同じ「こわい」という読み方、似た意味を持つ「怖い」と「恐い」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「怖い」と「恐い」という言葉は同義語で、どちらも「恐怖を感じている」という同じ意味を持ちますが、それぞれの言葉の使い方には少し違いがあります。
怖いと恐いの違い
怖いと恐いの意味の違い
怖いと恐いの違いを分かりやすく言うと、主観的な恐怖か、客観的な恐怖かの違いです。
怖いと恐いの使い方の違い
「いつも笑顔の彼女が恐い表情をしていて怖かった」という例文のように、怖いは自分の経験や気持ちなど主観的な恐怖を表す際に使い、恐いは自分以外の人もそう思うであろう客観的な危険性を表す際に使うという違いがあります。
別の例文を使うと、「あの女優さんは怖い」は自分が怖いと思っている主観的な恐怖を表す表現、「あの女優さんは恐い」は自分以外の人もそう思うであろう客観的な危険性を表す表現となります。
恐いは常用外漢字
他にも、常用漢字表に載っているか、常用漢字表に載っていないかの違いがあります。
怖いは文化庁が定める常用漢字表に記載されているため法令や新聞などで使用できますが、恐いは常用漢字表に記載されていないため法令や新聞などで使用できません。
もし、「怖い」を使うか「恐い」を使うか迷った場合は、「恐い」は常用外の漢字ですので「怖い」を使っておけば間違いはありません。
怖いと恐いの英語表記の違い
怖いも恐いも英語にすると「scared」となり、例えば「怖い話」を英語にすると「scary story」となります。
怖いの意味
怖いとは
怖いとは、自分の経験や気持ちなど主観的な恐怖を意味し、正確な反対語はなく、優しいや安心が反対語に近い言葉となります。
表現方法は「怖い話」「怖い動画」「怖い画像」
「怖い話」「怖い動画」「怖い画像」などが、怖いを使った一般的な言い回しです。
怖いの使い方
怖いを使った分かりやすい例としては、「ほんとにあった怖い話をいつも観てた」「社会に出て働くのが怖い」「過去の自分の怖い体験を書いてみた」「昨日は本当に怖い夢を見た」「そんなに怖い顔をしないで」「映画なら怖いホラーが好き」などがあります。
怖いの類語
怖いの類語・類義語としては、恐怖で不安な状態を意味する「恐ろしい」、恐ろしいと同じ意味を持つ「おっかない」、いかめしい状態を意味する「物物しい」、トゲがある状態を意味する「刺刺しい」、おそろしい心境を意味する「ゾッとする」などがあります。
怖いの「怖」が用いられた言葉には、恐ろしさに身震いする様を意味する「怖震ふ」、おどおどと恐れるさまを意味する「怖じ怖じ」、怖がる気持ちを意味する「怖気」、理解の及ばいおそれを意味する「怖畏」があります。
恐いの意味
恐いとは
恐いとは、自分以外の人もそう思うであろう客観的な危険性を意味し、怖いと同様に正確な反対語はなく、優しいや安心が反対語に近い言葉となります。
表現方法は「恐い間取り」「恐い人」「恐い生き物」
「恐い間取り」「恐い人」「恐い生き物」などが、恐いを使った一般的な言い回しです。
恐いの使い方
恐いを使った分かりやすい例としては、「本当のことを知るのが恐い」「この間取りでこの家賃は恐い」「恐い生き物の特徴は歯だ」「気づかないうちに恐い顔をしてしまっていた」などがあります。
恐いの類語
恐いの「恐」が用いられた言葉には、相手の弱みなどにつけこみ脅すことを意味する「恐喝」、おそれかしこまるさまを意味する「恐恐」、夫が妻に対して頭の上がらないことを意味する「恐妻」、おそれて身がすくむことを意味する「恐縮」があります。
怖いの例文
分かりやすい怖いの使い方として、「怖い」を「怖いと私は思っている」という表現に置き換えることが出来る場合は、主観的ですので使い方として正しいです。
恐いの例文
分かりやすい恐いの使い方として、「恐い」を「恐ろしい」という表現に置き換えることが出来る場合は、客観的ですので使い方として正しいです。