【分け前】と【取り分】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「分け前」(読み方:わけまえ)と「取り分」(読み方:とりぶん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「分け前」と「取り分」という言葉は、どちらも何かを複数人で分配したときにそれぞれが受け取る分量のことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




「分け前」と「取り分」の違い

「分け前」と「取り分」の違いを分かりやすく言うと、「分け前」は比較的大きな報酬や収穫に対して使う、「取り分」は個人の権利や取り分ける行為に対して使うという違いです。

一つ目の「分け前」を使った分かりやすい例としては、「分け前を公平にするのは難しいことだ」「分け前を少なくされて怒るのも無理はない」「分け前の計算を間違えて揉めてしまった」「大きな獲物の分け前にみんなが注目している」「利益の分け前をもらった」などがあります。

二つ目の「取り分」を使った分かりやすい例としては、「取り分を減らされて腹が立った」「取り分をめぐって激しい口論がありました」「彼は取り分を人より多く欲しがる性格です」「自分の取り分を確保しておいた」などがあります。

「分け前」と「取り分」はどちらも何かを複数人で分配したときにそれぞれが受け取る分量のことを意味する言葉ですが、使い方に少し違いがあるので注意が必要です。

「分け前」は「みんなで頑張って手に入れた利益の分け前をもらった」のように、共同で得たものを全員で分配するときに使う言葉になります。比較的大きな報酬や収穫を分け合うイメージで、やや組織的・集団的なニュアンスがあります。

一方、「取り分」は「全体の中から自分の取り分を確保しておいた」のように、分配する中で自分が取るべき分、受け取る分量を指す言葉です。「分け前」より個人の権利や取り分ける行為にフォーカスした表現になります。

つまり、比較的大きな報酬や収穫に対して使うのが「分け前」、個人の権利や取り分ける行為に対して使うのが「取り分」と覚えておきましょう。

「分け前」を英語にすると「share」「portion」「cut」となり、例えば上記の「利益の分け前をもらった」を英語にすると「I got my share of the profits」となります。

一方、「取り分」を英語にすると「one’s share」「one’s portion」「cut」となり、例えば上記の「自分の取り分を確保しておいた」を英語にすると「I set aside my share」となります。

「分け前」の意味

「分け前」とは、各自に分けて与えられる分のことを意味しています。

「分け前」を使った分かりやすい例としては、「みんなで集めたお金を分け前として平等に配った」「彼は分け前を多めにもらって不満が出た」「今回の利益には僕にも分け前があるはずです」「分け前をめぐって争いが起こりました」などがあります。

「分け前」は複数人で得た利益や成果を、それぞれの貢献や取り決めに応じて分配したうちの一人分を表す言葉です。簡単に言うならば、共同で得たものを分ける際に、自分に割り当てられた取り分のことを指します。

例えば、グループで進めたビジネスの利益、仲間と協力して獲得した賞金などが「分け前」にあたります。

「分け前」は基本的に共同で得たものを公平に分ける場面や、仲間内での取り決めに基づいて配分する場面で使います。また、比較的大きな報酬や収穫を分け合うのが特徴です。

「分け前」を巡っては、時に不満や争いが生じることもあります。そのため、事前に取り決めを明確にしておくことが、トラブル防止のために大切であると覚えておきましょう。

「分け前」の類語・類義語としては、共同で得た利益や成果などを分け合うことを意味する「分配金」などがあります

「取り分」の意味

「取り分」とは、自分が取るべき分のことを意味しています。

「取り分」を使った分かりやすい例としては、「取り分をちゃんと計算して分けてください」「みんなの取り分を決めるのは意外と難しいです」「彼の取り分が多すぎると文句が出ました」「私は自分の取り分だけで満足です」などがあります。

「取り分」は複数の人で分け合うものの中から、自分が受け取るべき分のことを表す言葉です。簡単に言うならば、分配された全体の中で自分に与えられた持ち分を指しています。

「取り分」は利益の分配、会計の精算、財産や遺産の分割、さらには料理の盛り付けなど何かを分配する場面で使うことが可能で、お金以外のものに対しても使うことができるのが特徴です。

また、「分け前」より個人の権利や取り分ける行為にフォーカスした表現であると覚えておきましょう。

「取り分」の類語・類義語としては、負担や作業量を複数人で分けることを意味する「分担」などがあります。

「分け前」の例文

1.私もチームの一員なので、当然分け前をいただけると思っています。
2.みんなで頑張って達成した目標ですから、分け前も全員に均等に配られます。
3.今回の仕事が成功したおかげで、私にも少しですが分け前がありそうです。
4.約束した分け前がまだ届かないので、確認をお願いしたいと思います。
5.分け前を巡ってのトラブルは避けたいので、あらかじめ取り決めをしておきます。

この言葉がよく使われる場面としては、各自に分けて与えられる分のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「分け前」は比較的大きな報酬や収穫に対して使う言葉です。

「取り分」の例文

1.皆さんで作業を分担したので、当然取り分も平等であるべきだと思います。
2.取り分を先に決めておくことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
3.お手伝いしてくれた分、あなたの取り分も増えることになります。
4.取り分が予想以上に多かったので、家族で外食を楽しみました。
5.誰にどれだけの取り分があるのかを、はっきり伝えておくことが大切です。

この言葉がよく使われる場面としては、自分が取るべき分のことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、「取り分」は個人の権利や取り分ける行為に対して使う言葉です。

「分け前」と「取り分」はどちらも何かを複数人で分配したときにそれぞれが受け取る分量のことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、比較的大きな報酬や収穫に対して使うのが「分け前」、個人の権利や取り分ける行為に対して使うのが「取り分」と覚えておきましょう。

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