似た意味を持つ「衆議院」(読み方:しゅうぎいん)と「参議院」(読み方:さんぎいん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「衆議院」と「参議院」という言葉は、どちらも「国会を構成する議院の一つ」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
衆議院と参議院の違い
衆議院と参議院の意味の違い
衆議院と参議院の違いを分かりやすく言うと、衆議院とは任期が4年で解散がある、参議院とは任期が6年で解散がないという違いです。
衆議院と参議院の使い方の違い
一つ目の衆議院を使った分かりやすい例としては、「衆議院議員の任期満了につき総選挙が行われました」「2025年に衆議院選挙の予定はありません」「内閣不信任案が可決され衆議院解散となりました」などがあります。
二つ目の参議院を使った分かりやすい例としては、「参議院議長は臨時国会の本会議で選出されました」「参議院選挙の東京選挙区では誰が当選しましたか」「参議院インターネット審議中継を見たことがありません」などがあります。
衆議院と参議院の使い分け方
衆議院と参議院という言葉は、どちらも日本国憲法のもとで国会を構成する両院の一つを表しますが、意味や使い方には違いがあります。
衆議院とは、参議院とともに国会を構成する一院です。議員の任期は4年間で、任期中に解散されることもあります。そのため、選挙によって国民の意見をより強く反映した議員を選べるようになっています。また、「衆議院の優越」という参議院に対して優越した権限を持っています。
参議院とは、衆議院とともに国会を構成する一院で、権限は衆議院より弱いのですが衆議院の行き過ぎを是正する機能がありあす。議員の任期は6年間で、任期中に解散されることはありません。そのため、長期的視点で国会の審議を慎重なものとする役割があります。
つまり、衆議院とは任期4年で解散があり民意を反映させやすい性質があり、参議院とは任期6年で解散がなく長期的な視野で審議する性質を持ちます。二つの言葉は似ていますが、性質や役割の点で、相反する意味を持つ言葉だと言えるでしょう。
衆議院と参議院の英語表記の違い
衆議院を英語にすると「the House of Representatives」となり、例えば上記の「衆議院議員」を英語にすると「a member of the House of Representatives」となります。
一方、参議院を英語にすると「the House of Councilors」となり、例えば上記の「参議院議長」を英語にすると「the President of the House of Councilors」となります。
衆議院の意味
衆議院とは
衆議院とは、日本国憲法のもとで、参議院とともに国会を構成する両院の一つを意味しています。
その他にも、「明治憲法下で、貴族院とともに帝国議会を構成した一院」の意味も持っています。
衆議院の使い方
「各党の衆議院議席数を調べています」「衆議院にはタレント議員が数人います」「衆議院選挙は何年に一回あるか知っていますか」などの文中で使われている衆議院は、「日本国憲法下で、参議院とともに国会を構成する両院の一つ」の意味で使われています。
一方、「衆議院議員選挙は制限選挙でした」「衆議院と貴族院の役割と権限を調べる」「衆議院は帝国議会の民選議院です」などの文中で使われている衆議院は、「明治憲法下で、貴族院とともに帝国議会を構成した一院」の意味で使われています。
衆議院とは、上記の例文にあるように二つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。衆議院の「衆」は多くの人々、「議」は意見を出して話し合うこと、「院」は公共性のある機関を表す漢字です。
表現方法は「衆議院解散」
上記例文にある「衆議院解散」とは、衆議院議員の任期である4年を満了する前に、すべての衆議院議員がその地位を失うことを意味します。衆議院が解散される理由には、内閣不信任決議の可決と国政の重大局面で国民の意思を問う必要があると判断した場合があります。
衆議院の対義語
衆議院の対義語・反対語としては、国会を構成する衆議院のもう一方の院を意味する「参議院」などがあります。
衆議院の類語
衆議院の類語・類義語としては、国民から公選された代表者から組織され立法権を与えられた合議機関を意味する「議会」、立法府である国会の上院と下院を意味する「二院」、両院制の議会で公選議員によって構成される一院をいうを意味する「下院」などがあります。
参議院の意味
参議院とは
参議院とは、日本国憲法のもとで、衆議院とともに国会を構成する両院の一つを意味しています。
参議院の使い方
参議院を使った分かりやすい例としては、「参議院議員通常選挙の投票用紙が郵送で届きました」「参議院選挙の投票方法をホームページで確認する」「今年の参議院選挙で参政党が躍進しました」などがあります。
その他にも、「参議院選挙の出口調査結果をチェックする」「参議院選挙の大阪選挙区で立候補します」「2025年の参議院選挙はいつですか」「第27回参議院選挙は2025年7月3日公示されました」などがあります。
参議院とは、衆議院と共に国会を構成する一院です。国民の選挙によって選出される議員によって組織されます。権限は衆議院より弱いが、衆議院の行き過ぎを是正して国会の審議を慎重なものとする役割を持ちます。
参議院の異称
参議院の異称には「再考の府」「熟慮の府」があります。これは、参議院が衆議院で可決した法案を再度審議する立場のために付けられたものです。また、良識に基づいて中立公正を守る立場にあるので「良識の府」とも呼ばれています。
参議院の対義語
参議院の対義語・反対語としては、国会を構成する参議院のもう一方の院を意味する「衆議院」などがあります。
参議院の類語
参議院の類語・類義語としては、国政を審議する場所や国会を意味する「議院」、国会を構成する二つの議院を意味する「両院」、明治憲法により衆議院とともに帝国議会を構成していた立法機関を意味する「貴族院」、上下両院で構成される議会の一院を意味する「上院」などがあります。
衆議院の例文
この言葉がよく使われる場面としては、現行憲法の下で参議院とともに国会を構成する一院、旧憲法下で貴族院とともに帝国議会を構成した一院を表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4にある衆議院は、現行憲法の下で国会を構成する一院の意味で用いられています。例文5にある衆議院は、旧憲法下で帝国議会を構成した一院の意味で使われています。
参議院の例文
この言葉がよく使われる場面としては、衆議院と共に国会を構成する一院で、二院制議会における上院を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「参議院本会議」とは、参議院の議員全員が出席して議会の意思を最終的に決定する会議です。本会議は原則として公開され、本会議を開くには総議員の3分の1以上の出席が必要です。
衆議院と参議院という言葉は、どちらも「国会を構成する議院」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、任期が短く解散があり国民の意見を反映しやすい議院を表現したい時は「衆議院」を、任期が長く解散がなくて長期的な視野をもつ議院を表現したい時は「参議院」を使うようにしましょう。