を沸かす」の間違った使い方、「へそで茶を沸かす」とはおかしくてたまらないことや馬鹿馬鹿しくてしようがないことです。
「へそが茶を沸かす」は誤字
一般的には「へそが茶を沸かす」という言葉は存在しません。漢字の成り立ちや読み方が似ていることから、「へそで茶を沸かす」のことを間違えて「へそが茶を沸かす」を使っている人がほとんどです。
「へそで茶を沸かす」は正しい日本語
正しい言葉である「へそで茶を沸かす」を使った分かりやすい例としては、「あなたのへそで茶を沸かすような話は聞き飽きました」「これが最高傑作だなんてへそで茶を沸かすよ」「彼女の身振りはへそが茶を沸かすほどおかしかった」などがあります。
「へそで茶を沸かす」という言葉はあっても、「へそが茶を沸かす」という言葉は存在しません。同時に「へそで茶を沸かす」という単語の意味について「おかしくてたまらないことや馬鹿馬鹿しくてしようがないこと」と覚えておきましょう。
「へそで茶を沸かす」の英語表記
「へそで茶を沸かす」を英語にすると「Don’t make me laugh」「to do something ridiculous」「What a joke」となり、例えば上記の「彼女の身振りはへそが茶を沸かすほどおかしかった」を英語にすると「Her funny gestures threw us into a fit of laughter」となります。
「へそが茶を沸かす」の意味
「へそが茶を沸かす」とは
「へそが茶を沸かす」とは、「へそで茶を沸かす」の間違った使われ方です。
「へそが茶を沸かす」という言葉は存在せず、間違った言葉として広まっています。読み方が似ているため、「へそで茶を沸かす」と混同してしまう人が多いようですが、間違った言葉なので使わないように気を付けましょう。
「へそが茶を沸かす」と間違えやすい理由
「へそが茶を沸かす」と「へそで茶を沸かす」と間違ってしまう理由としては、発音が似ているからです。
以前は「へそで茶を沸かす」ではなく、「へそが茶を沸かす」の方が正しい日本語とされていました。しかし、おへそ「が」茶を沸かすのではなく、おへそ「で」茶を沸かすとした方が文法的に正しいと感じられるようになり、辞書などでも「へそで茶を沸かす」の方に統一されるようになりました。
したがって、「へそで茶を沸かす」の方が正しい日本語になります。
間違った言葉である「へそが茶を沸かす」の「へそ」を使った別の言葉としては、主婦などが他人に知られないように少しずつためた金のことを意味する「へそくり」、胎児のへそと母体の胎盤を繋ぐひも状の器官のことを意味する「へその緒」などがあります。
「へそで茶を沸かす」の意味
「へそで茶を沸かす」とは
「へそで茶を沸かす」とは、おかしくてたまらないことや馬鹿馬鹿しくてしようがないことを意味しています。
「へそで茶を沸かす」の漢字表記
「へそで茶を沸かす」を漢字にすると、「臍で茶を沸かす」となりますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらながの「へそで茶を沸かす」を使うようにしましょう。
「へそで茶を沸かす」の使い方
「へそで茶を沸かす」を使った分かりやすい例としては、「1ヶ月で10キロ痩せるなんてへそで茶を沸かすようなことを言わないでくれ」「部活の試合にも出れていないのにプロサッカー選手になるだなんて、へそで茶を沸かすよ」などがあります。
「へそで茶を沸かす」はおかしくてたまらないことや馬鹿馬鹿しくてしようがないことを意味することわざで、相手に対して皮肉や嘲る場合に使うマイナスなイメージで使うのが特徴です。
したがって、おかしいことをプラスのイメージで伝えたい場合には、「へそで茶を沸かす」は使うことはできないと覚えておきましょう。
「へそで茶を沸かす」の語源
「へそで茶を沸かす」の語源は、江戸時代の浄瑠璃(読み方:じょうるり)で、浄瑠璃とは語り物の一つです。江戸時代は現代とは異なり、肌を見せる服を着る習慣はありませんでした。そのため、おへそを見せることは呆れられたり馬鹿にされたりしていました。
このことを浄瑠璃の中で「へそを茶化す」と表現したようです。そして、この「へそを茶化す」が転じて、おかしくてたまらないことや馬鹿馬鹿しくてしようがないこと「へそで茶を沸かす」と言うようになりました。
「へそで茶を沸かす」の類語
「へそで茶を沸かす」の類語・類義語としては、酷く馬鹿馬鹿しくて話にならないことを意味する「笑止千万」(読み方:しょうしせんばん)、他人が実力以上のことを行っているのが滑稽で苦々しく感じることを意味する「片腹痛い」などがあります。
「へそが茶を沸かす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、「へそで茶を沸かす」という言葉を間違えて「へそが茶を沸かす」と表現している時などが挙げられます。
「へそが茶を沸かす」という言葉は辞書にも載っていませんし、広く使われている言葉ではなく、「へそで茶を沸かす」を間違えて使っている可能性が高いです。
「へそが茶を沸かす」という言葉の意味を理解した上で、あえて使っている場合以外は、「へそが茶を沸かす」ではなく、「へそで茶を沸かす」と表現するのが正しい使い方になります。
「へそで茶を沸かす」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、おかしくてたまらないことや馬鹿馬鹿しくてしようがないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「へそで茶を沸かす」は皮肉や嘲る場合に使うマイナスなイメージを持つ言葉です。
「へそが茶を沸かす」と「へそで茶を沸かす」どちらを使うか迷った場合は、「へそが茶を沸かす」は辞書にない言葉なので、辞書に載っている言葉の「へそで茶を沸かす」を使うようにしましょう。