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【趣味嗜好】と【趣味趣向】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「趣味嗜好」(読み方:しゅみしこう)と「趣味趣向」(読み方:しゅみしゅこう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分けを参考にしてみてください。

「趣味嗜好」と「趣味趣向」という言葉は、どちらも趣味に意味合いを加えた言葉という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




趣味嗜好と趣味趣向の違い

趣味嗜好と趣味趣向の意味の違い

趣味嗜好と趣味趣向の違いを分かりやすく言うと、趣味嗜好というのは、個人的に好きなこと全般を意味していて、趣味趣向というのは、趣味の雰囲気や方向性のことを意味しているという違いです。

趣味嗜好と趣味趣向の使い分け方

趣味嗜好とは、個人な趣味、好みのことです。趣味嗜好は趣味と嗜好という二つの言葉から成る言葉です。辞書では多くの場合、別々の項目に分かれて載っています。どちらも個人的に好きなことを意味する言葉ですが、意味は少し違います。

趣味と嗜好は、どちらも「好み」を意味しますが、実は使い分けがあります。単に個人的な好みのことが嗜好で、周囲から見られ判断される好みのことが趣味です。「趣味趣向」と重ねることによって、指し示すことの出来る好みの対象の範囲が広がっています。

嗜好についてもう少し掘り下げると、嗜好という言葉は主に飲食物について言われます。「味音痴」や「馬鹿舌」という罵り言葉がありますが、味覚のよしわるしは客観的に判断することが出来ない個人的なものですから、嗜好が使われます。

コーヒー、炭酸飲料、酒、たばこなどの「嗜好品」のことを考えると、分かりやすくなります。またファッションブランドの好みや、雑誌の好みも嗜好と言えます。嗜好品が正しく、趣向品は間違いだということに気を付けるようにしましょう。

もう一つの趣味というのは、周囲から見られ判断される好みのことです。そのため、何らかの行動に表れる場合が多いです。例えば音楽の演奏や芸術鑑賞を挙げることが出来ます。

「私の趣味は」という表現は使われますが、「私の趣向は」という表現は普通は使われないことに注意しましょう。

次に、趣味趣向も趣味と趣向の二つの言葉から成り立つ言葉で、辞書では多くの場合、別々に載っています。

趣向というのは、「趣き」(読み方:おもむき)や考えの方向性、傾向という意味です。趣味全体の雰囲気や方針、趣味に対する取り組み方、工夫のことです。

例えば「いつもとは趣向を変えてみた」や「趣向を凝らしてみる」といった表現があります。この場合の主眼は、ただ細部に手を加えて調整するというよりも、全体の雰囲気や印象を変えてみることにあります。趣向には、このように工夫するという意味もあります。

このように趣向というのは、全体として持っている「面白み」や「味わい」のことや、その「面白み」のために創意工夫することと考えると分かりやすくなります。

趣味趣向という言葉は、趣味という言葉が示す「好みの対象」だけではなく、趣味が発する雰囲気、趣味のやり方や工夫という意味合いを持つ、広い言葉です。

趣味嗜好の意味

趣味嗜好とは

趣味嗜好とは、個人的に好きなこと、たしなんでいることを意味しています。

趣味が物作りや鑑賞などの行為に対する愛好で、嗜好が主に飲食物の好みのことを意味しています。

嗜好の嗜の字は、「嗜む」(読み方:たしなむ)ことを意味しています。常用漢字ではないので、普通はひらがなで表記されます。「酒をたしなむ」や「ピアノをたしなむ」などのように使われます。

嗜好が主に飲食物に対して使われる言葉であるのに対して、「たしなむ」の場合には芸事にも使われます。ただし「芸事をたしなむ」場合には、愛好しているというよりも、その道に通じている、心得があるということを意味しています。

趣味も嗜好も、普通は仕事と関係のないものです。そのため、趣味の対義語・反対語の代表的なものが、仕事や実利、実益です。しばしば「趣味と実益を兼ねた」と言われますが、それは趣味と実利ないし実益が本来は結びつかないからこその表現です。

表現方法は「趣味嗜好が変わる」「趣味嗜好が似ている」「趣味嗜好が合う」

「趣味嗜好が変わる」「趣味嗜好が似ている」「趣味嗜好が合う」などが、趣味嗜好を使った一般的な言い回しです。

趣味嗜好の使い方

趣味嗜好を使った分かりやすい例としては、「趣味嗜好が変わるくらい好きな女性が出来た」「趣味嗜好が似ている人と友達になりたい」「妻とは趣味嗜好が合うので一緒に趣味を楽しむことが出来る」などがあります。

趣味嗜好の類語

趣味嗜好の類語・類義語としては、ある物事に対する過度な愛着を意味する「偏愛」や「偏好」などがあります。

嗜好の嗜の字を使った言葉としては、高熱などでずっと睡眠状態にあることを意味する「嗜眠」、特定の食べ物を好んで主観的に食べることを意味する「嗜食」、好きなことを好きなようにやることを意味する「嗜欲」などがあります。

趣味趣向の意味

趣味趣向とは

趣味趣向とは、趣味全体の雰囲気、趣味の方向性、趣味とその工夫を意味しています。

趣味とは、単なる「味の好み」や「柄の好み」というよりは、習慣的に好んで行うことを意味しています。そのため、やり方や方針などが意図的ではないにせよ次第に定着していくものです。そうした趣味に付随する方針や工夫、雰囲気を総称して「趣向」と呼びます。

趣味趣向の類語

趣味趣向の類語・類義語としては、あるものに慣れ親しんで心がそれから離れられないことを意味する「愛着」、一つのことに入れ込むあまり他が見えなくなることを意味する「没頭」、仕事以外の趣味などに没頭することを意味する「道楽」などがあります。

趣向と似た言葉として、「志向」(読み方:しこう)があります。これは意識や感情などが何かを目指していることを意味する言葉です。「上昇志向」や「芸術家を志向する」というように使われます。

趣味嗜好の例文

1.世代別の趣味嗜好を分析して、ビジネスに活用する。
2.彼女とは趣味嗜好が一致していたはずなのに、見解が相違して議論になった。
3.僕の趣味嗜好について、他人にとやかく言われる筋合いはない。
4.一般に、年齢を重ねるにつれて、落ち着いたものを好むように趣味嗜好が変化していく。
5.スポーツの秋や読書の秋など、毎年秋という季節になると趣味嗜好を試されている気分になる。
6.歳を取って趣味嗜好が変化したのか、原色で派手なファッションを好んで着るようになった。
7.他人の好きなものは自分の嫌いなものだったりするわけで、趣味嗜好は人それぞれなんだよね。
8.同級生とは音楽の趣味嗜好が似ているので、それがきっかけでよく遊ぶようになりました。
9.二人は愛し合っていたが、趣味嗜好があまりに違うので、ときに衝突することもあった。
10.私はご当地マンホール巡りが好きだが、その趣味嗜好を理解してくれる人は、少なくとも周りにはいない。

この言葉がよく使われる場面としては、具体的な好み、好みの対象を表現したい時などが挙げられます。

趣味と嗜好は違う種類の好みを表しますから、「趣味嗜好」と重ねることで指し示す範囲が広くなります。趣味趣向は好みの対象を指し示す言葉なので、例文2のように、趣味嗜好は一致していても「趣向」が異なる時もあります。

趣味趣向の例文

1.趣味趣向の一致する友人とは楽しく過ごせる。
2.ゲストの趣味趣向に即して、夕食のメニューを決定することにした。
3.恋人の趣味趣向に合わせて、部屋内装を変えてみたんだ。
4.彼は会う度に雰囲気がガラリと変わっている。服装の趣味趣向の変化が激しい。
5.送られてきた絵葉書の写真から、彼女の今現在の趣味趣向を伺うことができた。
6.趣味趣向が同じでも、よくよく聞けばこだわりが違っていたり地雷があったりするので、安易に相手の趣味に踏み込んではいけない。
7.部長が最近新築した自宅を祝いに訪れてみると、木材を多く使った温かみのある内装で、自然を愛好する部長の趣味趣向に合っているなと感じた。
8.SNSは趣味趣向が似たりよったりになりがちなので、まったく違う人のアカウントもフォローするようにしている。
9.ここに集まった人達は年齢も趣味趣向もバラバラで、これからどうやってまとめれば良いのか頭を抱えていた。
10.趣味趣向が多様化したこの時代、バーチャル世界が場所も時間も超えて、あなたを価値観の合う人と繋げてくれるでしょう。

この言葉がよく使われる場面としては、趣味の全般的な雰囲気や方向性を表現したい時などが挙げられます。例文1のように、「趣向」も重なる人同士であれば、お互いに自然と気持ちが通じ合うことでしょう。

また、趣味が具体的に何か特定される必要はなく、趣味の大まかな輪郭という意味で使うことが出来る点が、「趣味嗜好」との違いです。上に挙げた例文の多くは、趣味趣向を雰囲気程度の弱めの意味で使っています。

言葉の使い方の例文
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