似た意味を持つ「いただきます」と「いただけます」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「いただきます」と「いただけます」という言葉は、似ていても意味は大きく異なりますので、ご注意下さい。
「いただきます」と「いただけます」の違い
「いただきます」と「いただけます」の意味の違い
「いただきます」と「いただけます」の違いを分かりやすく言うと、「いただきます」とは断定と命令の表現、「いただけます」とは可能の表現という違いです。
「いただきます」と「いただけます」の使い方の違い
一つ目の「いただきます」を使った分かりやすい例としては、「こちらの資料を参考にしていただきます」「パスポートの方を拝見させていただきます」などがあります。
二つ目の「いただけます」を使った分かりやすい例としては、「失礼ですがお名前を教えていただけますか」「サンプル品であればすぐにお試しいただけます」などがあります。
「いただきます」と「いただけます」の使い分け方
「いただきます」と「いただけます」は似ている言葉ですが、意味は異なっているので間違えないように注意しましょう。
「いただきます」は断定や命令の表現で、相手の行動を強制している場合に使います。一方、「いただけます」は可能の表現で、相手の行動に対して判断を相手に委ねている場合に使います。
分かりやすい例を挙げると、「ご参加していただきます」は「参加してください」と同じニュアンスで、絶対に参加するようにという意思を伝える表現です。一方、「ご参加いただけます」は参加するも欠席するも相手が決めることで、どうするかは相手の自由になります。
「いただきます」も「いただけます」も直訳した英語表現はありません。
「いただきます」の意味
「いただきます」とは
「いただきます」とは、してもらうことを意味しています。
表現方法は「させていただきます」「していただきます」
「させていただきます」「していただきます」などが、「いただきます」を使った一般的な言い回しになります。
「いただきます」の使い方
「いただきます」を使った分かりやすい例としては、「当館にご入場の際は履物をお脱ぎいただきます」「私の方から簡単に説明させていただきます」「今回ばかりは好き勝手やらせていただきます」などがあります。
「いただきます」は補助動詞の「いただく」に丁寧語の「ます」が合わさり、してもらうことの意味で使う敬語です。
「いただきます」は「乗車の際はシートベルトをしていただきます」「こちらの資料をみさせていただきます」のように断定や命令として使い、強制力を相手感じさせます。
また、意味が異なっているのですが食事を始めるときの挨拶として、「いただきます」を使うこともあります。
「いただきます」の漢字表記
「いただきます」を漢字にすると「頂きます」や「戴きます」と表現することがあまり一般的ではありません。今回のように補助動詞として使う場合は、平仮名の「いただきます」を使うと覚えておきましょう。
「いただきます」の類語
「いただきます」の類語・類義語としては、もらうことの謙った表現のことを意味する「頂戴します」があります。
「いただけます」の意味
「いただけます」とは
「いただけます」とは、することができることを意味しています。
表現方法は「ご利用いただけます」「いただけますか」
「ご利用いただけます」「いただけますか」などが、「いただけます」を使った一般的な言い回しになります。
「いただけます」の使い方
「いただけます」を使った分かりやすい例としては、「本日よりご利用いただけます」「この席では携帯電話をご利用いただけます」「メールの方をご確認いただけますと幸いです」「こちらのポイントはご家族の皆様もお使いいただけます」などがあります。
「いただけます」は補助動詞の「いただく」に可能を意味する「ける」と丁寧語の「ます」が合わさり、することができることの意味で使われている敬語です。
「いただけます」は「時間内でしたら何度もご利用いただけます」「当店は電子マネーもご利用いただけます」のように、「〇〇することができる」という可能を表しています。
また、「ご参加いただけますか」「お時間をいただけますか」のように疑問形にすることで、相手にそれを行なう意思があるかを確認することも可能です。
「いただけますでしょうか」は二重敬語で誤り
「いただけます」を使った言い回しでよく間違えやすいのは「いただけますでしょうか」です。なぜ「いただけますでしょうか」が間違った言葉かというと二重敬語だからです。
二重敬語とは「尊敬語+尊敬語」「謙譲語+謙譲語」「丁寧語+丁寧語」のように同じ種類の敬語を重複させることで、より丁寧に表現しようとしてしまう間違った敬語の使い方になります。
「いただけますでしょうか」は丁寧語の「ます」と丁寧語の「です」を重ねて使用しているため二重敬語に該当しているため間違いです。正しい敬語は「いただけますか」と覚えておきましょう。
「いただけます」の漢字表記
「いただけます」を漢字にすると「頂けます」や「戴けます」と表現することがあまり一般的ではありません。今回のように補助動詞として使う場合は、平仮名の「いただけます」を使うと覚えておきましょう。
「いただきます」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、してもらうことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「いただきます」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「いただけます」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、することができることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文のように、「いただけます」は様々な場面で使うことができる言葉です。
「いただきます」と「いただけます」は一文字違いで似た言葉ですが、使い方は異なっています。どちらの言葉を使う方迷った場合、断定と命令を表現したい時は「いただきます」を、可能を表現したい時は「いただけます」を使うと覚えておきましょう。