似た意味を持つ「充実」(読み方:じゅうじつ)と「充足」(読み方:じゅうそく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「充実」と「充足」という言葉は、どちらも「満ち足りている様子」を表しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
充実と充足の違い
充実と充足の意味の違い
充実と充足の違いを分かりやすく言うと、充実とは内容が豊かなさまを表し、充足とは足りないものを満たすさまを表すという違いです。
充実と充足の使い方の違い
一つ目の充実を使った分かりやすい例としては、「大きな仕事をやり遂げて充実感でいっぱいです」「英語教育の充実化を図るための施策を検討する」「充実した共用施設のあるマンションに住みたい」「健康で充実した日々をお過ごしください」などがあります。
二つ目の充足を使った分かりやすい例としては、「社会的欲求が満たされ充足感を得る」「人手不足の職場に人員を充足する」「ビタミンDの充足度を調査する」「新卒採用で充足率100%以上の企業は多くありません」などがあります。
充実と充足の使い分け方
充実と充足という言葉は、どちらも満ち足りているさまや、心が満たされた様子を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
充実とは、内容や中身が満ちていて豊かであることを意味します。「充実感でいっぱい」「充実した日々」のように、精神的に満足しているさまを表したり、「充実した共用施設」のように、物質的に十分足りているさまを表現する言葉です。
充足とは、補って十分に満たすこと、満ち足りることを意味します。心理的または物理的に何かが不足しているところを、外部から補って満たされる様子を表します。「充足感を得る」は欲求や望みがかなうこと、「人員を充足する」は人手が足りないところに人員を配置することを意味します。
つまり、充実は満ち足りていて豊であるという状態を表しますが、充足は不足していたものが満ち足りるという意味合いを持つ言葉なのです。
充実と充足の英語表記の違い
充実も充足も英語にすると「fullness」となり、例えば上記の「充実感」を英語にすると「a feeling of fullness」となります。
充実の意味
充実とは
充実とは、必要なものが十分に備わること、中身がいっぱいに満ちていることを意味しています。
表現方法は「充実した生活」「充実した日々」「充実させる」
「充実した生活」「充実した日々」「充実させる」などが、充実を使った一般的な言い回しです。
充実の使い方
充実を使った分かりやすい例としては、「子育て環境を充実させるために予算を拡充する」「人生を充実させるお金の使い方があります」「充実した英語のレッスンを受ける」「あのお店は野菜のお惣菜が充実している」などがあります。
その他にも、「介護の仕事に充実感を覚える毎日です」「やりきることで達成感や充実感を味わう」「英語のオンライン教材が充実している」「リタイア後は趣味に没頭して充実した生活を送りたい」などがあります。
充実の「充」は中身がいっぱい詰まること、「実」は内容がみちることを表す漢字です。充実とは、わかりやすく言うと、満たされている状態を表す言葉です。物質的あるいは精神的に満たされる満たされている様子を表し、「充実した設備」「充実した生活」などと使用されています。
「充実感」の意味
上記の例文にある「充実感」とは、心が満たされている心情や、精神的に満たされている感覚を意味します。充実感は「充実感を感じる」と使用されることがありますが、厳密には二重表現となり誤用とされます。「充実感を覚える」「充実感がある」などと言い換えるようにしましょう。
充実の対義語
充実の対義語・反対語としては、内部に何もないことを意味する「空虚」、見せかけだけでしっかりした内容や実質がないことを意味する「空疎」などがあります。
充実の類語
充実の類語・類義語としては、一定の空間などにいっぱいに満ちることを意味する「充満」、満ちあふれることを意味する「充溢」、容器がいっぱいになることを意味する「満杯」、広くいっぱいに行き渡ることを意味する「遍満」、充実して完全であるさまを意味する「充分」などがあります。
充足の意味
充足とは
充足とは、十分に補い満たすこと、満ち足りることを意味しています。
表現方法は「人員を充足する」「条件を充足する」「充足を図る」
「人員を充足する」「条件を充足する」「充足を図る」などが、充足を使った一般的な言い回しです。
充足の使い方
充足を使った分かりやすい例としては、「一定の基準を充足している」「保育園や幼稚園の充足を図る」「好きなアニメを観ると心の充足感が得られます」「充足感を得られるような時間の使い方をする」ななどがあります。
その他にも、「自衛官の人員充足の状況はどうなっていますか」「企業の内定充足率は7割程度です」「キャリア充足度は年収と相関性があります」「人的資源とビジネスモデルの相互充足性を分析する」どがあります。
充足の「足」は訓読みで「たりる」と読み、過不足なく必要なだけのものがあることを表します。中身がみちることを表す「充」と結びつき、充足とは、欠けた物や部分を一杯に満たすこと、満ち足りることを意味します。
「充足率」の意味
充足を用いた日本語には「充足率」があります。充足率とは、必要な数量に対し、どれぐらい充足されているかの割合を意味します。労働統計用語の充足率とは、企業の採用計画数に対する実際の採用人数の割合です。
充足の対義語
充足の対義語・反対語としては、足りないことや十分でないことを意味する「不足」、乏しいことや不足することを意味する「欠乏」、物が尽きてなくなることを意味する「枯渇」などがあります。
充足の類語
充足の類語・類義語としては、心にかなって不平不満のないことを意味する「満足」、期待どおりにいって満足することを意味する「会心」、心が満ち足りてよろこぶことを意味する「満悦」、満ち足りて不足のないさまを意味する「十分」などがあります。
充実の例文
この言葉がよく使われる場面としては、中に隙間なく一杯に満ちること、内容が十分備わって豊かなことを表現したい時などが挙げられます。
例文1にある「充実した日々」とは、日々の暮らしに満足している状態や、満ち足りていて豊かな毎日を意味します。例文2の「充実した生活」は、生活にやりがいがある様子や、不足がなくて満たされた生活を意味します。
充足の例文
この言葉がよく使われる場面としては、欠けたものや所を十分に満たすこと、満ち足りることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、充足という言葉は、不足しているところに外から補って満たすという意味合いを持ちます。例文5の「充足感」とは、必要なものや足りない要素が満たされて心が満ち足りた状態を意味します。
充実と充足という言葉は、どちらも「満ち足りたさま」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、内容が豊かなさまを表現したい時は「充実」を、足りないものを満たすさまを表現したい時は「充足」を使うようにしましょう。