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【傷】と【創】と【疵】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「傷」(読み方:しょう)と「創」(読み方:そう)と「疵」(読み方:しょう)の違いと使い方を分かりやすく解説しているページです。

どの言葉を使えば日本語として正しいのか、このページの使い分け方を参考にしてみて下さい。

「傷」と「創」と「疵」という言葉は、どれも傷ついていることを意味するという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使用される傾向があります。




傷と創の疵の違い

傷と創の疵の意味の違い

傷と創と傷の違いを分かりやすく言うと、傷とは皮膚が裂けていない傷で、創とは皮膚が裂けている傷で、疵とは物事の欠点や汚点を意味するという違いです。

傷と創の疵の読み方の違い

三つの言葉のうち、「きず」と読むこと出来るのは傷と疵だけですが、疵は常用外の漢字です。また創も医学用語としては傷と厳密に区別されていますが、日常的な日本語では創は傷の一種です。

傷と創の疵の使い分け方

最初の「傷」というのは、皮膚が痛んでいない傷のことを意味します。皮下組織が損傷をうけ、アザを伴うこともある「打撲傷」(読み方:だぼくしょう)や、臓器が損傷をうける「挫傷」(読み方:ざしょう)などが、「傷」という言葉の指し示すものです。

次の「創」というのは、切り傷や擦り傷のことを意味します。医学の専門用語では、切り傷や切り傷のことを「創傷」(読み方:そうしょう)と言います。いずれも皮膚に損傷を伴う傷のことです。

打撲傷や挫傷は、皮膚に損傷を伴うものであれば、それぞれ専門用語としては、「打撲創」(読み方:だぼくそう)、「挫創」(読み方:ざそう)と呼ばれます。

ただし、創という字は本来は「きず」とは読めませんし、「創傷」という言葉があることを考えると、切り傷そのものを意味するというよりは、「どのような」傷かを表現している言葉だと考える方が良いです。

最後の「疵」というのは、物事の欠点や汚点のことを意味します。傷や創が物理的に接触することで出来るものであるのとは異なり、疵だけは物事そのものに備わる悪い性質のことを意味します。

傷の意味

傷とは

傷とは、皮膚に損傷のない傷を意味しています。逆に皮膚に損傷のある傷のことを「創」と言いますが、この使い分けは医学用語で、日常的には「すり傷」や「切り傷」という言葉が使われます。

表現方法は「傷が治る」「傷を負う」「傷つく」

「傷が治る」「傷を負う」「傷つく」などが、傷を使った一般的な言い回しです。

傷の使い方

頭にたんこぶが出来たり、膝を打って青くあざが出来たり、強い衝撃で臓器に損傷がでた場合、そうした怪我のことが「傷」と表現されます。

たんこぶやあざなど、皮下組織が損傷を受けて出来た傷は「打撲傷」(読み方:だぼくしょう)で、打撲の中でも臓器に出来た傷は「挫傷」(読み方:ざしょう)と言います。例えば「脳挫傷」(読み方:のうざしょう)というのは、脳が打撲によって傷つくことです。

ただし、これらは医学用語です。日常的には打撲傷のことは「打ち身」と表現し、傷よりは「怪我」と表現されます。また、脳挫傷のような重症になると、「大怪我」や「大病」と表現され、傷という言葉が使われる頻度はより少なくなります。

また、身体に負うものだけではなく、心に受けるもののことも傷と表現します。「今の言葉で傷つけられた」などのように使われます。さらに、「経歴に傷がつく」という言い回しもあるように、不名誉なこと、汚点という意味でも傷という言葉が使われます。

傷の類語

傷の類語・類義語としては、病気のことを意味する「病」、発熱、はれ、発赤などの症状が出ることを意味する「炎症」、体に受ける重い傷や、災害や事故などによって受けた大きな損害のことを意味する「痛手」「深手」などがあります。

傷の字を使った別の言葉としては、以前に負った怪我や、以前に犯した後ろめたい罪を意味する「古傷」、悲しみに沈む気持ちを意味する「傷心」、嘆き悲しむことや、他人を気の毒に思うことを意味する「愁傷」(読み方:しゅうしょう)などがあります。

創の意味

創とは

傷とは、皮膚に損傷のある傷を意味しています。具体的には「切り傷」や「すり傷」のことを意味します。しかし、怪我のことをこの言葉で表現することは日常的にはありません。

創の読み方は「きず」ではない

「創」を「きず」と読むことは出来ません。「そう」という読み方が正しい読み方です。

創が「きず」の意味で意識されるのは、日常的には、「絆創膏」(読み方:ばんそうこう)くらいです。

創の使い方

創を傷と区別するのは、医学的な観点に立つときです。傷の中にはいわゆる打ち身を意味する「打撲傷」、臓器に損傷を受ける「挫傷」がありますが、それぞれ皮膚に損傷を伴うと「打撲創」(読み方:だぼくそう)と「挫創」(読み方:ざそう)と言います。

医学的には、切り傷やすり傷は軽度のものから重度のものまで、すべて「創」です。

例えば切り傷には「表皮」(読み方:ひょうひ)だけが切れた軽度のものから、皮膚の土台である「真皮」(読み方:しんぴ)やその下の「皮下脂肪」にまで及んでいる中度や重度のものまで、すべて「創」です。

創の類語

創の類語・類義語としては、重い傷を意味する「重創」、銃弾によって出来た傷を意味する「銃創」、刃物などで受けた傷や、精神的に深く負った傷を意味する「創痍」などがあります。「満身創痍」(読み方:まんしんそうい)の「創痍」です。

疵の意味

疵とは

疵とは、物事の欠点や汚点、不都合な部分を意味しています。傷と創は、細菌への外傷や外部から圧力などによって出来るもののことですが、疵とはそれ自体が持っている性質や特徴のことです。

疵の使い方

疵という字は常用漢字ではないので、ほとんど使われることはありません。人の欠点をあげつらうことをする「疵を求む」という、漢籍に由来する慣用表現か、「瑕疵」(読み方:かし)という言葉で使われる程度です。

瑕疵という言葉の瑕という字も「きず」と読むことが出来ますが、これも常用外の漢字です。瑕疵という言葉は、本来備わっているべき機能や品質などが備わっていないことを意味する言葉です。特に不動産などに対する「法律上明記すべき何らかの欠点」の意味で使われる言葉です。

例えば雨漏りがあったり、シロアリの被害があったりする物件のことを「瑕疵物件」と言います。また、不幸があった物件のことを特に「心理的瑕疵物件」と呼称します。

疵よりも、むしろ瑕の方が日常的に馴染みのある言葉です。

例えば「玉に瑕」(読み方:たまにきず)という言葉があります。「彼女はすぐに慌てるのが玉に瑕」「この鉄道はよく遅れるところが玉に瑕」というように、欠点に言及する時に使われる言葉です。

「玉に瑕」というのは、球体の表面に傷がついていることではありません。古くから「真円」(読み方:しんえん)というのは、歪みがないことから「完全無欠」「完全性」の象徴と見なされていました。

「完全無欠なものに欠点がある」というのが、「玉に瑕」の意味するところです。「彼女はすぐ慌てるのが玉に瑕」というのは、慌てるのが欠点だけれど、それ以外は完璧という意味です。完全無欠なことを喩えて言う「瑕なき玉」という言い回しもあります。

瑕は常用漢字ではないので、普通は「玉にきず」か「たまにきず」と表現されます。瑕は傷と表現する内容が異なりますので、瑕を傷で置き換えることは出来ないことに注意しましょう。

なお、「たまにきず」の「たま」は「偶々」(読み方:たまたま)の偶ではありません。

疵の類語

疵の類語・類義語としては、もの事の良くない点、細やかさのない点を意味する「粗」、都合の悪い点、ほころびを意味する「襤褸」(読み方:ぼろ)、非難すべき欠点を意味する「難」、不完全な点を意味する「穴」などがあります。

傷の例文

1.膝の切り傷が化膿したら、お医者さんに見てもらうほうがいい。
2.彼女の心無い一言。たったそれだけで、心に深い傷を負ったように感じた。
3.採用担当者から、職歴に傷があるけれども良さそうな人がいて迷っていることを告げられた。

この言葉がよく使われる場面としては、怪我や心に受けた痛みを表現したい時などが挙げられます。

傷と創は医学的には区別されますが、日常生活では傷が一般的です。特に「切り傷」や「すり傷」を表現することが多いため、傷という言葉は軽度のものに使われる傾向があります。「大傷」という言葉もあることはありますが、「大怪我」の方が一般的です。

また、心に受けた痛みのことも傷です。他人の言動や悲痛な出来事によって心が痛みを感じた時に、傷という言葉を使います。後悔や卑下など、自分で自分の心を痛めることに対しては、痛みという言葉は使いません。

創の例文

1.傷が深くて、絆創膏を貼ってもなかなか治らない。
2.僕のおじいちゃんは、右肩にいまも痛々しさの残る銃創がある。
3.先輩社員に厳しい態度を取られて、満身創痍になっている、という友人の愚痴を聞いた。

この言葉がよく使われる場面としては、皮膚に損傷のある傷を表現したい時などが挙げられます。ですが、創を「きず」と読むことはできないため、日常的には創が傷のことを意味するというのはほとんど意識されません。

例文にある「絆創膏」や「銃創」、「満身創痍」などの熟語表現を覚えることが、創という言葉の意味に習熟するためには必要です。いずれも皮膚にある傷に関係していることに注目してみてください。

疵の例文

1.この不動産物件は心理的瑕疵物件らしいが、生活に便利なこともあって賃貸契約をすることにした。
2.不動産業者には瑕疵担保責任がある。
3.企業からの請負で開発し、提供したシステムに、軽微な瑕疵が発見されたので、至急修正をした。

この言葉がよく使われる場面としては、「瑕疵」を表現したい時などが挙げられます。疵という言葉は、まず間違いなく「瑕疵」という言葉で使われます。表現としては「疵を求む」というものもありますが、こちらはほとんど使われません。

瑕疵というのは、本来は備わっているべき性能、特徴、品質などが備わっていないことを意味する言葉ですが、実際に使われる状況は、法律的な事柄に関わる時に限定されます。

例文2の「瑕疵担保責任」というのは、不動産の売り主が瑕疵について責任を持たなければならないということで、民法に明記されています。

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