似た意味を持つ「曖昧模糊」(読み方:あいまいもこ)と「曖昧」(読み方:あいまい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「曖昧模糊」と「曖昧」という言葉は、どちらも物事がはっきりしないことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
曖昧模糊と曖昧の違い
曖昧模糊と曖昧の意味の違い
曖昧模糊と曖昧の違いを分かりやすく言うと、曖昧模糊とは物事がはっきりしないことを表し、曖昧とは物事がはっきりしないことだけでなく疑わしいことも表すという違いです。
曖昧模糊と曖昧の使い方の違い
一つ目の曖昧模糊を使った分かりやすい例としては、「曖昧模糊たる状況に終止符を打つ」「政治家の曖昧模糊な答弁にうんざりする」「曖昧模糊な不安を抱えている」「感染源は曖昧模糊である」などがあります。
二つ目の曖昧を使った分かりやすい例としては、「目標設定が曖昧である」「理解が曖昧なので説明できません」「曖昧に笑ってごまかす」「友達以上恋人未満の曖昧な関係が続いている」「幽霊なんて曖昧な存在は信じません」などがあります。
曖昧模糊と曖昧の使い分け方
曖昧模糊と曖昧という言葉は、どちらも物事や状況がはっきりしないで、ぼんやりしているさまという共通する意味を持っています。そのため、「政治家の曖昧模糊な答弁」は「政治家の曖昧な答弁」と言い換えることが出来ます。
さらに曖昧には、怪しくて疑わしいさまの意味があります。この意味は曖昧模糊には無いため、「幽霊なんて曖昧な存在」の曖昧を曖昧模糊に置き換えることは出来ません。
つまり、物事や状況がはっきりしないことを表す場合、曖昧模糊と曖昧のどちらの言葉を使っても問題ありません。疑わしいさまを表す場合、曖昧模糊は使えないので、曖昧を使うようにしましょう。
曖昧模糊と曖昧の英語表記の違い
曖昧模糊も曖昧も英語にすると「obscure」「vague」「ambiguous」となり、例えば上記の「曖昧模糊たる状況」を英語にすると「ambiguous situation」となります。
曖昧模糊の意味
曖昧模糊とは
曖昧模糊とは、状態やようすがはっきりせず、ぼんやりしているさまを意味しています。
曖昧模糊の使い方
曖昧模糊を使った分かりやすい例としては、「記憶が曖昧模糊で証言できません」「よくわからなくて曖昧模糊に頷いた」「曖昧模糊な関係に結着をつける」「ハイボールの語源は曖昧模糊です」などがあります。
その他にも、「曖昧模糊な説明では分かりません」「事件は曖昧模糊のままである」「英語の訳文が曖昧模糊だと注意された」「曖昧模糊な情報に惑わされるな」「ここの地名の由来は曖昧模糊です」などがあります。
曖昧模糊の語源
曖昧模糊という言葉の語源は、漢語に由来します。「曖昧」と「模糊」は、どちらも不明瞭なさまや、ぼんやりしているさまを意味します。同じ意味の言葉を重ねることによって、より強調した表現の四字熟語となっています。「模」を「糢」と書いて、「曖昧糢糊」とも表記することもあります。
曖昧模糊の対義語
曖昧模糊の対義語・反対語としては、はっきりして疑う余地が全くないことを意味する「明明白白」、ひと目見ただけではっきりとわかるさまを意味する「一目瞭然」、紛れもなくはっきりしているさまを意味する「歴然」などがあります。
曖昧模糊の類語
曖昧模糊の類語・類義語としては、はっきりしないさまやいい加減なさまを意味する「有耶無耶」、話の要点がはっきりせず何を言いたいのかよくわからないことを意味する「不得要領」、ぼんやりとしてはっきりしないさまを意味する「漠然」などがあります。
曖昧の意味
曖昧とは
曖昧とは、態度や物事がはっきりしないことを意味しています。
その他にも、怪しくて疑わしいこと、いかがわしいことの意味も持っています。
表現方法は「曖昧になる」「曖昧な表現」「曖昧な関係」
「曖昧になる」「曖昧な表現」「曖昧な関係」などが、曖昧を使った一般的な言い回しです。
曖昧の使い方
「彼女との曖昧な関係をはっきりさせよう」「彼の態度はいつも曖昧である」「曖昧な英語表現を正す」「曖昧な表現が分かりづらい」「曖昧な返事に困る」などの文中で使われている曖昧は、「はっきりしないこと」の意味で使われています。
一方、「曖昧な話は信じません」「目標達成できるかどうか曖昧だ」「曖昧なセールスマンを警戒する」などの文中で使われている曖昧は、「疑わしいこと、いかがわしいこと」の意味で使われています。
曖昧という言葉は、上記の例文にあるように二つの意味を持ちますが、一般的には「態度や物事がはっきりしないこと」の意味で使われています。曖昧の「曖」は薄暗くてはっきりしないこと、「昧」は仄暗くてあやふやなことを表します。
曖昧の対義語
曖昧の対義語・反対語としては、はっきりしていることを意味する「明白」、あきらかで疑う余地のないことを意味する「明白」、はっきりしていて間違いのないことを意味する「明確」、はっきりと分かることを意味する「判然」などがあります。
曖昧の類語
曖昧の類語・類義語としては、物事がはっきりしないさまを意味する「あやふや」、確かではないさまを意味する「不確か」、はっきりしないさまや不確かなさまを意味する「朧げ」などがあります。
曖昧模糊の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事の内容や意味がはっきりせず、ぼんやりしているさまを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文の「曖昧模糊」は、「曖昧」に置き換えることが出来ます。曖昧模糊と曖昧という言葉は、「物事の内容や意味がはっきりしないさま」という共通する意味を持っています。
曖昧の例文
この言葉がよく使われる場面としては、物事がはっきりしないこと、怪しげなさま、疑わしいさまを表現したい時などが挙げられます。
例文1から例文4の文中にある曖昧は、物事がはっきりしないことの意味で使われています。例文3にある「概念の曖昧化」とは、物事の概括的な意味内容が不明瞭になってきていることを表します。例文5の文中にある曖昧は、疑わしいさまの意味で使われています。
曖昧模糊と曖昧という言葉は、どちらも物事がはっきりしないことを表します。さらに「曖昧」には、怪しくて疑わしいさまの意味があることを覚えておきましょう。