似た意味を持つ「まちまち」と「ばらばら」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「まちまち」と「ばらばら」という言葉は、どちらも統一がなく揃っていない状態のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「まちまち」と「ばらばら」の違い
「まちまち」と「ばらばら」の意味の違い
「まちまち」と「ばらばら」の違いを分かりやすく言うと、「まちまち」は多様性を表すこと、「ばらばら」は位置や動きが揃っていない未整理の状態を表すことという違いです。
「まちまち」と「ばらばら」の使い方の違い
一つ目の「まちまち」を使った分かりやすい例としては、「アンケート結果はまちまちだった」「反応はまちまちで予想がつかなかった」「スマホの使い方は年代でまちまちです」「習慣は家庭ごとにまちまちだ」「学生の感想はまちまちだった」などがあります。
二つ目の「ばらばら」を使った分かりやすい例としては、「書類がばらばらに置かれていた」「音程がばらばらで歌にならない」「会話がばらばらで聞き取れなかった」「生徒たちはばらばらの方向へ走っていきました」「会の終了後みんなばらばらに帰った」などがあります。
「まちまち」と「ばらばら」の使い分け方
「まちまち」と「ばらばら」はどちらも統一がなく揃っていない状態のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。
「まちまち」は「参加者の意見はまちまちだった」のように、個々の内容や性質が異なることに焦点を当てた表現で、内容の多様にさに対して使われます。
一方、「ばらばら」は「雨で行事の後みんなばらばらに帰っていった」のように、まとまりが崩れて各々が離れている様子に対して使う言葉です。そのため、方向や行動が統一されていないことに重きがあります。
つまり、多様性を表すのが「まちまち」、位置や動きが揃っていない未整理の状態を表すのが「ばらばら」と覚えておきましょう。
「まちまち」と「ばらばら」の英語表記の違い
「まちまち」を英語にすると「varied」「diverse」「all over the place」となり、例えば上記の「学生の感想はまちまちだった」を英語にすると「The students’ opinions were all over the place」となります。
一方、「ばらばら」を英語にすると「scattered」「dispersed」「each went their own way」となり、例えば上記の「会の終了後みんなばらばらに帰った」を英語にすると「After the meeting, everyone went their separate ways」となります。
「まちまち」の意味
「まちまち」とは
「まちまち」とは、それぞれが同じでないことを意味しています。
表現方法は「時間がまちまち」「評価がまちまち」
「時間がまちまち」「評価がまちまち」などが、「まちまち」を使った一般的な言い回しになります。
「まちまち」の使い方
「まちまち」を使った分かりやすい例としては、「人の価値観はまちまちで面白い」「曜日によって通勤時間はまちまちだ」「子どもたちの理解度はまちまちだった」「店の営業時間は地域でまちまちです」「色の好みはまちまちなので選ぶのが難しい」などがあります。
「まちまち」は物事の内容や性質が一定でなく、ばらつきがある様子を表すオノマトペです。簡単に言うならば、人や物の状態がそろっておらず、それぞれに違いがある状況を指しています。特に、人々の意見、考え、好み、状況などに対してよく使われていると覚えておきましょう。
オノマトペとは、さまざまな状態や動きなどを音で表現すること、つまり擬声語や擬態語を意味するフランス語です。
オノマトペは主に自然界にある音や声など、現実に聞こえる音を人の言語で表現しています。また、日本語は他国語よりもオノマトペは多いと言われており、「ぴえん」以外には「うきうき」「ふさふさ」「あつあつ」「ギザギザ」「すらすら」「しゅわしゅわ」などがあります。
「まちまち」の特徴
「まちまち」は、人間関係というよりは、人や物の状態や傾向のばらつきに着目した言葉です。そのため、感情というよりも客観的な違いやばらつきを表すことが多いのが特徴です。主な対象を挙げると、意見、評価、考え、対応、事情などあります。
「まちまち」の対義語
「まちまち」の対義語・反対語としては、偏りや差がなくすべてが等しい様子のことを意味する「均一」などがあります。
「まちまち」の類語
「まちまち」の類語・類義語としては、各自が勝手に思い思いに行動している様子のことを意味する「てんでん」、多くの種類があることを意味する「様々」などがあります。
「ばらばら」の意味
「ばらばら」とは
「ばらばら」とは、大勢の人がまとまりなく動くことを意味しています。
「ばらばら」の使い方
「ばらばら」を使った分かりやすい例としては、「風で紙がばらばらに飛んでしまった」「時計の針がばらばらに動いていました」「チームの意見がばらばらだった」「荷物がばらばらに届きました」「人々がばらばらに散っていった」などがあります。
「ばらばら」の使い方
「ばらばら」はもともと一つだったものが分かれて散らばっている様子や、統一やまとまりがない状態を表すオノマトペです。簡単に言うならば、バラバラに崩れていたり、それぞれが別々の方向に動いていたりする状態のことを指しています。
「ばらばら」の特徴
「ばらばら」は人間関係にも使えますが、より広い対象に使えるのが特徴です。例えば物理的な分裂だけでなく、意見、行動、時間、気持ちなどの抽象的なものが一致していない状態に対しても使うことができます。
つまり、「ばらばら」は一体感のなさを表す非常に柔軟な言葉であると覚えておきましょう。
「ばらばら」の対義語
「ばらばら」の対義語・反対語としては、全体が一つの目的や気持ちで結びついている状態のことを意味する「一体感」などがあります。
「ばらばら」の類語
「ばらばら」の類語・類義語としては、集団や組織などが分かれてしまうことを意味する「分裂」などがあります。
「まちまち」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、それぞれが同じでないことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「まちまち」は多様性を表す時に使う言葉です。
「ばらばら」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、大勢の人がまとまりなく動くことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「ばらばら」は位置や動きが揃っていない未整理の状態を表す時に使う言葉です。
「まちまち」と「ばらばら」はどちらも統一がなく揃っていない状態のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、多様性を表すのが「まちまち」、位置や動きが揃っていない未整理の状態を表すのが「ばらばら」と覚えておきましょう。