同じ漢字で読み方が違う「重複」(読み方:ちょうふく)と「重複」(読み方:じゅうふく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「重複(ちょうふく)」と「重複(じゅうふく)」という言葉は、読み方は違いますが意味が同じ言葉になります。
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)の違い
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)の意味の違い
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)の違いを分かりやすく言うと、重複(ちょうふく)とは本来の読み方、重複(じゅうふく)とは慣用読みで一般的になった読み方という違いです。
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)の使い方の違い
一つ目の重複(ちょうふく)を使った分かりやすい例としては、「重複する機能を一つにする」「数学の重複順列が分かりません」「重複組合せの考え方を教えて下さい」「重複して申し込むことは出来ません」「重複遺伝子を研究している」などがあります。
二つ目の重複(じゅうふく)を使った分かりやすい例としては、「エクセルで重複データを抽出する」「重複表現は避ける方が良いでしょう」「婦人科検診で重複子宮だと言われた」「重複購入にご注意ください」などがあります。
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)の使い分け方
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)という言葉は、どちらも同じ物事が重なることを意味する言葉です。同じ漢字で読み方が二通りある言葉であり、読み方によって意味や使い方には違いがありません。
重複(ちょうふく)とは本来の正しい読み方です。重複(じゅうふく)とは、本来の読み方とは異なる読み方が広く用いられ、定着した慣用読みです。もともとは誤った読み方でしたが、現在では重複(じゅうふく)の方が標準的な読み方となっています。
ただし、固有名詞で重複が使われる場合は、読み方が限定される場合があります。数学で使われる例えば、「重複組合せ」「重複順列」の重複は、「ちょうふく」と読み、「じゅうふく」とは読まないので注意しましょう。
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)の英語表記の違い
重複(ちょうふく)も重複(じゅうふく)も英語にすると「overlap」「duplication」「redundant」となり、例えば上記の「重複する機能」を英語にすると「overlapping functions」となります。
重複(ちょうふく)の意味
重複(ちょうふく)とは
重複(ちょうふく)とは、 同じ物事が重なり合うことを意味しています。
重複(ちょうふく)の使い方
重複を使った分かりやすい例としては、「アブは重複寄生の昆虫です」「重複組合せの公式を教えて下さい」「重複を許す組み合わせを全て答えなさい」「保険の重複補償に注意しましょう」「叔父は重複障害者です」などがあります。
その他にも、「衆院選で比例の重複立候補が認められた」「関数を使って重複チェックする」「エクセルの重複行削除機能が便利だ」「重複順列について解説します」「重複順列の基本問題を解く」「重複課税を調整するための制度です」などがあります。
重複という言葉の「重」と「複」は、どちらも二つ以上のものが重なっていることを表します。重複とは、同じ物事が重なり合うことを意味し、一つあれば十分であるのに二つ以上あって余計であるといった意味合いで使われることが多い言葉です。
「重複立候補」の意味
重複という言葉を用いた日本語には「重複立候補」があります。小選挙区比例代表並立制の選挙において、小選挙区の立候補者を政党の比例代表名簿にも登載することができる制度のことです。
重複(ちょうふく)の対義語
重複(ちょうふく)の対義語・反対語としては、ただ一人やただ一つであることを意味する「単独」、そのものだけが特別にもっていることを意味する「独特」、そのものだけにあることを意味する「固有」などがあります。
重複(ちょうふく)の類語
重複(ちょうふく)の類語・類義語としては、同じことが二つ重なることを意味する「二重」、同じ物事が二つ重なることを意味する「ダブる」、同じことを繰り返して行なうことを意味する「反覆」、繰り返すことや反復を意味する「繰返し」などがあります。
重複(じゅうふく)の意味
重複(じゅうふく)とは
重複(じゅうふく)とは、 同じ物事が重なり合うことを意味しています。
重複(じゅうふく)の使い方
重複を使った分かりやすい例としては、「重複するコンテンツを削除する」「エクセルで重複データをチェックする」「超音波で重複子宮だと診断された」「英語文の意味が重複している」などがあります。
その他にも、「エクセルで重複データを検出する」「目視でデータの重複チェックは大変です」「感染者統計の重複が発覚した」「ワクチンの重複予約が相次いでいる」「名簿のリストに重複がないか確認する」などがあります。
重複という言葉の読み方は、本来は「ちょうふく」ですが、慣用読みの「じゅうふく」が多く使われています。平成15年度に文化庁が行った調査によると、「じゅうふく」と読む人の割合が76%、「ちょうふく」と読む人は20%であり、多くの人が「じゅうふく」と読んでいる実態が明らかになりました。
「重複子宮」の意味
上記の例文にある「重複子宮」とは、下腹部の左右に2つの子宮があり、子宮口も2つある状態を意味します。読み方は二通りあり、「じゅうふくしきゅう」「ちょうふくしきゅう」どちらで読んでも問題ありません。
「重複受精」の意味
重複を用いた日本語には「重複受精」があります。被子植物に特有の受精方法であり、胚嚢内で2個の精核が、1個は卵細胞と、もう1個は2個の極核に由来する中心核と合体する現象のことです。
重複(じゅうふく)の対義語
重複(じゅうふく)の対義語・反対語としては、そのものだけが特にもっていることを意味する「特有」、他と違ってそのものだけにあることを意味する「独自」などがあります。
重複(じゅうふく)の類語
重複(じゅうふく)の類語・類義語としては、三つ重なることを意味する「三重」、文章などで同じ事柄が重複して出ることを意味する「重出」、同じことを何度も繰り返すことを意味する「反復」、同じようなものがそろうことを意味する「被る」などがあります。
重複(ちょうふく)の例文
この言葉がよく使われる場面としては、 同じ物事がいくたびか重なることを表現したい時などが挙げられます。
例文2や例文3にあるように、重複の読み方は「ちょうふく」「じゅうふく」の二通りがあり、どちらかが正しくて、どちらかが間違いではないかと思われることがあります。しかし、辞書には二つの読み方が載っているので、どちらを使っても問題ありません。
重複(じゅうふく)の例文
この言葉がよく使われる場面としては、同じ物事が重なり合うことを表現したい時などが挙げられます。
例文3にある「重複受精」とは、被子植物の有性生殖に際してみられる現象です。「ちょうふくじゅせい」「じゅうふくじゅせい」どちらで読んでも構いません。
重複(ちょうふく)と重複(じゅうふく)という言葉は、どちらも物事が重なることを表します。読み方は異なっても同じ意味を持つため、好みにより使い分けることができます。ただし、固有名詞によっては、読み方が限定される場合があります。
また、どちらの読み方を使うかで迷った場合は、一般的に多くの人が使っている重複(じゅうふく)の読み方を使うようにしましょう。