似た意味を持つ「お言葉に甘えて」(読み方:おことばにあまえて)と「ご厚意に甘えて」(読み方:ごこういにあまえて)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」という言葉は、どちらも相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の違い
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の意味の違い
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の違いを分かりやすく言うと、「お言葉に甘えて」とは相手の言ってくれた言葉に対してしか使えない、「ご厚意に甘えて」とは相手の言葉以外の行為に対しても使えるという違いです。
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の使い方の違い
一つ目の「お言葉に甘えて」を使った分かりやすい例としては、「お言葉に甘えて頂戴いたします」「お言葉に甘えさせていただきます」「お言葉に甘えてお先に失礼します」「お言葉に甘えてそうさせていただきます」などがあります。
二つ目の「ご厚意に甘えて」を使った分かりやすい例としては、「ご厚意に甘えて頂戴いたします」「本日はご厚意に甘えてご馳走になります」「ご厚意に甘えてお先に失礼します」などがあります。
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の使い分け方
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」は、どちらも相手の親切な申し出をそのまま受け入れることという同じ意味を持つ言葉ですが、使い方に少し違いがあります。
「お言葉に甘えて」は言葉の通り相手が言ってくれた言葉に向けてのみに使用されるのに対し、「ご厚意に甘えて」は相手の言葉以外の行為に対しても使用できるというのが大きな違いです。
「ご厚意に甘えて」は言葉そのものだけではなく、相手の行為そのものに対しての感謝を述べる場合に使うと覚えておきましょう。
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」の英語表記の違い
「お言葉に甘えて」も「ご厚意に甘えて」も英語にすると「Thank you for your kind offer」「take A up on B」となり、例えば上記の「お言葉に甘えてそうさせていただきます」を英語にすると「If you’re sure it’s all right, I’ll take you up on it」となります。
「お言葉に甘えて」の意味
「お言葉に甘えて」とは
「お言葉に甘えて」とは、相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを意味しています。
表現方法は「お言葉に甘えてお邪魔します」「お言葉に甘えさせていただきます」
「お言葉に甘えてお邪魔します」「お言葉に甘えさせていただきます」などが、「お言葉に甘えて」を使った一般的な言い回しになります。
「お言葉に甘えて」の使い方
「お言葉に甘えて」を使った分かりやすい例としては、「恐縮ですがお言葉に甘えて頂戴いたします」「お言葉に甘えて傘をお借りさせていただきます」「お言葉に甘えてよろしくお願いします」「お言葉に甘えてすっかりご馳走になりました」などがあります。
「お言葉に甘えて」は相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを意味しており、相手が申し出てくれたことに対し遠慮をせずに受け入れたり、相手の親切に対して素直に従う場合に使います。
「お言葉に甘えて」は「言葉に甘える」に尊敬を表す接頭語の「お」を付けた言葉です。そのため、ビジネスシーンなどで取引先や上司など目上の人に対して使っても問題ない言葉になります。
また、「お言葉に甘えて」をさらに丁寧に表現したい場合は、「お言葉に甘えさていただきます」とするのがいいでしょう。
「お言葉に甘えて」を使う上で注意しなけばならいのは、相手からかけられた言葉に対してしか使えないという点です。
例を挙げると、上司から「体調が悪いのなら休みなさい」と言われた場合は、相手からお言葉がかけられているので「お言葉に甘えて休ませていただきます」と使うことができます。
一方、上司から「体調悪そうだけど大丈夫」と言われた場合は、気遣ってもらってはいるものの、お言葉をかけられていないので「お言葉に甘まえて」という言い回しは使うことができません。
「お言葉に甘えて」の類語
「お言葉に甘えて」の類語・類義語としては、人に対して言葉や行動を慎み控えないことを意味する「それでは遠慮なく」、あれこれと気を配ることを受けいれることを意味する「お心遣いに甘えて」などがあります。
「ご厚意に甘えて」の意味
「ご厚意に甘えて」とは
「ご厚意に甘えて」とは、相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを意味しています。
表現方法は「ご厚意に甘えさせていただきます」「ご厚意に甘えて頂戴いたします」
「ご厚意に甘えさせていただきます」「ご厚意に甘えて頂戴いたします」などが、「ご厚意に甘えて」を使った一般的な言い回しになります。
「ご厚意に甘えて」の使い方
「ご厚意に甘えて」を使った分かりやすい例としては、「部長からのご厚意に甘えて頂戴いたします」「先輩のご厚意に甘えさせていただきます」「それではご厚意に甘えてお邪魔させていただきます」「ご厚意に甘えて治療に専念させていただきますなどがあります。
「ご厚意に甘えて」は相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを意味しており、相手が申し出てくれたことに対し遠慮をせずに受け入れたり、相手の親切に対して素直に従う場合に使います。
また、「ご厚意に甘えて」は相手の全ての行為が対象になるので、「お言葉」がなくても使うことが可能です。
「ご厚意に甘えて」は「厚意に甘える」に尊敬を表す接頭語の「ご」を付けた言葉です。そのため、ビジネスシーンなどで目上の人に対して使っても問題ない言葉になります。
「ご厚意に甘えて」の類語
「ご厚意に甘えて」の類語・類義語としては、相手の特別な感情や可愛がる気持ちを受け入れることを意味する「お情けに甘えて」、相手の感情や心のあり方を受け入れることを意味する「お気持ちに甘えて」などがあります。
「お言葉に甘えて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「お言葉に甘えて」はビジネスシーンにおいてよく使われています。
「ご厚意に甘えて」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「ご厚意に甘えて」はビジネスシーンにおいてよく使われています。
「お言葉に甘えて」と「ご厚意に甘えて」という言葉は、どちらも相手の親切な申し出をそのまま受け入れることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、相手の言ってくれた言葉に対しては「お言葉に甘えて」を、相手の言葉以外の行為に対しては「ご厚意に甘えて」を使うようにしましょう。