【ごゆるりと】と【ごゆっくり】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「ごゆるりと」と「ごゆっくり」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」という言葉は、どちらもゆとりがあることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「ごゆるりと」と「ごゆっくり」の違い

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」の意味の違い

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」の違いを分かりやすく言うと、「ごゆるりと」は時間と空間どちらに対しても使える、「ごゆっくり」は主に時間に対して使うという違いです。

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」の使い方の違い

一つ目の「ごゆるりと」を使った分かりやすい例としては、「どうぞごゆるりとなさってください」「こちらでは気兼ねなくごゆるりとお過ごしください」「本日はごゆるりとご滞在ください」などがあります。

二つ目の「ごゆっくり」を使った分かりやすい例としては、「急ぐ必要はございませんのでどうぞごゆっくり」「満足いくまでごゆっくりおくつろぎください」「これから始まる映画をどうぞごゆっくり」などがあります。

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」の使い分け方

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」はどちらもゆとりがあることを意味している言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「ごゆるりと」は、「どうぞごゆるりとお過ごしください」「ごゆるりとお楽しみください」などのように、時間と空間どちらにも使うことができます。

一方、「ごゆっくり」は「急ぐ必要はないのでごゆっくりください」「ごゆっくりお召し上がりください」などのように、主に時間に対して使うというのが違いです。

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」の英語表記の違い

「ごゆるりと」も「ごゆっくり」も大和言葉なので直訳した英語はありませんが、近い表現として「Take your time」「Enjoy your…」「There’s no need to rush」などがあります。

「ごゆるりと」の意味

「ごゆるりと」とは

「ごゆるりと」とは、ゆったりとくつろぐことを意味しています。

「ごゆるりと」の漢字表記

「ごゆるりと」を漢字にすると「御緩と」と表記することができます。

表現方法は「ごゆるりとお過ごしください」「ごゆるりとお越しください」

「ごゆるりとお過ごしください」「ごゆるりとお越しください」「ごゆるりとお休みください」などが、「ごゆるりと」を使った一般的な言い回しになります。

「ごゆるりと」の使い方

「ごゆるりと」を使った分かりやすい例としては、「どうぞごゆるりとおやすみください」「こちらの舞台をごゆるりとお楽しみください」「当日はごゆるりとお越しください」「本日は貸し切りですのでごゆるりとお遊びください」などがあります。

「ごゆるりと」はゆったりとくつろぐことを意味する「ゆるり」に、「ご」と「と」が合わさり、丁寧な表現になった大和言葉です。大和言葉とは漢語でも外来語でもない、古来から使われている日本で生まれ日本で育った言葉のことを指しています。

「ごゆるりと」はとても丁寧な表現なので、ビジネスシーンで目上の人や旅館やホテルなどの接客業でも使うことができます。

「ごゆるりと」はゆったりとくつろぐことを、時間と空間どちらに対しても使えるというのが特徴です。例えば「どうぞごゆるりとお過ごしください」とした場合、時間的にも空間的にもリラックスしてくつろいでくださいというニュアンスになります。

「ごゆるりと」の類語

「ごゆるりと」の類語・類義語としては、物事に動ぜずゆったりと落ち着いていることを意味する「悠然と」、ゆるやかでゆとりがあることを意味する「ごゆったりと」などがあります。

「ごゆっくり」の意味

「ごゆっくり」とは

「ごゆっくり」とは、時間的にゆとりがあることを意味しています。

表現方法は「ごゆっくりお過ごしください」「ごゆっくりで大丈夫です」

「ごゆっくりお過ごしください」「ごゆっくりで大丈夫です」「ごゆっくりどうぞ」「ごゆっくり休んでください」などが、「ごゆっくり」を使った一般的な言い回しになります。

「ごゆっくり」の使い方

「ごゆっくり」を使った分かりやすい例としては、「満足いくまでどうぞごゆっくりご覧ください」「この件でしたらごゆっくりで大丈夫ですよ」「急ぎではないのでごゆっくりの対応いただければと思います」などがあります。

「ごゆっくり」は時間的にゆとりがあることを意味する「ゆっくり」に、接頭語の「ご」が合わさった丁寧な表現になります。

また、「ごゆっくり」はとても丁寧な表現なので、ビジネスシーンなどで上司や取引先などの目上の人に対して使うことも可能です。

「ごゆっくり」は主に時間に対して使うというのが特徴になります。例えば飲食店などで店員さんが、「ごゆっくりとお召し上がりください」とした場合、急ぐ必要はないのでゆっくりとお食事を楽しんでくださいというニュアンスになります。

「ごゆっくり」の類語

「ごゆっくり」の類語・類義語としては、動作や気分がゆったりしていることを意味する「ゆるゆると」、落ち着いてゆっくりと行動することを意味する「おもむろに」などがあります。

「ごゆるりと」の例文

1.こちらが本日のディナーになります。どうぞごゆるりとお召し上がりください。
2.この部屋は自由に使っていただいて問題ないので、ごゆるりとおやすみください。
3.それでは本編をごゆるりとお楽しみくださいというアナウンスと同時に、照明が落ちて辺りが真っ暗になりました。
4.本日は普段のことなど忘れて、ごゆるりとおくつろぎください。
5.この件でしたら私たちで問題なく処理できるので、ごゆるりとお休みください。
6.本日はようこそいらっしゃいました。和紅茶と店主手作りのスイーツでごゆるりとお楽しみくださいませ。
7.このカフェは本を読みながらコーヒーを楽しめるの売りですので、遠慮なくどうぞごゆるりとお過ごしください。
8.どうぞ名物の美しい温泉地で、温泉につかりながら山の景色を眺めて、ごゆるりとしたひとときをお楽しみください。
9.当温泉旅館ではゆっくりとお風呂に浸かり、くつろぎながらお好きな音楽をお楽しみいただけます。どうぞごゆるりとお過ごしください。
10.この部屋は兄が使っていた部屋ですが、自分の部屋のように気兼ねなくごゆるりとお過ごしください。

この言葉がよく使われる場面としては、ゆったりとくつろぐことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「ごゆるりと」は大和言葉でとても丁寧な表現になります。

「ごゆっくり」の例文

1.こちらは急ぎの用事ではないので、ごゆっくりでも構いませんよ。
2.夕食はお部屋に直接お持ちいたしますので、ごゆっくりとお召し上がりください。
3.仕事の方は私たちで大丈夫ですので、ごゆっくりなさってください。
4.こちらがお部屋の鍵になります。どうぞごゆっくりお過ごしください。
5.このプロジェクトは急ぎではないので、ごゆっくりで大丈夫ですよ。
6.こちらは古民家を移築した蔵造りの空間でお食事処となっています。囲炉裏を囲んで地物料理をごゆっくりとお楽しみください。
7.ショッピングモールは深夜まで営業していますので、どうぞごゆっくりとお買い物を楽しんでください。
8.部屋には快適なベッドが備えられていますので、仕事が始まるまでどうぞごゆっくりとお休みください。
9.この美術館では素晴らしいコレクションが展示されていますので、どうぞごゆっくりと作品をご鑑賞ください。
10.私はこれから仕事がありますので、お二人はどうぞごゆっくりと心ゆくまで議論をしていてください。

この言葉がよく使われる場面としては、時間的にゆとりがあることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように「ごゆっくり」はビジネスシーンでも使うことができる言葉です。

「ごゆるりと」と「ごゆっくり」はどちらもゆとりがあることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、時間と空間どちらに対しても使えるのが「ごゆるりと」、主に時間に対して使うのが「ごゆっくり」と覚えておきましょう。

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