【現役】と【浪人】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「現役」(読み方:げんえき)と「浪人」(読み方:ろうにん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「現役」と「浪人」という言葉は、どちらも「受験生」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




現役と浪人の違い

現役と浪人の違いを分かりやすく言うと、現役とは高校に在籍している大学受験生、浪人とは高校に在籍していない大学受験生という違いです。

一つ目の現役を使った分かりやすい例としては、「彼女はバレーボールの現役選手です」「現役合格を目指して頑張っています」「現役生は勉強時間の確保が課題です」「現役世代の負担が大きすぎる」などがあります。

二つ目の浪人を使った分かりやすい例としては、「就職先が決まらなくて就職浪人しました」「浪人生の一日の生活を紹介します」「浪人生におすすめの英語塾はありますか」「東大を諦められずに仮面浪人しています」などがあります。

現役と浪人という言葉は、どちらも大学への入学を希望する受験生を表しますが、意味や使い方には違いがあります。

現役とは、もともとは現在兵役に服していることを意味し、一般的には特定の地位や職務に就いて活動していることを表す言葉です。特に、大学受験について、高校などを在学している間に大学入試に臨む者を指します。

浪人とは、もともと主君や領地を失って流浪する者を意味しましたが、大学受験においては、入学試験に不合格となり、高校卒業後も継続して翌年の試験のために勉強する者を指す言葉です。上記例文にある「仮面浪人」とは、大学に在籍しながら別の大学の受験を目指す人のことです。

つまり、現役とは高校に通いながら大学を受験する人を指し、浪人とは一度大学入試で不合格となり高校を卒業した後に再度受験をする人を表す言葉です。二つの言葉は大学を受験する人の立場を表現しますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

現役を英語にすると「active」「in service」「currently working」となり、例えば上記の「現役選手」を英語にすると「an active player」となります。

一方、浪人を英語にすると「unemployed man」「gap year」「a masterless samurai」となり、例えば上記の「就職浪人する」を英語にすると「take a gap year」となります。

現役の意味

現役とは、在学中に上の学校などを受験する者、また、その試験に合格した者を意味しています。

その他にも、「旧日本陸海軍の常備兵役の一つ」「現在ある地位や職などに就いて活動していること」の意味も持っています。

「現役生の偏差値は後半になって大きく伸びます」「現役で受かった大学に行くつもりです」「英語が得意であれば現役合格しやすいでしょう」などの文中で使われている現役は、「在学中に上の学校などを受験する者」の意味で使われています。

一方、「陸軍大臣は、現役の中将と大将のみが就任できます」の文中で使われている現役は「旧日本陸海軍の常備兵役の一つ」の意味で、「現役ドラフトは毎年12月に行われます」の文中で使われている現役は「現在ある地位や職などに就いて活動していること」の意味で使われています。

現役とは、上記の例文にあるように複数の意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を捉える必要があります。現役の「現」は目の当たりであるさま、「役」は責任を持って当たる任務を表す漢字です。

現役を用いた日本語には「現役世代」があります。現役世代とは、年金に関する用語で、保険料を支払うことで公的年金制度を支えている、主に20歳から60歳までの世代のことを意味します。現役世代の割合が減少すると、高齢者を支える負担が大きくなります。

現役の対義語・反対語としては、役職や地位から身を退くことを意味する「引退」、入試に失敗して次年度の入試に再挑戦する学生を意味する「浪人」などがあります。

現役の類語・類義語としては、それまでと変わりなく十分に力や能力を発揮していることを意味する「健在」、実社会で働いている人を意味する「社会人」、上級学校の入学試験に現役で合格することをいう俗語を意味する「ストレート」などがあります。

浪人の意味

浪人とは、入学試験や入社試験に不合格となり、入学や就職ができないでいる人、また、職を失って決まった職のない人を意味しています。

その他にも、「古代、本籍地を離れ他国を流浪している者、浮浪人」「中世・近世、主家を自ら去ったり失ったりした武士」の意味も持っています。

「浪人生の割合は年々減少傾向にあります」「浪人中はゲーム断ちをしていました」「浪人界隈のツイートをチェックする」などの文中で使われている浪人は、「入学や就職ができないでいる人、職を失って決まった職のない人」の意味で使われています。

一方、「重い税から逃れようと浪人になりました」の文中で使われている浪人は「本籍地を離れ他国を流浪している者」の意味で、「貧乏浪人が内職を探しています」「武士が浪人笠を被っている」の文中で使われている浪人は「主家を自ら去ったり失ったりした武士」の意味で使われています。

浪人とは、上記の例文にあるように三つの意味を持ち、それぞれの意味で用いられているため、文脈により意味を判断する必要があります。浪人の「浪」は訓読みで「なみ」と読み、波のように移ろい定まらないさまを表します。

浪人を用いた日本語には「浪人結び」があります。浪人結びとは、帯の結び方の一つであり、男性用の着物や浴衣で用いられています。浪人結びは結び目が平らで小さく、緩みにくいため、お祭りや車の運転などに適しています。

浪人の対義語・反対語としては、浪人に対する在学中の者を意味する「現役」などがあります。

浪人の類語・類義語としては、大学受験予備校に通う生徒を意味する「予備校生」、仕える主君を失った武士を意味する「浪士」、主人を失い秩禄のなくなった武士を意味する「牢人」、失業している人を意味する「失業者」などがあります。

現役の例文

1.志望校に現役合格するために、夏休みは苦手な英語を集中的に勉強します。
2.浪人生に比べて、現役生は入試直前まで成績が大きく伸びる可能性が高いです。
3.日本のプロ野球は、各球団の現役選手を他の球団が指名して移籍できるようになっています。
4.現役時代に苦しんだ経験から、積極的にスポーツ医学の研究に協力しています。
5.焼き鳥屋を始めて半世紀になりますが、まだまだ現役で頑張るつもりです。

この言葉がよく使われる場面としては、学校に学生として籍を置いている者、常時軍務に服して部隊の中心となる役、ある地位または職務に就いていることを表現したい時などが挙げられます。

例文1にある「現役合格」とは、高校生が浪人することなく、卒業年で志望大学に合格して進学することを意味します。「ストレート合格」とも言います。

浪人の例文

1.大学生活を謳歌している友人を見ていると、第一志望にこだわって浪人しなきゃよかったと後悔しています。
2.浪人はイメージよりつらいものなのでやめとけ、と兄にアドバイスされました。
3.信じられないかもしれませんが、浪人生活を経験したことで人生が変わることもあります。
4.売り手市場と言われている昨今に、一流大学卒の息子が就職浪人するとは思わなかった。
5.武士が藩を脱出して浪人になると、厳しい処罰を受ける可能性がありました。

この言葉がよく使われる場面としては、上級学校の入学試験に不合格となり学籍をもたないで翌年の試験のために勉強すること、郷土を離れて諸国を流浪する人、主人持ちでない武士を表現したい時などが挙げられます。

例文4にある「就職浪人」とは、大学や専門学校などの在学中に就職先が決まらず、卒業した後も就職活動を継続している人を意味します。

現役と浪人という言葉は、どちらも「大学を受験する人」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、高校に通いながら大学を受験する人を表現したい時は「現役」を、高校卒業した後に大学を受験する人を表現したい時は「浪人」を使うようにしましょう。

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