似た意味を持つ「ジェネラル」と「ゼネラル」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ジェネラル」と「ゼネラル」という言葉は、「全体や一般」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ジェネラルとゼネラルの違い
ジェネラルとゼネラルの意味の違い
ジェネラルとゼネラルの違いを分かりやすく言うと、ジェネラルの方がよりネイティブの発音に近く、ゼネラルの方が日本において慣用的であるという違いです。
ジェネラルとゼネラルの使い方の違い
一つ目のジェネラルを使った分かりやすい例としては、「ジェネラルマネージャーと話したことはない」「ジェネラルな考え方は物事を多角的に考える際に役立つだろう」「ジェネラル病院の混雑具合は予想以上だ」などがあります。
二つ目のゼネラルを使った分かりやすい例としては、「ゼネラルホスピタルほど大きい病院に行く必要はないだろう」「ゼネラル職への転職が成功したらしい」「一線から身を引いてゼネラル・マネージャーへの転身を決めた」などがあります。
ジェネラルとゼネラルの使い分け方
ジェネラルとゼネラルはどちらも同じ語をカタカナ語として使っている言葉で、意味や使い方に違いはありません。強いて挙げるならば発音が違う点が挙げられます。
どちらの言葉も、全体のもの、一般のものや普遍的なものを意味する「general」をそのままカタカナ語として使っています。
室町時代では「シェ」という発音が一般的でしたが、関東地方で「セ」が使われたことから徐々に「シェ」という発音の言葉は「セ」が使われていくようになります。そのため、「ジェ」と「ゼ」にも同じようなことが言えます。
つまり、日本で「general」がカタカナ語として使われる頃には「ゼネラル」という読み方や表記が一般的だったものの、発音としては「ジェネラル」の方が本来の「general」に近いことからどちらも同じ意味で使われるようになります。
このように、発音以外に大きな違いはありませんが、インターネット上ではゼネラルという表記の方が多く使われており、それぞれの検索エンジンにおけるヒット数はジェネラルのおよそ二倍ヒットするゼネラルが多いという結果となりました。
ジェネラルとゼネラルの英語表記の違い
ジェネラルもゼネラルも英語にすると「general」となり、例えば上記の「ジェネラルマネージャー」を英語にすると「a general manager」となります。
ジェネラルの意味
ジェネラルとは
ジェネラルとは、一般的や全体的を意味しています。
ジェネラルの使い方
ジェネラルを使った分かりやすい例としては、「ジェネラルホスピタルはこんな田舎町にはない」「ジェネラルスキルとして身に付けておいた方が良い知識もある」「ジェネラル思考であれば臨機応変に対応できるかというとそうではないだろう」などがあります。
その他にも、「地名や会社名などにはジェネラルが使われていることが多い」「ジェネラル・パートナーたちによる投票が行われた」「ジェネラル・スタッフという呼称は初めて耳にした」などがあります。
ジェネラルは英語で「general」と表記され、「一般の」「全般の」「普遍的な」といった意味で使われています。由来となった英語の「ge」の部分をより英語の発音に近い表現となるように「ジェ」と表記して、カタカナ語として使っています。
語源となった「general」にも日本語として使われている「ジェネラル」にも、大将や司令官、将軍といった意味はありますが、一般的や全体的といった意味で使われることがほとんどです。
「ジェネラルホスピタル」の意味
上記例文の「ジェネラルホスピタル」とは、総合診療病院を意味する言葉ですが、アメリカでは1963年から放送されているドラマの名称でもあります。「GH」と省略して呼ばれることもあります。
また、海外企業の名称や海外企業の製品名、スポーツチームの名称などに「ジェネラル」という言葉が使われていることも多くあります。正式名称が「ジェ」表記の場合、公的なものでは「ゼネラル」という表記に変えることはできません。
ジェネラルの対義語
ジェネラルの対義語・反対語としては、特別や特性、専門を意味する「スペシャル」があります。
ジェネラルの類語
ジェネラルの類語・類義語としては、物事の全体を意味する「総体」、通常のやり方を意味する「通例」、世間一般にみられる状態であることを意味する「通常」などがあります。
ゼネラルの意味
ゼネラルとは
ゼネラルとは、一般の、全体のを意味しています。
ゼネラルの使い方
ゼネラルを使った分かりやすい例としては、「ゼネラル・ストライキなんて教科書でしか見たことない」「ゼネラルな視点で物事を考えることは大切だ」「ゼネラルマネージャーに就任してから幾分か経った」などがあります。
その他にも、「ゼネラル職はいわゆる総合職と呼ばれている」「ゼネラルプロデューサーを務めることに決まり緊張している」「ゼネラルではなくジェネラルが正式名称とされていることもある」などがあります。
ゼネラルは「ジェネラル」と読み方が異なるのみで、起源や意味などは全く同じです。こちらにも大将や将軍、司令官といった意味がありますが、ジェネラルと同様にこの意味ではほとんど使われていません。
「ゼネラル・ストライキ」の意味
上記例文の「ゼネラル・ストライキ」は、労働者による全国的な規模のストライキを意味する言葉で、全国ではなくとも都市や地域で一斉ストライキが行われた場合も該当することがあります。また、省略して「ゼネスト」とも呼ばれています。
ゼネラルの対義語
ゼネラルの対義語・反対語としては、性質や内容が他と異なる状態を意味する「特殊」があります。
ゼネラルの類語
ゼネラルの類語・類義語としては、一つにまとまった全体を意味する「一統」、物事がしばしばある様子を意味する「往々」、全体のうちの大部分を意味する「大抵」などがあります。
ジェネラルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、一般的や全体的などが挙げられます。
例文1の「ジェネラル・アビエーション」は、軍事航空や定期航路以外の一般航空を指す言葉で、ゼネアビとも呼ばれています。
また、例文4の「ジェネラリスト」とは、多くの分野の知識や技能、経験を持つ人を指す言葉です。
ゼネラルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、一般の、全体のなどが挙げられます。
例文2の「ゼネラル・コントラクター」は、工事全体の取りまとめを行う建設業者を表す言葉で、例文の通りゼネコンと略されることがほとんどですが、日本独自の呼び方です。
ジェネラルとゼネラルは、どちらも「全体や一般」を表します。どちらを使うか迷った場合は、ネイティブの発音に近い表現をする場合は「ジェネラル」を、より慣用的な表現をする場合は「ゼネラル」を使うと覚えておけば間違いありません。