似た意味を持つ「ファンタスティック」と「ファンタジック」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ファンタスティック」と「ファンタジック」という言葉は、「幻想的な様子」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ファンタスティックとファンタジックの違い
ファンタスティックとファンタジックの違いを分かりやすく言うと、ファンタスティックは素晴らしい様子も表現する時に使い、ファンタジックは幻想的な様子のみを表現する時に使うという違いです。
一つ目のファンタスティックを使った分かりやすい例としては、「ファンタスティックな映画はいつ何度見てもおもしろいと感じる」「ファンタスティックな遊園地に年に一度は行きたいと感じる」「なんてファンタスティックなのと驚いていた」などがあります。
二つ目のファンタジックを使った分かりやすい例としては、「まるでおとぎ話に出てくるようなファンタジックな場所へとやってきた」「ファンタジックな世界観で展開される物語が好きだ」「ファンタジックよりもファンタジーという方が適切だ」などがあります。
ファンタスティックとファンタジックはどちらも、幻想的な様子を意味する言葉であり、意味や使い方に違いはほとんどありません。
ファンタスティックは、「幻想的な様子」を表す言葉です。その他にも、素晴らしい様子を意味し、上記例文の「なんてファンタスティックなの」などのように感動や驚きを表す感嘆詞として使われることもあります。
一方のファンタジックは、「ファンタジーのような」という意味を持ち、幻想的、空想的を表す言葉として、上記例文の「ファンタジックな場所」「ファンタジックな世界観」などのように使われています。
つまり、ファンタスティックとファンタジックは同じ意味を持ち、同じように使われていますが、前者は非常に素晴らしい様子や感動を表す感嘆詞としても用いられることがあるのに対して、後者は幻想的な様子のみを意味する言葉であるという違いがあります。
ファンタスティックとファンタジックを英語にすると「fantastic」となり、例えば上記の「ファンタスティックな映画」を英語にすると「fantastic films」となり、「ファンタジックな場所」を英語にすると「a fantastic area」となります。
ファンタスティックの意味
ファンタスティックとは、幻想的な様子を意味しています。
その他にも、非常に素晴らしい様子を意味する言葉として使われています。
「ファンタスティックな場所では時間を忘れる」「見上げればファンタスティックな空が広がっていた」「ファンタスティックなアートギャラリーを訪れた」などの文中で使われているファンタスティックは、「幻想的な様子」の意味で使われています。
一方、「ファンタスティックなレストランだったためまた来たいと感じた」「生きてきた中で最もファンタスティックな時間を過ごすことができた」などの文中で使われているファンタスティックは、「非常に素晴らしい様子」の意味で使われています。
ファンタスティックは英語で「fantastic」と表記され、「空想的な」「風変りな」「すばらしい」といった意味を持ちます。日本語でも同じように使われますが、日常会話においてファンタスティックを感嘆詞として用いられることはあまりありません。
「想像」「幻想」といった意味を持つ「fantasy」を形容詞に変化させた言葉であり、幻想的な様子だけでなく、これまでに遭遇したことがないような素晴らしいものに出会った際に使われることが多くあります。
ファンタスティックの類語・類義語としては、物事の趣が奥深く計り知れない様子を意味する「幽玄」、驚嘆すべきすばらしい様子を意味する「ワンダフル」、規模が大きくて美しい様子を意味する「壮麗」などがあります。
ファンタジックの意味
ファンタジックとは、幻想的や空想的を意味しています。
ファンタジックを使った分かりやすい例としては、「ファンタジックな物語は多くの子どもたちに夢を見させてくれる」「ファンタジックな景色を写真に収めることができたためコンテストに応募した」などがあります。
その他にも、「ファンタジックな写真の撮り方を教えてもらいたい」「ファンタジックな画像の中にはAIかどうか分からないものも多い」「ファンタジックな舞台を見ることができたのは一生の思い出になるだろう」などがあります。
ファンタジックは、空想や幻想を意味する「fantasy」に接尾語「ic」をつけて形容詞化させた和製英語です。そのため、「fantastic」「dreamy」「magical」などと表記されており、ファンタジックという言葉が英語圏で使われることはありません。
ファンタスティックの誤用であると言われていますが、日本では一般的であり、「ファンタジー調」「ファンタジー的」といった意味で使われています。辞書には見出し語のみが掲載され、ファンタスティックの意味が掲載されているページへと誘導されます。
ファンタジックの類語・類義語としては、不思議な感じのする様子を意味する「神秘的」、詩のように趣のある様子を意味する「詩的」、童話の世界にありそうな様子を意味する「メルヘンチック」などがあります。
ファンタスティックの例文
この言葉がよく使われる場面としては、幻想的な様子を意味する時などが挙げられます。
例文3や4のように、非常に素晴らしい様子を意味する言葉としても使われています。
また、例文5の「ファンタスティック・ビースト」とは、J.K.ローリングによる『ハリーポッター』シリーズから派生した、幻想生物の学者を主人公としたスピンオフ作品です。
ファンタジックの例文
この言葉がよく使われる場面としては、幻想的や空想的を意味する時などが挙げられます。
例文5の通り、ファンタジックは誤用と考えられています。そのため、どの例文のファンタジックもファンタスティックに置き換えて使うことができます。
ファンタスティックとファンタジックは、どちらも「幻想的な様子」を表します。どちらを使うか迷った場合は、素晴らしい様子も表す場合は「ファンタスティック」を、幻想的な様子のみ表す場合は「ファンタジック」を使うと覚えておけば間違いありません。