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【先祖】と【祖先】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「先祖」(読み方:せんぞ)と「祖先」(読み方:そせん)の違いを分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、このページの使い分け方を参考にしてみて下さい。

「先祖」と「祖先」という言葉は言葉は同義語で、どちらも世代を遡った血縁者という同じ意味を持ちますが、それぞれの言葉の使い方には少し違いがあります。




先祖と祖先の違い

先祖と祖先の意味の違い

先祖と祖先の違いを分かりやすく言うと、先祖とは家系の中で自分たちより前の世代の敬われている人達を意味していて、祖先とは血縁関係で自分より前の人達のことを意味しているという違いです。

先祖と祖先の使い分け方

先祖と祖先は言葉の意味は違わないので、辞書を引いても違いは分かりません。

それに対して、「先祖は自分に近い世代で、祖先は遠い世代のことだ」という説明を時折見かけます。こうした説明は間違ってはいませんが、正しくもありません。

先祖が自分に近い世代の人のことだと考えると、自分の父母を普通は先祖だとは言わないことに矛盾が生じるからです。

言葉そのもの定義や続柄の問題としては、父母は確かに先祖と言えます。しかし「ご先祖様」の意味での先祖ではありません。では、どのような違いがあるのでしょうか。

先祖という言葉は家系内に限られて使われますが、祖先はそうではありません。祖先には「人類の祖先」というような使われ方もあり、この場合には生物学上の系統の意味で用いられています。

生物学上の系統とは、人間のレベルで考えれば血縁関係のことです。祖先という言葉は、血縁関係のレベルの言葉なのです。それに対して、先祖という言葉は家系のレベルで使われる言葉です。

家系は多くの場合、血縁と重なるので、両者の区別は意識されないことも多いですが、家とは社会的、文化的な繋がりで、単なる生物学上の血縁以上のものです。

古今東西、亡くなった人を弔うだけでなく、亡くなった人を神格化しそれを祀ることが行われています。「先祖」とは「祀られている前の世代の人々」のことです。なので、前の世代の人であっても、亡くなっていない人のことは先祖とは普通は言いません。

父母はもちろんのこと、祖父母に対しても先祖とはあまり言わないのは、亡くなっていないことが多いからです。

先祖の意味

先祖とは

先祖とは、家系の中で自分より前の世代で、亡くなって祀られている人を意味しています。

表現方法は「ご先祖様」「先祖返り」「先祖代々」

「ご先祖様」「先祖返り」「先祖代々」「先祖を敬う」などが、先祖を使った一般的な言い回しです。

先祖の使い方

祀られている人は、ある意味では神様のように扱われているので、「ご先祖様に顔向け出来ない」のような言葉が言われることもあります。

先祖は家系の中で前の世代の人のことだと言われていますが、それだと父母や祖父母に対して祖先という呼称を使わないのかの説明になりません。

もちろん、言葉の定義としては父母や祖父母は祖先ですが、日常そのように意識することはありません。言葉の定義そのものと使われ方の間には、時々ギャップが生じるものです。

先祖という言葉を理解する上で大切なことは、亡くなって祀られているということです。

亡くなって祀られている人だけが先祖です。「ご先祖様」と言われる時の先祖のことを考えてみて下さい。

父母や祖父母は亡くなって初めて先祖に加えられますが、しかし祀る気持ちよりも親愛の念が強い場合、先祖であるという認識は弱くなります。

「親しみを抱いている時には先祖が使われる」という説明を時折見かけますが、これは不正確です。正しくは「先祖には畏敬の念を抱いている」です。畏敬の念には、親しみだけではなく、かしこまる気持ちも含まれているので、ある種のよそよそしさも含まれます。

先祖の対義語

先祖の対義語・反対語としては、血統を受け継いで生まれてきた人を意味する「子孫」があります。

先祖の類語

先祖の類語・類義語としては、学校や職場などで自分より先に入った人を意味する「先輩」、昔の時代の人を意味する「先人」、ある分野で他の人より先に進み、実績を残している人を意味する「先達」などがあります。

先祖の祖の字を使った別の言葉としては、宗教や学問、芸術などで一派を開いた人を意味する「開祖」、家系の一番始めの人物を意味する「始祖」、先祖代々住んできた国を意味する「祖国」などがあります。

祖先の意味

祖先とは

祖先とは、血縁関係における自分より前の世代の人々、生物学上の発端を意味しています。

表現方法は「人間の祖先」「人類の祖先」「祖先を敬う」

「人間の祖先」「人類の祖先」「祖先を敬う」などが、祖先を使った一般的な言い回しです。

祖先の使い方

祖先という言葉を理解する上で大切なことは、血縁関係と家系の区別です、家系と血縁関係は多くの場合一致するので、この区別は意識されることは少ないですが、祖先と先祖の区別を理解する上では重要です。

祖先は生物学的な意味での血縁関係のレベルの言葉で、先祖は文化や社会などの意味を帯びた家系のレベルの言葉です。

「人類の祖先」という言葉があるように、祖先には、生物学的な進化を念頭において使われる用法があります。ここでは遺伝子的なつながりが問題になっているのですが、人間の間での遺伝子的なつながりこそが、血縁関係です。

血縁関係は純粋に生物学的なものですが、家系には文化や社会や伝統などの要素が混ぜ合わされています。

祖先は先祖より古い系統を指し示す傾向があると言われるのも、祖先という言葉が血縁関係を問題にしているからです。というのも、時代を遡れば遡るほど、文化、社会的な共通性が少なくなり、最後に残るものは遺伝子的なつながりだからです。

ただし、こうした違いは言葉の意味でのものです。血縁と家系がほとんど同じものとして意識されるのと同じく、祖先も先祖も同じようなものとして理解されています。祖先の方が書き言葉の響きがあり、先祖は日常語です。

祖先の対義語

祖先の対義語・反対語としては、血統を受け継いで生まれてきた人を意味する「子孫」があります。

先祖の例文

1.沖縄は戦後、先祖代々受け継がれてきた土地を接収された。
2.寺の息子なので、先祖の因縁ということを少し意識してしまう。
3.先祖供養を怠ったことが災いの元凶という怪談話は古典的だ。
4.ご先祖様のこと、祖父の代くらいまではある程度知っているみたいだけど、父親や僕はほとんど何も知らない。
5.先祖の事を調べるために、実家の蔵を掘り返した。
6.最終稿の素読み校正をしていたら、たしかに修正したはずの箇所がなぜか先祖返りしてしまい一からチェックをし直すことになった。
7.もし君が先祖代々続いてきたものを止めるとするなれば、親族らも黙ってはいないだろう。
8.外国で暮らしていても、身体は先祖代々日本人なんだからお米や味噌汁を食べないと体調が整いませんよ。
9.私の先祖は代々百姓であったが、祖父の代で事業を起こし大成功を収めたことで今では名家と言われるほどになった。
10.叔母は夫のギャンブル借金で先祖代々からある山を売らなきゃいけないところまで追い詰められたそうだ。

この言葉がよく使われる場面としては、家系の中で亡くなって敬われるようになった、自分より前の世代の人達を表現したい時などが挙げられます。

「ご先祖様に顔向け出来ない」と言われることから分かるように、先祖とは畏敬の念を持たれている人達のことです。家系において単に自分より前の世代ではなく、亡くなった後、一種の神や仏のように祀られている人達、と言い換えることも出来ます。

祖先の例文

1.人類の祖先が猿かどうかについては、未だに決着がついていない大問題だ。
2.祖先を千年も遡れば、人間は皆大差ないだろうと思っていたけれど、歴史を学ぶとどうやらそうでもないことが分かってきた。
3.天皇家の祖先は、天照大神だとされている。
4.恐竜は絶滅したとされていたが、今日では鳥の祖先だと考えられてもいる。
5.祖先崇拝が、特にアジアのいたるところで見られる。
6.祖先が残してくれた伝統を守るために、何が出来るか今一度考えるときではないのか。
7.人類の祖先はアフリカから始まっていると言うが、なぜ彼らはその土地に留まらず世界に拡散していったのだろう。
8.我々はゼロから何かを生み出せるわけではなく、我々の祖先が積み上げてきたものがあってこそ何かを生み出せるのだ。
9.日本は実は農業大国で、祖先たちの努力によって、数々の良品種が生まれてきました。
10.私の父方の祖先は、現在の千葉県の出身で、明治になってから私が今住んでいる土地に移り住んだそうです。

この言葉がよく使われる場面としては、生物学的な意味で自分より前の世代の人や生き物を表現したい時などが挙げられます。先祖は文化や伝統などの繋がりを持った先人に対して使う言葉ですが、祖先は生物学的な、遺伝子の繋がりという意味で使われる言葉です。

祖先は先祖よりも古い系統を意識して使われると言われますが、それも遺伝的な繋がりに重きが置かれているからです。時代を遡れば遡る分だけ、文化や社会などの共通点が少なくなり、血のつながりに頼るしかなくなるからです。

言葉の使い方の例文
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