似た意味を持つ「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」(読み方:こいのたきのぼり)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」という言葉は、どちらも勢いが良いことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」の違い
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」の意味の違い
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」の違いを分かりやすく言うと、「うなぎのぼり」は物や物事に対して使うことが多い、「鯉の滝登り」は人に対して使うことが多いという違いです。
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」の使い方の違い
一つ目の「うなぎのぼり」を使った分かりやすい例としては、「気温がうなぎのぼりで上昇しているので外に出るのがつらいです」「動画のアクセス数がうなぎのぼりだがどこかで紹介されたのだろうか」「ガソリンの価格がうなぎのぼりだ」などがあります。
二つ目の「鯉の滝登り」を使った分かりやすい例としては、「鯉の滝登りのように出世することを夢見ています」「鯉の滝登りをするために上司に媚を売る」「彼は鯉の滝登りのように出世しました」などがあります。
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」の使い分け方
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」はどちらも勢いが良いことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「うなぎのぼり」は物や物事に対して使うことが多く、「鯉の滝登り」は人に対して使うことが多いという点です。
ただし、あくまで多いだけなので、「うなぎのぼり」を人に使ったり、「鯉の滝登り」を物や物事に対して使っても問題ありません。
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」の英語表記の違い
「うなぎのぼり」を直訳した英語はありませんが、近い表現として「go through the roof」「soar」などがあり、例えば上記の例えば上記の「ガソリンの価格がうなぎのぼりだ」を英語にすると「The gas prices have gone through the roof」となります。
一方、「鯉の滝登り」を直訳した英語はありませんが、近い表現として「climb」「leap」などがあり、例えば上記の「彼は鯉の滝登りのように出世しました」を英語にすると「He leap straight to the top」となります。
「うなぎのぼり」の意味
「うなぎのぼり」とは
「うなぎのぼり」とは、物価や評価などが見る間に上がることを意味しています。
「うなぎのぼり」の漢字表記
「うなぎのぼり」を漢字にすると、「鰻上り」や「鰻登り」と表記することができますが、あまり一般的ではありません。余程の理由がない限り、ひらがなの「うなぎのぼり」を使うようにしましょう。
「うなぎのぼり」の使い方
「うなぎのぼり」を使った分かりやすい例としては、「映画での演技が評価されて、彼女は人気はうなぎのぼりです」「彼はワールドカップで活躍したため市場価格はうなぎのぼりだ」「新社長になってからは業績はうなぎのぼりです」などがあります。
「うなぎのぼり」は気温、物価、評価などが見る間に上がったり、物事の件数や回数が急激に増えたりすることを意味する言葉です。
例えば、物事の良し悪しを数値や評価で判断するケースは多くあり、これらの数値や評価などが何らかの関係で勢いよく上昇した場合に「うなぎりのぼり」と表現します。
また、「うなぎのぼり」はプラスとマイナスどちらのイメージでも使うことが可能です。
例えば、「彼はワールドカップで活躍したため評価はうなぎのぼりだ」となればプラスのイメージになりますし、「交通事故件数がうなぎのぼりなので何か対策をしなければならない」となればマイナスのイメージになります。
「うなぎのぼり」の語源
「うなぎのぼり」の語源は「うなぎ」で、二つの説があると言われています。一つ目は、うなぎを掴もうとすると手からすべり抜けて上へ登ることが転じたという説です。二つ目はうなぎは川の強さに関係なく真っ直ぐに登るので、これが転じたという説になります。
「うなぎのぼり」の類語
「うなぎのぼり」の類語・類義語としては、物価などがひどく上がることを意味する「高騰」、数値などが急激に上昇することを意味する「急上昇」、物価や相場などが急激に上がることを意味する「急騰」などがあります。
「鯉の滝登り」の意味
「鯉の滝登り」とは
「鯉の滝登り」とは、勢いが良いことを意味しています。
「鯉の滝登り」の使い方
「鯉の滝登り」を使った分かりやすい例としては、「彼は鯉の滝登りのように出世して副支店長になりました」「鯉の滝登りのように出世するのはそう簡単ではありません」「このままの環境でいたら鯉の滝登りなどできるはずない」などがあります。
「鯉の滝登り」は勢いが良いことや立身出世することを意味することわざです。また、出世や勢いが良いことを表すのに使うので、基本的にはプラスのイメージで使う言葉と覚えておきましょう。
「鯉の滝登り」の由来
「鯉の滝登り」の由来は「鯉」で、中国の故事が発祥になります。中国の黄河には上流にある滝、竜門を登ることのできた鯉は竜になるというという伝説がありました。この鯉が竜に変化することを出世に例えたのが「鯉の滝登り」になります。
「鯉の滝登り」を使った有名な言葉としては、「及ばぬ鯉の滝登り」があります。「及ばぬ鯉の滝登り」とは、どんなに努力しても目的を達成することは不可能なことを意味しています。したがって、「鯉の滝登り」とは真逆で、マイナスなイメージでしか使わない言葉になります。
「鯉の滝登り」の類語
「鯉の滝登り」の類語・類義語としては、社会的に高い地位を得て世に認められることを意味する「立身出世」、職務上の地位や官位などが上がることを意味する「昇進」、格式や階級などが上がることを意味する「昇格」などがあります。
「うなぎのぼり」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物価や評価などが見る間に上がることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「うなぎのぼり」は物や物事に対して使うことが多い言葉です。
「鯉の滝登り」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、勢いが良いことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「鯉の滝登り」は人に対して使うことが多い言葉です。
「うなぎのぼり」と「鯉の滝登り」はどちらも勢いが良いことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、物や物事に対して使うことが多いのが「うなぎのぼり」、人に対して使うことが多いのが「鯉の滝登り」と覚えておきましょう。