【出戻り】と【手戻り】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た言葉である「出戻り」(読み方:でもどり)と「手戻り」(読み方:てもどり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「出戻り」と「手戻り」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。




「出戻り」と「手戻り」の違い

「出戻り」と「手戻り」の意味の違い

「出戻り」と「手戻り」の違いを分かりやすく言うと、「出戻り」とは一度出かけて途中で元へ戻ること、「手戻り」とはある作業工程の途中で大きな問題が発見されて前の段階に戻ってやり直すことという違いです。

「出戻り」と「手戻り」の使い方の違い

一つ目の「出戻り」を使った分かりやすい例としては、「彼は出戻りなので出世することはないだろう」「出戻り採用は即戦力になるというメリットがある」「彼の妹は出戻りです」などがあります。

二つ目の「手戻り」を使った分かりやすい例としては、「今日の作業は手戻りばかりで終わってしまいました」「手戻りが発生しないよう慎重に作業する必要があります」「エラーが発生しても手戻りは防ぎたいです」などがあります。

「出戻り」と「手戻り」の使い分け方

「出戻り」と「手戻り」は似た言葉ですが、意味は全く異なっているので間違えないように注意しましょう。

「出戻り」は一度出かけて途中で元へ戻ることを意味しており、「メジャーからの出戻り日本人選手はなぜ活躍できないのだろうか」「出戻り社員を採用すると教育コストが削減できる」などのように使います。

一方、「手戻り」はある作業工程の途中で大きな問題が発見されて前の段階に戻ってやり直すことを意味しており、「弊社は手戻りを減らす努力をしています」「社員同士で小まめにコミニュケーションを取ることで手戻りを防ぐ」などように使うと覚えておきましょう。

「出戻り」と「手戻り」の英語表記の違い

「出戻り」を英語にすると「came back to」「again」となり、例えば上記の「彼の妹は出戻りです」を英語にすると「His sister is divorced and is living with her parents again」となります。

一方、「手戻り」を英語にすると「reworking」「refactoring」となり、例えば上記の「エラーが発生しても手戻りは防ぎたいです」を英語にすると「To prevent reworking even when an error occurs」となります。

「出戻り」の意味

「出戻り」とは

「出戻り」とは、一度出かけて途中で元へ戻ることを意味しています。その他にも、嫁いだ女性が離婚したり夫と死別したりして生家に戻ることの意味も持っています。

表現方法は「出戻り転職」「出戻り社員」「出戻りオタク」

「出戻り転職」「出戻り社員」「出戻りオタク」などが、「出戻り」を使った一般的な言い回しになります。

「出戻り」の使い方

「途中入社なのにやけに仕事が早いと思ったら、どうやら出戻り社員らしい」「海外移籍した選手が10年ぶりに古巣へ出戻りしました」などの文中で使われている「出戻り」は、「一度出かけて途中で元へ戻ること」の意味で使われています。

一方、「私は30代半ばで離婚し出戻りとなりました」「今まで見ない女性を見かけるなと思ったら出戻りした向かいの家の娘さんらしい」などの文中で使われている「出戻り」は、「嫁いだ女性が離婚したり夫と死別したりして生家に戻ること」の意味で使われています。

「出戻り」は元々、嫁いだ女性が離婚したり夫と死別したりして生家に戻ることの意味で使われていた言葉ですが、これが転じて、一度出かけて途中で元へ戻ることの意味で使われるようになりました。

また、一度辞めた職場にまた戻って来る場合や、一度推すのを辞めたアイドルを再び推す場合など、一旦そこから出た集団や場所に再び戻って来ることのニュアンスで使うことも可能です。

そのため、「出戻り」はビジネスシーン、スポーツシーン、日常生活など様々な場面で使うことができます。

「出戻り」の類語

「出戻り」の類語・類義語としては、元の位置や状態などに戻ることを意味する「復帰」、進んできた道を元へ戻ることを意味する「引き返す」、元の所へ戻ることを意味する「舞い戻る」などがあります。

「手戻り」の意味

「手戻り」とは

「手戻り」とは、ある作業工程の途中で大きな問題が発見されて前の段階に戻ってやり直すことを意味しています。

表現方法は「手戻りが多い」「手戻りを防ぐ」「手戻りがないように」

「手戻りが多い」「手戻りを防ぐ」「手戻りがないように」「手戻りを減らす」「手戻りする」などが、「手戻り」を使った一般的な言い回しになります。

「手戻り」の使い方

「手戻り」を使った分かりやすい例としては、「手戻りを防ぐために依頼主の要望をしっかりと聞くことが大切です」「彼は手戻りが多くて少し困っている」「手戻りを少しでも減らすためにタスクリストを作成しています」などがあります。

「手戻り」はある作業工程の途中で大きな問題が発見されて前の段階に戻ってやり直すことを意味する言葉です。そのため、IT用語や建築用語として、作業を行うビジネスシーンにおいてよく使われています。

また、「手戻り」は作業工程において、前の段階に戻ってやり直さないといけないため、手間や時間がかかることになります。したがって、どの企業も「手戻り」を減らしたり、「手戻り」を防ぐ努力をしています。

「手戻り」を防ぐコツとしては、皆で作業の途中段階を共有しお互いにコミュニケーションを取ること、依頼主の要望をしっかりと聞き出して完成形のイメージを共有することなどが挙げられます。

「手戻り」の類語

「手戻り」の類語・類義語としては、一応できあがったあとで不完全な部分を直すことを意味する「手直し」、改めて初めからやることを意味する「やり直す」などがあります。

「出戻り」の例文

1.長年海外でプレーしていた選手がJリーグへ出戻りしたが、年齢を考えると活躍するのは難しいだろう。
2.最近は人材不足なことが多いので、家庭の事情などで退職した出戻り社員も増えてきています。
3.メジャーリーグへ移籍したもののマイナー落ちし、わずか1年で古巣へ出戻りになった選手には、ファンから辛辣な声が上がっている。
4.出戻り採用は周囲のモチベーションを下げる可能性があるため、なるべく行わないようにしています。
5.最近隣りの家が騒がしいと思ったら、娘さんが出戻りで住んでいるらしい。
6.君の経験や能力をここでまた活かしてくれないかと元上司から打診されているが、出戻りというのは自分も周囲も何かと気を遣いそうだ。
7.長期海外出張から帰国した社員が、復帰前に出戻り研修を受けることになった。
8.かつてのライバルチームの選手が、出戻りとして自分たちのチームに移籍してきた。
9.彼はかつてオリンピック選手として活躍していたが、引退後に出戻りして指導者として活躍することになった。
10.今度入ってきた人はどうやら出戻り採用で、会社は即戦力になる事を期待しているようだ。

この言葉がよく使われる場面としては、一度出かけて途中で元へ戻ることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、嫁いだ女性が離婚したり夫と死別したりして生家に戻ることを表現したい時にも使います。

例文1から例文4の「出戻り」は一度出かけて途中で元へ戻ること、例文5の「出戻り」は嫁いだ女性が離婚したり夫と死別したりして生家に戻ることの意味で使っています。

「手戻り」の例文

1.あれこれ調査するのに時間をかけるよりも、手戻りした方が効率は良さそうです。
2.手戻りする必要が出てきたので、納期には確実に間に合わないだろう。
3.手戻りが多いと職場全体のモチベーションが下がるため、なるべく起こさないようにしたいです。
4.手戻りが発生するとコストが増えるため、防ぐ努力をした方がいいだろう。
5.手戻りを減らすために、小まめにコミュニケーションをを取るようにしています。
6.プロジェクトの進捗状況が思わしくないため、プロセス全体を見直し、手戻りが起こらないように計画を立て直すことにしました。
7.設計図が不完全であることが判明したため、手戻りが避けられない状況となり、計画を再評価しなければならなくなりました。
8.新しいシステム開発プロジェクトでは、手戻りを防ぐためにアジャイル開発手法を採用し、スプリントごとに成果物を確認しています。
9.前回のプロジェクトで手戻りが多かったため、今回はチームで情報共有の仕組みを見直し、効果的なコミュニケーションを図っています。
10.担当者間ではOKの案件なのに先方の上司の一言で何度も手戻りが発生し、顧客と下請け会社の間にいる自分はサンドバック状態だ。

この言葉がよく使われる場面としては、ある作業工程の途中で大きな問題が発見されて前の段階に戻ってやり直すことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「手戻り」はビジネスシーンにおいてよく使われている言葉です。

「出戻り」と「手戻り」は似た言葉ですが、意味は全く異なっています。

どちらの言葉を使うか迷った場合、一度出かけて途中で元へ戻ることを表現したい時は「出戻り」を、ある作業工程の途中で大きな問題が発見されて前の段階に戻ってやり直すことを表現したい時は「手戻り」を使うと覚えておきましょう。

言葉の使い方の例文
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