似た意味を持つ「手法」(読み方:しゅほう)と「方法」(読み方:ほうほう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「手法」と「方法」という言葉は、どちらも何かを達成するためのやり方という意味を持つ共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
手法と方法の違い
手法と方法の意味の違い
手法と方法の違いを分かりやすく言うと、芸術作品などの表現技法のことか、目的達成のためのやり方のことかの違いです。「手法」は英語で表現するところの「Skill」(スキル)に近く、「方法」は「Method」(メソッド)に近い言葉です。
手法と方法の使い分け方
手法というのは、物事のやり方の中でも、特に芸術作品や文化的な作品などについて、それらを作る方法や技法のことを指している言葉です。一般的な物事に対して使われる言葉ではなく、技巧や技法という言葉でも言い換えることの出来るものです。
一方の方法というのは、目的がはっきりとしている状態で、その目的を達成するためのやり方や物事の進め方のことを言います。何かを実現させるための具体的な手段のことを「方法」と呼ぶのだと考えると分かりやすいでしょう。
方法という言葉で表現されるものは、具体的であり、あまり変化しない物事であるのが一般的です。例えば、パスポートを取る方法や、公共交通機関を使う方法などはあまり変化しません。これらの方法が頻繁に変わってしまては利用者が混乱してしまいます。
方法というのは、ある一定のやり方が定着していることが多いものです。それに対して、手法というのは、作品ごと、作者ごとに違うものであるのが一般的です。
作者によっては、今回の作品は日本画の手法で、次回は油絵の手法で、というように表現したいものによって最適な手法を選び、変化させることもよくあることです。
反対に、伝統的な技術を大切にしている伝統工芸や伝統的な芸能などでは、定着している手法が長年守られたりしていることもあります。
手法と方法という言葉は、どちらも目的を達成するためのやり方であるという共通点がありますが、芸術や伝統の分野について表現したい時には「手法」、それ以外のものについては「方法」と表現するのだと覚えておくようにしましょう。
手法の意味
手法とは
手法とは、物事のやり方の中でも、特に芸術作品などを作る方法や技法のことを意味しています。表現方法の一種であったり、伝統的な技法であったりするものを手法と呼びます。類語には、絵を描く方法を意味する「画法」や「描法」などの言葉があります。
手法とは、芸術や文化的な活動の分野で使用される言葉です。物事のやり方の中でも技巧や技法と呼ばれるようなものを「手法」という言葉で表現します。手法は方法と違って、目的がはっきりしているわけではないこともあります。
手法というのは、方法とは違って具体的な筋道があるものばかりではありません。方法が具体的であまり変化しないのに対し、手法は試行錯誤をしながら確立していくようなものであるということが出来ます。
このように、手法というのは、表現などをする際のひとつのやり方であるということが出来ます。人によっても作品によっても、その手法は異なるものです。
例えば、油絵を描く際に日本画の手法を取り入れたり、普段は写実的な絵を描く作家が抽象的な手法を取り入れたりという風に、手法というのはその時々で変化するものです。
伝統芸能などでも、歌舞伎の演目に漫画作品の要素を取り入れて、若い人にもわかりやすい手法で公演を行ったりすることもあります。また、日本酒や味噌、醤油など、製造方法が伝統的な場合も、それらの作り方を伝統的手法などと表現したりします。
手法の英語表記
手法という言葉は、英語で「Skill」(スキル)という単語で表現されます。この言葉は、技量や技術、才能というような意味も持つ言葉です。
手法の語源
手法の「手」という字は、腕前ややり方、技芸に優れた人という意味を持つ漢字です。つまり、手法というのは、その漢字の意味でだけ考えると「ある決まったやり方の腕前が優れている人」という意味になります。
表現方法は「手法をとる」「手法を用いる」「手法的」
「手法をとる」「手法を用いる」「手法的」などが、手法を使った一般的な言い回しです。
手法の使い方
手法を使った分かりやすい例としては、「どちらの手法をとるのか気に任せるよ」「この手法を用いて次はやってみてください」「これは手法的に間違っている」などがあります。
手法の類語
手法の類語・類義語としては、技術上の方法を意味する「技法」、物事の処理をするための方法を意味する「技術」、絵を描く技法を意味する「画法」などがあります。
手法の「手」という字を使った単語としては、物事をうまく処理していく能力を意味する「手腕」、仕事の手助けをする人を意味する「助手」、直接に相手に渡すことを意味する「手交」などがあります。
方法の意味
方法とは
方法とは、物事のやり方の中でも、特に目的を達成するためのやり方や進め方のことを意味しています。哲学用語では、真理に到達するための考え方や進め方について「方法」と表現するとされています。
類語には、何かを実現させる手立てを意味する「手段」や「仕方」などの言葉があります。方法とは、目的を実現させるためのやり方のことを意味しています。
何をするべきか、目的がはっきりとわかっている場合に「方法」という言葉を使うのだと考えると分かりやすいでしょう。
方法というのは、手段という言葉と近い意味を持っています。手段というのが、具体的な行為や方策のことを指すのに対し、方法というのはそうした手段を総合して、効果的に利用することを意味します。
方法は、明確に通る道が定められているのが一般的です。状況に応じて筋道が変わるようなものではなく、いつでも同じ方法で目的を達成できることが大切です。
例えば、なにかの手続きをする方法、予約をする方法などは、明確に定められていなくては利用者側が困ってしまいます。また、方法がころころと変わってしまっても、利用者を混乱させてしまうことになります。
このように、方法というのは、ある程度普遍的であり、明確でわかりやすいことが必要になるものです。
方法の英語表記
方法という言葉は、英語で「Method」(メソッド)という単語で表現されます。この言葉は元々「道に従う」という意味を持つものです。
方法の語源
方法の「方」という字は、複数ある物事のうちのひとつや、何かのやり方という意味を持つ漢字です。つまり、方法というのは、その漢字の意味でだけ考えると「手本となるようなやり方」という意味になります。
表現方法は「方法をとる」「方法を考える」「方法がない」
「方法をとる」「方法を考える」「方法がない」などが、方法を使った一般的な言い回しです。
方法の使い方
方法を使った分かりやすい例としては、「この状況を変えるために何かしらの方法をとる必要がある」「妻と別れるための方法を考える」「色々手を尽くしてもうこの問題を解決する方法がない」などがあります。
方法の類語
方法の類語・類義語としては、目的を達成するための手段を意味する「手だて」、物事を行う方法を意味する「やり方」「為す術」「打つ手」などがあります。
方法の「方」という字を使った単語としては、はかりごとや計略、または手段を意味する「方策」、ある目的を達するための便宜上の手段を意味する「方便」、ある一定のやり方や定まった形式を意味する「方式」などがあります。
手法の例文
この言葉がよく使われる場面としては、芸術や伝統芸能について、それらの作品が作られる方法などを表現したい時などが挙げられます。手法というのは、芸術や伝統に関わるような場合に使われる言葉です。
手法というのは、英語で言うところの「Skill」(スキル)と似たような意味を持つものです。また、手法というのは、作品や作者ごとに異なるもので、他者がその手法を明確に理解することは難しいものでもあります。
物事のやり方、進め方の中でも、特に巧の技が必要な場合などに「手法」という言葉を使うのだと覚えておくようにしましょう。
方法の例文
この言葉がよく使われる場面としては、なにかの目的などを達成するためのやり方や進め方について表現したい時などが挙げられます。方法というのは、具体的なものであり、一度定まってしまうと、あまり変化をするようなものではありません。
方法というのは、英語で言うところの「Method」(メソッド)と似たような意味を持つものです。方法というのは、目的を定めているため、計画的なものであると言うことも出来ます。
計画的に目標に向かって進めていくことを方法という言葉で表現するのだと覚えておくようにしましょう。また、方法は、芸術的な分野や文化的な分野においても使うことの出来る表現です。手法という言葉の代わりに方法という言葉を使うことも可能です。