似た意味を持つ「きっと」と「必ず」(読み方:かならず)と「絶対」(読み方:ぜったい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どの言葉を使えば日本語として正しい言葉となるのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「きっと」と「必ず」と「絶対」という言葉は、可能性を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「きっと」と「必ず」と「絶対」の違い
「きっと」と「必ず」と「絶対」の意味の違い
「きっと」と「必ず」と「絶対」の違いを分かりやすく言うと、「きっと」は推量が強い決意を表現する時に使い、「必ず」は論理的に考えた結果を表現する時に使い、「絶対」は主観的な断定を表現する時に使うという違いです。
「きっと」と「必ず」と「絶対」の使い方の違い
「きっと」という言葉は、「きっと雨が降るに違いない」「彼はきっと彼女のことが好きなのだろう」などの使い方で、話し手の決意や確信を意味します。
「必ず」という言葉は、「次の試合は必ず勝つと先輩に約束した」「必ずしも話を聞いてくれるとは限らない」などの使い方で、例外のない様子を意味します。
「絶対」という言葉は、「絶対後悔すると言われたため生活を見直すことにした」「絶対音感を持っている彼女は静かな場所が好きらしい」などの使い方で、他に比較する物や対立するものがないことを意味します。
「きっと」と「必ず」と「絶対」の使い分け方
「必ず」と「絶対」はどちらも確信していることに対して使われる言葉ですが、前者は論理的に考えた結果を表す時に使われるのに対し、後者は条件や仮定がない場合でも話し手による断定を表す時にも使われます。
一方「きっと」という言葉も、話し手の確信を相手に伝える際に使いますが、「絶対」という言葉よりも推量の気持ちが強い場合に使います。
そのため、可能性が高い順に並べると、「絶対」≧「必ず」>「きっと」となりますが、「絶対」という言葉を会話で使う際は、客観的な意見と思われず説得力に欠けることもあります。
これが、「きっと」、「必ず」、「絶対」の明確な違いです。
「きっと」の意味
「きっと」とは
「きっと」とは、話し手の決意や確信を意味しています。また、強く望む場合にも使われる言葉です。
「きっと」の漢字表記
「きっと」は「屹度」や「急度」といった漢字表記がなされる言葉ですが、基本的にひらがなで書かれます。もとは「きと」という読み方の音が変化して「きっと」という読み方がなされるようになりました。
その他、表情や態度などが厳しい様子や、行動や物事の状態にゆるみがない様子、さらには動作が瞬間的に行われる様子を意味する言葉としても使われることがあり、この場合に漢字が当てて書かれることがあります。
「きっと」の表現方法
「きっと」を使った表現として、「きっと明日は雪が降るだろう」「彼女はきっと宿題を忘れてくるに違いない」「きっとまた顔を見せてくださいね」などがあります。話し手が確信している場合や、強い願望を主張する時に使われます。
「きっと」の類語
「きっと」の類語・類義語としては、確かだと思っていた予想などが反対の結果となって現れた際に使われる「てっきり」、まちがいなくを意味する「疑いなく」、信頼できると判断されるときに使われる「確か」などがあります。
「必ず」の意味
「必ず」とは
「必ず」とは、例外のない様子を意味しています。
「必ず」を使った言葉として、「香餌の下必ず死魚あり」「積善の家には必ず余慶あり」があります。
「香餌の下必ず死魚あり」の意味
一つ目の「香餌の下必ず死魚あり」(読み方:こうじのもとかならずしぎょあり)とは、いい匂いの餌の下には、死んだ魚が必ずいることを例えて、利益の後ろには必ず危険が存在することを意味し、利益のために身を滅ぼすことを例えたことわざです。
「積善の家には必ず余慶あり」の意味
二つ目の「積善の家には必ず余慶あり」(読み方:せきぜんのいえにはかならずよけいあり)とは、善い行いをした場合は後世の子孫にまで良い影響を与えることを意味することから、善い行いには必ず良い報いがあることを意味することわざです。
このことわざの対になるものとして、悪い行いをした場合は必ず子孫にまで災いがやってくることを意味する「積悪の家には必ず余殃あり」があります。
「必ず」の対義語
「必ず」の対義語・反対語としては、予期しないことが起こることを意味する「偶然」、多分そうであろうと考えられることを意味する「蓋然」、手を加えることなくたまたまそうなることを意味する「自然」があります。
「必ず」の類語
「必ず」の類語・類義語としては、まちがいなくを意味する「定めて」、まさにを意味する「まさしく」、打消しの言葉を伴ってどうしてもしないことを意味する「断じて」、そうなるのが当たり前であることを意味する「当然」などがあります。
「絶対」の意味
「絶対」とは
「絶対」とは、他に比較する物や対立するものがないことを意味しています。
「絶対」を使った言葉として、「絶対音感」「絶対評価」があります。
「絶対音感」の意味
一つ目の「絶対音感」とは、特定の音を耳にした際に、他の音と比較をしなくともどの音かを正確に当てることができる能力を意味する言葉です。
「絶対評価」の意味
二つ目の「絶対評価」とは、あらかじめ設定された教育目標や評価基準に則って評価を行う方法です。定められたノルマをどの程度達成できたかによって評価や処遇が決定されることから、学校などの教育業界だけでなく、ビジネスにおいても使われます。
「絶対評価」と対になる考え方に、評価対象が所属する集団の中で、他と比較してどのくらいの能力なのかを位置付けて評価する「相対評価」があります。
「絶対」の対義語
「絶対」の対義語・反対語としては、他との関係の上に存在や成立していることを意味する「相対」(読み方:そうたい)、程度が程よいことを意味する「適度」があります。
「絶対」の類語
「絶対」の類語・類義語としては、確かで間違いのないことを意味する「確実」、打消しの言葉を伴って決してしないことを意味する「誓って」、強い決意をもって否定する際に使う言葉である「金輪際」などがあります。
「きっと」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、話し手の決意や確信を意味する時などが挙げられます。
例文3のように、話し手による決意などではなく、強い要望を表す言葉としても使われます。
「必ず」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、例外のない様子を意味する時などが挙げられます。
例文2の「必ずしも」は打消しの言葉を一緒に使うことで、必ずそうなるわけではないといった意味になる慣用表現です。
例文3の「必ずや」とは推量の言葉を一緒に使うことで、間違いなくそうなることや、必ずそうなるといった意味になる慣用表現です。
「絶対」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、他に比較する物や対立するものがないことを意味する時などが挙げられます。
例文2の「絶対安静」とは、けが人や病気の人にとっての外部の刺激になるようなことを避け、寝たまま動かさないような状態を保たせることを意味する言葉です。
「きっと」と「必ず」と「絶対」どれを使うか迷った場合は、推量が強い決意を表す場合は「きっと」を、論理的に考えた結果を表す場合は「必ず」を、主観的な断定を表す場合は「絶対」を使うと覚えておけば間違いありません。