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【人望】と【人徳】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「人望」(読み方:じんぼう)と「人徳」(読み方:じんとく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分けを参考にしてみてください。

「人望」と「人徳」という言葉は、どちらも人柄の素晴らしさを意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




人望と人徳の違い

人望と人徳の意味の違い

人望と人徳の違いを分かりやすく言うと、人望というのは、人々から信頼され、慕われていることを意味していて、人徳というのは、ある人に備わる、主に道徳的・倫理的・社会的な卓越した気質を意味しているという違いです。

人望と人徳の使い分け方

人望というのは、周囲の人々から信頼され、慕われているという意味です。仕事で成果を上げることで周囲からの信頼を得ることは出来ますが、慕われるためには、仕事上の能力だけでは不十分です。仕事は任せられるけれども嫌な人、ということも考えられます。

能力だけでなく、人柄に対しても信頼を寄せられてはじめて、慕われると言えます。なので「人望がある人」は、「人格的にも能力的にも周囲から信頼されている人」のことを意味しています。

次に、人徳というのは、人に備わる徳のことを意味しています。徳というのは、卓越した性質や性格のことを意味する言葉で、主に人柄や知性、物事への取り組み方などについてすばらしいことを、「人徳」という言葉で表現します。

このような説明から分かるように、人望と人徳は表現する状況が重なることも多いです。例えば、選手たちから「人望」を集めるチームの監督は、「人徳」があるからこそ人望を集められている、というような場合を考えてみてください。

表現する状況は重なりますが、今の説明から分かるように、人望と人徳は何に意味の重きを置くかが異なります。「人望」は、ある人物を取り巻く状況を指示していて、「人徳」は、ある人物が自分自身で備え持っている内面的なものを指示しています。

人望の意味

人望とは

人望とは、周囲から信頼に値する人物だと評価され、慕われることを意味しています。「人望を集める人」は、能力だけではなく、人格も優れています。求められている仕事が出来るだけでは、信頼されたり、慕われたりすることはないからです。

人望の語源

人望の望という字は、ふつう「こうしたい」「こうあって欲しい」という「気持ち」を表現するものとしてイメージされますが、「海を望むバルコニー」のように、「遠くを眺める」の意味があります。

「周囲の人びとが、ある人のことを高みにいるかのように眺めている」というように考えると、「人望」という言葉が状況を表現していることが分かりやすくなります。

表現方法は「人望がない」「人望を失う」「人望を集める」

「人望がない」「人望を失う」「人望を集める」「人望がある」「人望が厚い」などが、人望を使った一般的な言い回しです。

人望の使い方

人望を使った分かりやすい例としては、「他の人の仕事を手伝わない彼は社内の人からの人望がない」「怒りの感情を出せば出すほど周りの人からの人望を失うことになるだろう」「仕事が出来ても人間力がなければ人望を集めることは出来ない」などがあります。

人望の対義語

人望の対義語・反対語としては、悪い噂、悪い評判のことを意味する「悪評判」、悪い噂が広まり、敬遠されていることを意味する「悪名高さ」、人望がないことを意味する「不人望」などがあります。

人望の類語

人望の類語・類義語としては、厚く信頼されていることを意味する「信望」、大勢の人々から寄せられる期待や信用のことを意味する「衆望」、世間や社会といった広い範囲にわたる人望のことを意味する「名望」「声望」などがあります。

人望の人の字を使った別の言葉としては、主に職務などにおける人と人の繋がりや、いわゆる顔の広さを意味する「人脈」、世の中の人を意味する「世人」、人間同士の秩序関係を意味する「人倫」などがあります。

人徳の意味

人徳とは

人徳とは、人に備わる気質のうち、特に道徳性・倫理性・社会性などに関する素晴らしい気質のことを意味しています。

人徳の語源

人徳の徳という字は、ある人が自分自身で持っている卓越した性質のことを意味します。特に性格や知性など、魂に関わるものと考えると分かりやすくなります。

人徳の使い方

人望と違って、人徳という言葉自体には周囲の人の信頼という意味合いはありませんが、道徳的・倫理的・社交的に優れた人は周囲から尊敬を集めます。ある人に「人望がある」状況は、その人に「人徳」があるからだ、と考えると良いです。

同じ「じんとく」という読み方をする言葉として、「仁徳」があります。こちらは他人に対する思いやり、いつくしみの心を意味する言葉で、「人徳」とは少し意味が違います。「仁」とは、儒教における最高徳目で、社会規範や共生に関わる徳とされています。

表現方法は「人徳がない」「人徳に恵まれる」「人徳が高い」

「人徳がない」「人徳が高い」「人徳に恵まれる」などが、人徳を使った一般的な言い回しです。

人徳の類語

人徳の類語・類義語としては、徳があることを意味する「有徳」「高徳」、他人の言動を受け入れる広い心を意味する「度量」「寛容」、ある事を行う上でふさわしい、卓越した能力を意味する「器量」などがあります。

人望の例文

1.人望を得るためには、無理をして凄いことする必要はない。人をがっかりさせないようにすればいい。「誉あらんより誹りなかれ」だよ。
2.「人望がある人はモテる」と雑誌で読んだのを鵜呑みにしたのが、彼の間違いだった。
3.人望がない社長が、また従業員のモチベーションを下げるようなスローガンを出してしまった。
4.僕は好きでも嫌いでもないけれど、課長の人望の厚さには平服するものがある。
5.仕事ができても人望を集めるとは限らないということは、彼を見ているとよくわかる。
6.課長は仕事はできるが人望がないので、特に厳しくされていた同僚は退職後、私や部長、後輩は結婚式に招待してくれたが彼女のことは呼ばなかった。
7.人望がないと嘆いている同僚だが、挨拶もまともにしない人に信頼をよせろと言う方が無理ではないだろうか。
8.彼は人望があるので周りが放っておくワケがなく、困っていると必ず助けてもらえる。
9.男は仕事のキャリアが浅く、人望があまりないため、しばらくは実績づくりをしなくてはならないだろう。
10.彼女は何よりも住民の事を優先的に考えるため、彼らからの人望は非常に厚い。

この言葉がよく使われる場面としては、ある人が慕われ、頼られる状況を表現したい時などが挙げられます。「人望がある」だけでなく、「人望を得る」「人望が厚い」「人望を集める」などの使い方を覚えておきましょう。

結びつく言葉の一致から、「人気を得る、集める」という言葉を連想した人がいるかもしれません。「人気」よりも「人望」の方が、人間関係が密だと考えると違いが分かりやすくなります。「人気タレント」と「人望のある人」の違いを考えてみてください。

人徳の例文

1.個性的で我の強い面々が集まっているこのチームが一つにまとまってやってこれたのも、ひとえに監督の人徳のなせる業だ。
2.彼女の人徳を慕って集まったたくさんの教え子たちが、さまざまな場所で活躍している。
3.人づてに聞く彼の話は、彼が人徳に恵まれることを示すエピソードばかりだった。
4.「人徳を得るにはどうすればいいかって、そんなのどういう徳を積みたいかによるでしょ」と、彼女は冷めた口調で僕の質問に答えた。
5.今苦労しているのも人徳を積むためだと思えば我慢できる。昔の人はこう思っていたらしいけれど、今の時代の人達は果たしてどうだろう。
6.今までさまざまな困難があっても乗り越えてきたのは、彼の努力によるのももちろんですが、人徳があるから周囲の人たちが助けてくれたのでしょう。
7.トラブルがあった時、部門の垣根を超えてこれだけの人が彼女を助けてくれるのは、彼女の人徳というより他ない。
8.村長が亡くなった時に、村の人々に生前の話を聞いてみたが、人徳のあるお方だったと故人を偲んでいる姿が印象的であった。
9.先代の社長は人徳があり人柄は申し分ない方だったが、経営手腕は精彩を欠くことがよくあった。
10.先生は人徳に優れていたので、周りにはいつも先生を慕う弟子たちが集まっていました。

この言葉がよく使われる場面としては、ある人の人柄が素晴らしく、周囲に影響を与えていることを表現したい時などが挙げられます。「単なるいい人」ではなく、一本芯が通っているような、骨太の人柄と考えることが出来ます。

例文1から3は、ある人の人徳の下に人びとが集まっていることを表現しているものです。特に例文1の「人徳のなせる業」という表現は、褒め言葉として使い勝手が良いので覚えておくと重宝します。

言葉の使い方の例文
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