【ならず者】と【荒くれ者】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ならず者」(読み方:ならずもの)と「荒くれ者」(読み方:あらくれもの)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ならず者」と「荒くれ者」という言葉は、どちらも粗暴で問題行動を起こす人のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ならず者」と「荒くれ者」の違い

「ならず者」と「荒くれ者」の違いを分かりやすく言うと、「ならず者」は反社会的や犯罪的な人物に対して使う、「荒くれ者」は粗暴で乱暴な性格や振る舞いに対して使うという違いです。

一つ目の「ならず者」を使った分かりやすい例としては、「町を荒らしていたならず者がようやく捕まったと聞きました」「昔からならず者と噂されていた男が、ついに大きな犯罪に手を染めました」「彼はならず者の一味と関わっていたことが後になって判明しました」などがあります。

二つ目の「荒くれ者」を使った分かりやすい例としては、「酒に酔った荒くれ者たちが大声で騒いで周囲を困らせていました」「昔の港町には気の荒い荒くれ者が多かったと聞きました」「見た目は荒くれ者のようですが、実は情に厚い一面もあります」などがあります。

「ならず者」と「荒くれ者」はどちらも粗暴で問題行動を起こす人のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ならず者」は「昔から素行が悪く、地域でならず者と恐れられていた」のように、社会の規範から逸脱し、反社会的や犯罪的な行為を行う人物に対して使う言葉になります。

一方、「荒くれ者」は「気性が荒く、しょっちゅう喧嘩をしているので荒くれ者と呼ばれている」のように、乱暴で気が荒い性質や行動を示す人物に対して使う言葉です。必ずしも法や規範に反する行為をしているとは限りません。

つまり、反社会的や犯罪的な人物に対して使うのが「ならず者」、粗暴で乱暴な性格や振る舞いに対して使うのが「荒くれ者」と覚えておきましょう。

「ならず者」を英語にすると「outlaw」「rogue」「scoundrel」となり、例えば「町を騒がせていたならず者が逮捕された」を英語にすると「The rogue who had been troubling the town was finally arrested」となります。

一方、「荒くれ者」を英語にすると「ruffian」「thug」「roughneck」となり、例えば「酔った荒くれ者たちが通りで暴れていた」を英語にすると「Drunken ruffians were causing trouble in the street」となります。

「ならず者」の意味

「ならず者」とは、社会の一員としての義務や役割を果たさない厄介者のことを意味しています。

「街のならず者」「土地のならず者」「近所のならず者」などが、「ならず者」を使った一般的な言い回しになります。

「ならず者」を使った分かりやすい例としては、「あの地域には昔からならず者が多く、住民が不安を抱えていました」「街を荒らしていたならず者が逮捕され、ようやく平穏が戻りました」「彼は若い頃ならず者とつるんでいたため、周囲から警戒されていました」などがあります。

「ならず者」は、社会の規範を守らず、無法な行動をする人を意味する名詞です。名詞とは、人や物、事柄などの名前を表す言葉を指しています。

「ならず者」は、社会生活の中で問題を起こしたり、危険を及ぼす人物を指すときに用いられます。基本的に強いマイナスイメージを持つ言葉であり、日常会話では比喩的、誇張的に用いられることもありますが、人物評としては厳しい響きがあるのが特徴です。

また、自分を指す言い回しとして使われることはほとんどなく、多くの場合は第三者に対して用いられます。そのため、状況によっては侮蔑的なニュアンスを帯びる点にも注意が必要です。

「ならず者」の類語・類義語としては、社会の規範に反する行為をする人を指す「不良」、反社会的な行為を行う人物を意味する「無頼漢」などがあります。

「荒くれ者」の意味

「荒くれ者」とは、気性が荒く振る舞いの乱暴な者のことを意味しています。

「街の荒くれ者」「荒くれ者集団」「港町の荒くれ者」などが、「荒くれ者」を使った一般的な言い回しになります。

「荒くれ者」を使った分かりやすい例としては、「港で働く荒くれ者たちは見た目は怖いが根は優しい人も多いです」「あの店には昔、荒くれ者が出入りしていたため地元では少し知られた存在でした」「町で騒ぎを起こした荒くれ者が捕まりようやく人々が安心できるようになりました」などがあります。

「荒くれ者」は、気性が荒く、粗暴な振る舞いをする人物を意味する名詞です。

「荒くれ者」は、乱暴な言動や粗野な行動を繰り返す人物を指す際に用いられます。多くの場合、無法というよりも「手荒」や「粗暴」といった印象が強く、力任せの行動を取る人物像を伴うのが特徴です。

また、「ならず者」と比較すると、犯罪性や社会規範の逸脱よりも「荒々しい性格」「粗野なふるまい」といった気質に焦点が当てられる傾向があります。状況によっては親しみを込めた表現として用いられることもあります。

「荒くれ者」の類語・類義語としては、粗暴で気性の荒い人物を意味する「乱暴者」、力任せに行動する様子を指す「ごろつき」、粗野で礼儀に欠ける人物を意味する「がさつ者」などがあります。

「ならず者」の例文

1.昔から町で悪名をはせていたならず者が逮捕され、地域の人々がようやく安心したように感じます。
2.彼はならず者の集団と関わっていたため、周囲から距離を置かれる状況が続いてしまっています。
3.深夜に店へ押し入ったならず者が捕まり、被害に遭った店主も少しだけ胸をなで下ろしています。
4.若い頃にならず者と付き合っていた過去があり、その影響で今も人間関係に苦労しているようです。
5.旅行先で遭遇したならず者から逃げ切れた時は、心臓が跳ね上がるほど緊張したのを覚えています。

この言葉がよく使われる場面としては、社会の一員としての義務や役割を果たさない厄介者のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ならず者」は反社会的や犯罪的な人物に対して使う言葉です。

「荒くれ者」の例文

1.酒に酔った荒くれ者たちが騒ぎ始めたため、私は店を出て安全な場所に避難することにしました。
2.昔の港町には荒くれ者が多く、日常的に小競り合いが起きていたと聞かされてきました。
3.彼は見た目が荒くれ者のようですが、実際には困っている人を助ける優しい一面も持っています。
4.荒くれ者として有名な男が改心し、今では地域の子どもたちを守る仕事に就いているそうです。
5.祭りの夜に荒くれ者たちが暴れたため、警備員たちが必死に事態の収拾にあたっていました。

この言葉がよく使われる場面としては、気性が荒く振る舞いの乱暴な者のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「荒くれ者」は粗暴で乱暴な性格や振る舞いに対して使う言葉です。

「ならず者」と「荒くれ者」はどちらも粗暴で問題行動を起こす人のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、反社会的や犯罪的な人物に対して使うのが「ならず者」、粗暴で乱暴な性格や振る舞いに対して使うのが「荒くれ者」と覚えておきましょう。

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