同じ「せんしゅうらく」という読み方の「千秋楽」と「千穐楽」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「千秋楽」と「千穐楽」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
千秋楽と千穐楽の違い
千秋楽と千穐楽の意味の違い
千秋楽と千穐楽の違いを分かりやすく言うと、千秋楽とは相撲などの興行最終日だけでなく物事の終わりも意味し、千穐楽とは相撲などの興行最終日のみを意味するという違いです。
千秋楽と千穐楽の使い方の違い
一つ目の千秋楽を使った分かりやすい例としては、「明後日、芝居は千秋楽になる」「大相撲七月場所の千秋楽はいつですか」「千秋楽の取組結果と番付をチェックする」「人生の千秋楽が近づいている」などがあります。
二つ目の千穐楽を使った分かりやすい例としては、「本日無事に千穐楽を迎えることができました」「もうすぐ大相撲九州場所の千穐楽です」「千穐楽お祝いメッセージが届いています」「大千穐楽公演のチケットを取る」などがあります。
千秋楽と千穐楽の使い分け方
千秋楽と千穐楽という言葉は、どちらも「せんしゅうらく」と読み、相撲や演劇などの興行最終日を意味する言葉です。この意味では漢字が違うだけなので、どちらを使っても問題ありません。
上記の例文にある「七月場所の千秋楽」は「七月場所の千穐楽」と書き換えることができます。
さらに千秋楽は、物事の終わりの意味も持っています。この意味は千穐楽には無いため、「人生の千秋楽」を「人生の千穐楽」と書き表すことは出来ません。
千穐楽という言葉は、千秋楽という文字の中にある「火」が芝居小屋にとって縁起が悪いために、縁起が良くて同音の「穐」を使って出来た言葉だと言われています。千穐楽は、縁起をかつぐ芝居や演劇、相撲などの興行に特化して使われること覚えておきましょう。
千秋楽と千穐楽の英語表記の違い
千秋楽も千穐楽も英語にすると「an end」「a close」「final day of a tournament」となり、例えば上記の「千秋楽になる」を英語にすると「come to a close」となります。
千秋楽の意味
千秋楽とは
千秋楽とは、芝居や相撲などの興行の最後の日を意味しています。
その他にも、物事の最後や終わりの意味も持っています。
表現方法は「千秋楽を終える」「千秋楽を迎える」
「千秋楽を終える」「千秋楽を迎える」などが、千秋楽を使った一般的な言い回しです。
千秋楽の使い方
「舞台は初日より千秋楽を観たいです」「東京公演の千秋楽を終える」「あの公演が千秋楽を迎えるね」「神送りは千秋楽の儀式です」「ロングラン公演を終え千秋楽を迎える」などの文中で使われている千秋楽は、「芝居や相撲などの興行の最後の日」の意味で使われています。
一方、「英語研修は明日やっと千秋楽を迎える」「特訓講座の千秋楽にはテストがあります」「千秋楽まで無事にたどり着けますように」などの文中で使われている千秋楽は、「物事の最後や終わり」の意味で使われています。
千秋楽には、二つの意味がありますが、もともとは能楽や相撲などの興行期間の最後の日を表しました。この意味が転じて、物事がいよいよ最後になることの意味でも使われるようになっています。また、興行期間の最後の日の意味では、「千穐楽」「千穐樂」「千龝樂」とも書き表します。
千秋楽の由来
千秋楽という言葉の由来は、諸説あります。雅楽の曲名「千秋楽」が演奏の最後に使われていたこと、「高砂」という能作品の最後に「千秋楽は民を撫で」を謡うことが多かったこと、「千秋」という言葉に長い年月という意味あることなどが千秋楽の語源と言われています。
千秋楽の対義語
千秋楽の対義語・反対語としては、最初の回や第1回を意味する「初回」、物事の始まりを意味する「端緒」、時期がきてある物事が始まることを意味する「開幕」、芝居や相撲などで興行期間の真ん中の日を意味する「中日」などがあります。
千秋楽の類語
千秋楽の類語・類義語としては、千秋楽の略を意味する「楽」、継続または反復して行われた物事の最後の回を意味する「最終回」、物事の終局の場面を意味する「大詰め」、行事や催物などが終わりになることを意味する「閉幕」などがあります。
千穐楽の意味
千穐楽とは
千穐楽とは、芝居・相撲などの興行の最後の日を意味しています。
表現方法は「千穐楽を終える」「千穐楽を迎える」
「千穐楽を終える」「千穐楽を迎える」などが、千穐楽を使った一般的な言い回しです。
千穐楽の使い方
千穐楽を使った分かりやすい例としては、「無事に千穐楽を迎える」「夏場所の千穐楽はいつですか」「大相撲千秋楽の取組結果が気になる」「初の英語による公演も千秋楽となりました」「連日大入りのうちに千穐楽を迎える」などがあります。
その他にも、「お陰様で六月歌舞伎座の千穐楽を迎えました」「ジャニーズ舞台千穐楽のチケットが取れた」「明日が春場所の千穐楽です」「千穐楽にお祝い胡蝶蘭を贈る」「大千秋楽公演を観に行きます」などがあります。
千穐楽とは、千秋楽の「秋」を異体字の「穐」に変えた言葉です。千秋楽の「秋」という文字に、火事に通じる「火」が含まれており、これが芝居小屋などにとって縁起の悪いものであるため、縁起のいい「亀」を含む「穐」を用いたものと言われています。
千穐楽の対義語
千穐楽の対義語・反対語としては、演劇や相撲などの興行物や展覧会などの最初の日を意味する「初日」、新作映画を初めて公開上映することを意味する「封切」などがあります。
千穐楽の類語
千穐楽の類語・類義語としては、千秋楽の日や興行の期間の最後の日を意味する「楽日」、演劇や小説などの最後の場面を意味する「大団円」などがあります。
千秋楽の例文
この言葉がよく使われる場面としては、芝居や相撲などの興行の最終日、物事がいよいよ最後になることを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の文中にある千秋楽は、興行期間の最終日の意味で使われています。例文5の千秋楽は、物事の終わりの意味で使われています。
千穐楽の例文
この言葉がよく使われる場面としては、芝居や相撲などの興行期間の最後の日を表現したい時などが挙げられます。
例文5にある「千穐楽」と「大千穐楽」の違いは、同一の公演が複数の地方で順に公演される場合に、各地方の最終公演が「千穐楽」と言い、全ての日程の最終公演が「大千穐楽」と言います。大千穐楽の読み方は、「おおせんしゅうらく」であり「大千秋楽」とも書きます。
千秋楽と千穐楽という言葉は、どちらも芝居や相撲などの興行期間の最終日を意味します。さらに「千秋楽」は、物事の終わりの意味でも使われることを覚えておきましょう。