【始める】と【初める】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「始める」(読み方:はじめる)と「初める」(読み方:そめる)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「始める」と「初める」という言葉は、どちらも何かをしはじめることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「始める」と「初める」の違い

「始める」と「初める」の意味の違い

「始める」と「初める」の違いを分かりやすく言うと、「始める」は動詞の連用形に付かなくても使える、「初める」は動詞の連用形に付いた時にしか使えないという違いです。

「始める」と「初める」の使い方の違い

一つ目の「始める」を使った分かりやすい例としては、「中国語の勉強を始める」「新しくラーメン屋を始めることにしました」「書き終えていなかった原稿を書き始める」「彼女は商売を始めました」などがあります。

二つ目の「初める」を使った分かりやすい例としては、「夜が段々と明け初める」「秋風が立ち初める」「昨日食堂で見かけた女性を一目で見初める」「夏が終わり涼しくなるとキクが咲き初める」などがあります。

「始める」と「初める」の使い分け方

「始める」と「初める」はどちらも何かをしはじめることを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「始める」は動詞の連用形に付かなくても使えるので、「これから仕事を始める」と表現することが可能ですが、「初める」は動詞の連用形に付いた時にしか使えないので、「これから仕事を初める」のような使い方をすることはできません。

つまり、「始める」は動詞の連用形に付かなくても使えるのに対して、「初める」は動詞の連用形に付いた時にしか使えないというのが違いです。

連用形とは活用する語の語形変化のうち、文中で文を中止するときの形のことを意味しています。

また、「始める」は「はじめる」と読みますが「初める」は「そめる」と読み、「はじめる」とは読まないので注意するようにしましょう。

「始める」と「初める」の英語表記の違い

「始める」も「初める」も英語にすると「begin」「start」「commence」となり、例えば上記の「彼女は商売を始めました」を英語にすると「She started a business」となります。

「始める」の意味

「始める」とは

「始める」とは、物事を行っていない状態から行う状態にすることを意味しています。その他にも、新しく起こすこと、いつものくせを出すこと、その動作が行われだすことの意味も持っています。

「始める」の使い方

「お昼ご飯を食べ終わったので作業を始める」「定年後はたこ焼き屋を始めることにしました」などの文中で使われている「始める」は、「物事を行っていない状態から行う状態にすることや新しく起こすこと」の意味で使われています。

一方、「彼はまた泣き言を言い始める」「私たちは歩き始めました」などの文中で使われている「始める」は、「いつものくせを出すことやその動作が行われだすこと」の意味で使われています。

「始める」は複数の意味を持つ言葉ですが、何か新しい物事を行なう場合に使うという共通ニュアンスを持っているというのが特徴です。

また、「学生時代プレイしたゲームが懐かしくなり、また始めることにしました」のように、一度辞めていたことをまた再開する場合にも「始める」を使うことができます。

「始める」はプラスとマイナスのイメージどちらでも使うことができる言葉です。例えば、「新規事業を始めることにしました」「ドイツ語の勉強を始める」などのように、何か新しい物事を行なう場合はプラスのイメージになります。

一方、「彼がまたいつもの愚痴を言い始める」「待遇が悪いとまた文句を言い始める」などのように、良くないと思われる言動を再開するというニュアンスで使う場合はマイナスのイメージになると覚えておきましょう。

「始める」の対義語

「始める」の対義語・反対語としては、続けてきたことを終わらせることを意味する「終える」、 続いていた物事がそこでなくなることを意味する「終わる」などがあります。

「始める」の類語

「始める」の類語・類義語としては、始めることを意味する「開始」、新しく始まることを意味する「スタート」、動き始めることを意味する「始動」、着手することを意味する「取り掛かる」などがあります。

「初める」の意味

「初める」とは

「初める」とは、何かをしはじめることを意味しています。

「初める」の読み方

「初める」の読み方は「そめる」です。「初」という漢字を使っているので「はじめる」と読んでしまいそうですが、間違った読み方なので注意するようにしましょう。また、「初めて」の場合は「はじめて」になります。

「初める」の使い方

「初める」を使った分かりやすい例としては、「彼女とは桜の花の咲き初める頃に出会いました」「友人の結婚披露宴で出会った女性に見初める」「締め切りが迫っていたので原稿を書き続けていたら夜が明け初めていた」などがあります。

「初める」は何かをしはじめることを意味しており、動詞の連用形に付いた時に使うというのが特徴です。そのため、「イタリア語の勉強を初める」のように、動詞の連用形に付いていない時には使えないと覚えておきましょう。

また、長く続くことがはじまる場合に使うので、一瞬で終わることに対しては使うことはできません。

「見初める」の意味

「初める」を使った有名な言葉としては「見初める」があります。「見初める」とは、異性を一目見て恋心を抱くことを意味しており、簡単に言うなら一目惚れということを表しています。

「初める」の類語

「初める」の類語・類義語としては、あることに手をつけることを意味する「着手」、物事をしはじめることを意味する「乗り掛かる」、物事を行っていない状態から行う状態にすることを意味する「押っ始める」などがあります。

「始める」の例文

1.戦争を始めるきっかけは、隣国が条約を破ったからです。
2.老後はアメリカに移住したいので、英語の勉強を始めることにしました。
3.定年退職後は学生時代の友人と一緒に、地元の町でお寿司屋さんを始める予定です。
4.夫は怒り始めると暴力を振るうので、離婚しようか迷っています。
5.冬が終わりだいぶ暖かくなってきたので、桜が咲き始める。
6.祖父は60になってからプログラマーとなったが、何かを始めるのに遅すぎるということはないと実感した。
7.異なる文化を理解し始めると、一気に世界が広がるものですから、子供たちにも外国に留学してほしいと思っています。
8.母親は今週からフランス語の学習を始めるので、書店で辞書やテキストを買い漁っているようでした。
9.私はそのゲームをプレイし始めてから、時間があっという間に経ってしまい、学業をおろそかにしていました。
10.友人が新しくラーメン屋を始めることにしたというので、今週末に立ち寄ってみようと考えています。

この言葉がよく使われる場面としては、物事を行っていない状態から行う状態にすることを表現したい時などが挙げられます。その他にも、新しく起こすこと、いつものくせを出すこと、その動作が行われだすことを表現したい時にも使います。

例文1と例文2の「始める」は物事を行っていない状態から行う状態にすること、例文3の「始める」は新しく起こすこと、例文4の「始める」はいつものくせを出すこと、例文5の「始める」はその動作が行われだすことの意味で使っています。

「初める」の例文

1.新発売のゲームを夢中になってプレイしていたら、いつの間にか夜が明け初めていました。
2.私は恋い初めると周りが見えなくなるので、熱中しないように気をつけようと思います。
3.お花見をしようと思っていたが、すでに桜が散り初めていたので中止することにしました。
4.冬に咲き初める花の代表と言えば、スイセンが思い浮かびます。
5.冬が終わり暖かくなってくると、マリーゴールドが咲き初める。
6.秋風が立ち初めると、木々の葉が色づき始めるが、今年の秋はまるで夏のように温かく感じられる。
7.たまたま立ち寄った食堂で見かけた女性を一目で見初め、彼は彼女に声をかけた。それがこの恋の始まりでした。
8.私はもし午前中に雪が降り初めると、子供たちがはしゃいで授業にならないことを予想しました。
9.彼は一度夢中になると、夜が明け初めていたなんてことも珍しくなかったので、体調を崩してしまった。
10.この辺は夏が終わり涼しくなると彼岸花が咲き初めて、独特の風景を楽しめることで有名です。

この言葉がよく使われる場面としては、何かをしはじめることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「初める」は動詞の連用形に付いた時にのみ使える言葉です。

「始める」と「初める」はどちらもし始めることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、動詞の連用形に付かなくても使えるのが「始める」、動詞の連用形に付いた時にしか使えないのが「初める」と覚えておきましょう。

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