似た意味を持つ「愚息」(読み方:ぐそく)と「豚児」(読み方:とんじ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「愚息」と「豚児」という言葉は、どちらも自分の子供を謙って言うことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
愚息と豚児の違い
愚息と豚児の意味の違い
愚息と豚児の違いを分かりやすく言うと、愚息とは息子にしか使えない、豚児とは息子にも娘にも使えるという違いです。
愚息と豚児の使い方の違い
一つ目の愚息を使った分かりやすい例としては、「愚息と仲良くしてくれてありがとう」「先日、愚息がご迷惑をお掛けしたみたいで申し訳ありません」「我が家の愚息も来年から社会人になります」などがあります。
二つ目の豚児を使った分かりやすい例としては、「豚児なんて言葉を使う人は嫌いだ」「我が家の豚児がいつもお世話になっております」「不肖の豚児ですがどうぞよろしくお願致します」などがあります。
愚息と豚児の使い分け方
愚息も豚児も自分の子供を謙って言うというほぼ共通する意味を持っているのですが、愚息は息子にしか使えないのに対して、豚児は息子にも娘にも使えるというのが違いです。
また、豚児は謙り方があまりにも卑下すぎるため、現代ではほとんど使われていない言葉というのも違いになります。自分の子供を謙って言う場合は、「愚息」か「愚女」を使うのが一般的です。
愚息と豚児の英語表記の違い
愚息を英語にすると、「son」となり、例えば上記の「愚息がご迷惑をお掛けしたみたいで申し訳ありません」を英語にすると「Sorry for the inconvenience of my son」となります。
英語には謙譲語がないので愚息を英語にしても息子を意味する「son」が使われています。
愚息の意味
愚息とは
愚息とは、自分の息子を謙って言うことを意味しています。
愚息の使い方
愚息を使った分かりやすい例としては、「愚息がお世話になっております」「我が家の愚息は勉強しないで遊んでばかりで困っている」「愚息が怪我させたみたいで大変申し訳ございません」などがあります。
愚息という言葉は謙譲語で自分の息子に対して使えません。息子が愚かというよりも、愚かな自分の息子という意味合いが強いでしょう。また、自分の息子に対して直接使う言葉ではなく、あくまで他人と話してる時に自分の息子を謙って紹介する時に使います。
愚息は自分の息子を謙って言う言葉であり、妻を謙って言う場合は「愚妻」、娘を謙って言う場合は「愚女」を使います。
愚息の対義語
愚息の対義語・反対語としては、自分の娘をへりくだって言うことを意味する「愚女」があります。
愚息の類語
愚息の類語・類義語としては、親にとって自分の子である男性のことを意味する「息子」、年少の男子を見下して言うことをする「小僧」、子供をののしって言うことを意味する「小童」、他人を敬ってその子息を言うことを意味する「令息」などがあります。
愚息の息の字を使った別の言葉としては、相手を敬ってその子息を言うことを意味する「貴息」、他人の息子を敬って言うことを意味する「御子息」、他人の男の子に言うことを意味する「子息」などがあります。
豚児の意味
豚児とは
豚児とは、自分の子供を謙って言うことを意味しています。
豚児の使い方
豚児を使った分かりやすい例としては、「明日は我が家の豚児を手伝いに向かわせます」「豚児という呼び方はあまり好きではない」「うちの子は豚児犬子だけど、部長のご子息さんは獅子の子ですね」などがあります。
豚児は自分の子供を謙って言うことを意味しているのですが、ほとんど使われない言葉です。また、豚児は息子と娘両方に対して使うことができます。
豚児という言葉は、謙り方があまりに卑下すぎるので日本社会には適していません。そのため、マイナスなイメージしかない持っていないです。もし自分の子供を謙って言いたいことがあれば「愚息」か「愚女」を使うのがいいでしょう。
四字熟語「荊妻豚児」の意味
豚児を使った四字熟語としては、「荊妻豚児」(読み方:けいさいとんじ)があります。荊妻豚児とは、自分の妻子のことを謙遜していう言葉を意味しています。
豚児の類語
豚児の児の字を使った別の言葉としては、幼稚園や保育園に通う子供を意味する「園児」、快活で男らしい男のことを意味する「快男児」、捨てられた子供を意味する「棄児」、野球に励む少年を意味する「球児」などがあります。
その他にも、病気にかかりやすい身体の弱い児童のことを意味する「虚弱児」、血の気盛んな男子のことを意味する「健児」、両親の居ない子供を意味する「孤児」、生まれたばかりの赤ん坊を意味する「新生児」などがあります。
愚息の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分の息子を謙って言うことを表現したい時などが挙げられます。
愚息はあくまで他人との会話中に使う言葉であり、自分の息子に対して直接使う言葉ではないということを覚えておきましょう。
豚児の例文
この言葉がよく使われる場面としては、自分の子供を謙って言うことを表現したい時などが挙げられます。
豚児は自分の子供を謙って言うことを表現したい時に使う言葉なのですが、現代ではあまり見かけない言葉です。マイナスなイメージが強いため使う場合には注意しましょう。
愚息と豚児どちらを使うか迷った場合には愚息を使うようにしてください。豚児は意味を理解してない人も多い上に、あまり良いイメージがないので使わない方が無難でしょう。もし、娘に対して使いたい場合は愚女を使ってください。