同じ「きゅうこう」という読み方の「休講」と「休校」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「休講」と「休校」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。
休講と休校の違い
休講と休校の意味の違い
休講と休校の違いを分かりやすく言うと、休講とは授業が休みになること、休校とは学校が休みになることという違いです。
休講と休校の使い方の違い
一つ目の休講を使った分かりやすい例としては、「都合により明日の授業は休講です」「毎日、休講情報を確認して下さい」「臨時休講のお知らせです」「韓国語レッスンは本日休講です」「午前の授業が休講になります」などがあります。
二つ目の休校を使った分かりやすい例としては、「暴風警報により臨時休校とする」「政府は全国の学校に休講要請した」「東京都は緊急事態宣言下でも休校にしない方針だ」「台風の影響で休校になる可能性は高いと思う」などがあります。
休講と休校の使い分け方
休講と休校という言葉は、どちらも「きゅうこう」と読み、学校の授業がない状態を表しますが、意味や使い方には違いがあります。
休講とは、ある授業が休みになることを意味します。教師が病気であったり、出張で不在のために予定していた授業が行えない時などに使われる表現です。大学機関やカルチャースクールなどで用いられています。
休校とは、学校自体が休みになることを意味します。気象警報の発令、交通機関の不通、あるいは伝染病の流行などが原因となって学校を一時的に閉鎖することです。主に、小学校、中学校、高校で用いられる言葉です。
休講と休講という言葉は、意味や使い方が異なる同音異義語のため、互いに置き換えて使うことは出来ません。
休講と休校の英語表記の違い
休講を英語にすると「no lectures」「cancellation of a class」となり、例えば上記の「明日の授業は休講です」を英語にすると「tomorrow’s lecture is canceled」となります。
一方、休校を英語にすると「closure of school」「school closings」となり、例えば上記の「臨時休校」を英語にすると「temporary school closing」となります。
休講の意味
休講とは
休講とは、教師が講義を休むこと、講義がないことを意味しています。
休講の使い方
休講を使った分かりやすい例としては、「感染症流行により大学の休講が続いている」「休業日でも学校の図書館は利用できます」「休講のお知らせがHPに出た」「最新の休講情報を見ていなかった」「今日の4コマ目は自主休講にする」などがあります。
その他にも、「レッスン休講のお知らせがメールで届く」「中国語レッスンが休講になった」「休講中の課題を出します」「天候不良により臨時休講となる」「休講や補講、教室変更は各自確認すること」などがあります。
休講という言葉の「講」とは、学問や技芸を授け与える「講義」を表します。休講とは、講義が休みになることであり、教師や講師が都合により予定していた講義をしないことを意味します。小中高では使われず、大学機関やカルチャースクール等で使われる表現です。
「自主休講」の意味
上記の例文にある「自主休講」とは自主的に休講にすることであり、つまりは授業をサボることを意味します。主に大学生の間で用いられる俗語です。
表現方法は「全学休講」「休講のお知らせ」「休講する」
自主休講以外では「全学休講」「休講のお知らせ」「休講する」などが、全学休講を使った一般的な言い回しです。
休講の対義語
休講の対義語・反対語としては、講義のために出向くことを意味する「出講」、講義や講習を始めることを意味する「開講」などがあります。
休講の類語
休講の類語・類義語としては、講義や講習などを終えることを意味する「閉講」、国会が議決によって会期中に一定期間活動を休止することを意味する「休会」、会議を一時中止することを意味する「停会」などがあります。
休校の意味
休校とは
休校とは、学校が授業を行わないで休みにすることを意味しています。
表現方法は「休校になる」「休校になってほしい」「休校があける」
「休校になる」「休校になってほしい」「休校があける」などが、休校を使った一般的な言い回しです。
休校の使い方
休校を使った分かりやすい例としては、「交通機関が不通になった場合も休校措置を取ります」「政府は全国一斉に休校要請しない方針です」「新型コロナウイルスの影響で休校になった」「状況によっては休校になる可能性があります」などがあります。
その他にも、「学校はインフルエンザによる休校措置を決めた」「文部科学省は小中高の臨時休校を要請した」「沖縄市教育委員会は小中学校の休校を決めた」「札幌市は休講延長はしない方針です」「コロナ感染が怖いので自主休校させます」などがあります。
休校とは、教育機関である学校を一時的に閉鎖して授業を休止する状態を言います。休校は、自然災害で学校が開けない状態であったり、生徒の安全を確保するために行われます。また、疫病流行などで感染者を増やさないために休校措置が取られることもあります。
「自主休校」の意味
上記の例文にある「自主休校」とは、学校側が決めた休校ではないのに、自主的に学校を休むことを意味します。新型コロナウイルスの感染者が全国で増加する中、感染リスクへの不安から保護者が子供を自主休校させる事例が相次ぎました。
「同盟休校」の意味
休校という言葉を用いた日本語には「同盟休校」があります。 学生や生徒が学校側に何らかの要求を掲げ、一致団結して授業を受けないことを意味する言葉です。「学生ストライキ」とも言います。
休校の対義語
休校の対義語・反対語としては、大学を開設し教育活動を始めることを意味する「開学」、停学や休学していた学生が再びもとの学校に復帰することを意味する「復学」などがあります。
休校の類語
休校の類語・類義語としては、学校が校則に違反した学生に対し一定期間登校を停止することを意味する「停学」、学生や生徒が在籍のまま学校を長期間休むことを意味する「休学」、大学の経営をやめ閉校することを意味する「閉学」などがあります。
休講の例文
この言葉がよく使われる場面としては、講師が休んで講義をしないこと、講義のないことを表現したい時などが挙げられます。
例文3にある「全学休講」とは、全ての授業が休講になることを意味し、主に大学機関で使われる言葉です。自然災害や交通機関の運休あるいは感染症流行により、授業の実施に大きな支障があると判断された場合に実施されます。
休校の例文
この言葉がよく使われる場面としては、学校の授業を一時的に休みにすることを表現したい時などが挙げられます。
例文2にある「臨時休校」とは、あらかじめ定められた休日以外の日に学校を休みにすることです。「臨時」には、その時々の事情に応じて行うことの意味があります。例文4では、政府機関から全国の学校に対して休校する必要があると強く求めることを「休校要請」と表現しています。
休講と休校という言葉は、どちらも「きゅうこう」と読む同音異義語です。どちらの言葉を使うか迷った場合、授業が休みになることを表現したい時は「休講」を、学校自体が休みになることを表現したい時は「休校」を使うようにしましょう。