【廃番】と【廃盤】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

同じ「はいばん」という読み方の「廃番」と「廃盤」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「廃番」と「廃盤」という言葉は同音の言葉ですが、それぞれの漢字によって使い方には少し違いがあります。




廃番と廃盤の違い

廃番と廃盤の意味の違い

廃番と廃盤の違いを分かりやすく言うと、廃番とは製品全般に対して使い、廃盤とはレコードやCDに対して使うという違いです。

廃番と廃盤の使い方の違い

一つ目の廃番を使った分かりやすい例としては、「時計の廃番モデルを集めています」「廃番商品の入手方法をメーカーに問い合わせる」「取り急ぎ廃番のお知らせをメールしました」「いつも使っている文具が廃番になってしまった」などがあります。

二つ目の廃盤を使った分かりやすい例としては、「趣味で廃盤のレコードを集めています」「このレコードは廃盤なので再入荷はありません」「レアな廃盤品を手に入れた」「廃盤CDやDVDを売するサイトです」「廃盤DVDがプレミア価格になっている」などがあります。

廃番と廃盤の使い分け方

廃番と廃盤という言葉は、どちらも「はいばん」と読み、ある製品の生産を止めることを表しますが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

廃番とは、製造を止めることや、製造を止めた品物のことです。商品番号などで管理しているものについて、その番号を使わなくなることを意味する言葉です。そのため、時計や服、文房具や化粧品など、さまざまな商品番号が付いている製品全般に対して使うことができます。

廃盤とは、レコードなど円盤メディアの製造を止めることや、製造を止めたレコードやCDなどを表します。廃盤の「盤」は、円盤やレコード盤から来ている表現です。前述の廃番はさまざまな製品に対して使われますが、廃盤はレコードやCDなどに対してのみ使用します。

つまり、廃番と廃盤は製造を止めることを表す言葉ですが、使う対象が異なります。廃盤はレコードなどの円盤メディアに対して限定的に使い、廃番はそれ以外の幅広い製品に対して使います。廃番と廃盤を比べると、廃番の方が汎用性のある言葉だと言えるでしょう。

廃番と廃盤の英語表記の違い

廃番を英語にすると「discontinued」「discontinuation」となり、例えば上記の「廃番のモデル」を英語にすると「discontinued model」となります。

一方、廃盤を英語にすると「out of print」「discontinuing the production」となり、例えば上記の「廃盤のレコード」を英語にすると「out-of-print record」となります。

廃番の意味

廃番とは

廃番とは、製造を止めること、製造を止めた品物や品番を意味しています。

表現方法は「廃番になる」「廃番のお知らせ」「廃番シャーペン」

「廃番になる」「廃番のお知らせ」「廃番シャーペン」などが、廃番を使った一般的な言い回しです。

廃番の使い方

廃番を使った分かりやすい例としては、「こちらの商品は廃番となりました」「人気のジーパンが廃番になってしまった」「まさかの廃番のお知らせに驚きました」「廃番ナイフを専門に販売するお店です」がなどがあります。

その他にも、「ホームページに商品廃番のお知らせを掲載する」「お知らせ一覧に廃番案内をアップする」「海外の廃番品を英語サイトで探しています」「彼は廃番シャーペンをコレクションにしている」などがあります。

廃番とは、特定の製品の製造を止めることや、製造を止めた品物や品番を意味します。廃番の「番」は製品番号のことであり、台帳から製品番号をなくすことを表した言葉です。機械、家具、食品、文房具など、製品番号が付いているもの全てに対して使われています。

廃番の対義語

廃番の対義語・反対語としては、一度すたれたものが見直され再びもてはやされることを意味する「リバイバル」、現在行われていることを意味する「現行」などがあります。

廃番の類語

廃番の類語・類義語としては、特定の製品の製造をやめることを意味する「廃版」、やめて行なわないことや不用のものとしてやめることを意味する「廃止」、計画を取りやめにすることを意味する「中止」、最新型が出たために古い型式となった製品を意味する「型落ち」などがあります。

廃盤の意味

廃盤とは

廃盤とは、製造を中止したレコード盤を意味しています。

表現方法は「廃盤になる」「廃盤レコード」「廃盤商品」

「廃盤になる」「廃盤レコード」「廃盤商品」などが、廃盤を使った一般的な言い回しです。

廃盤の使い方

廃盤を使った分かりやすい例としては、「再販なしの廃盤レコードです」「人気作の廃盤DVDの流通価格が高騰している」「学生の頃に愛用していた英語学習CDが廃盤になっていた」「現行商品だけでなく廃盤商品も買い取りします」などがあります。

その他にも、「レコード会社から商品廃盤のお知らせがプレスリリースされました」「貴重な廃盤CDを捨ててしまった」「廃盤CDをコピーして高額転売するのは違法です」「在庫限りで終了の廃盤商品を集めた通販サイトです」などがあります。

廃盤とは、製造を止めたレコード盤、音楽CD、DVDなどを意味する言葉です。廃盤の「盤」は皿状のものを表し、 レコード盤・CD・DVDなどの円盤状のメディアを指しています。特定のレコード盤の製造をやめることなので、新品が世の中に出回らなくなることになります。

「廃盤おかし」「廃盤シャーペン」「廃盤トミカ」は誤り

廃盤の誤った使い方には、「食品が廃盤になる」「廃盤おかし」「廃盤シャーペン」「廃盤トミカ」などがあります。これらは円盤状メディアではないので、廃盤という言葉は使えません。正しくは、「食品が廃番になる」「廃番おかし」「廃番シャーペン」「廃番トミカ」です。

廃盤の対義語

廃盤の対義語・反対語としては、新しく発売されたレコードやCD-ROM・DVD-ROMディスクなどを意味する「新盤」、新しく発売されたレコードやコンパクトディスクなどを意味する「新譜」などがあります。

廃盤の類語

廃盤の類語・類義語としては、一度出版した本の版を廃棄して再び発行しないことを意味する「絶版」、新聞や雑誌などの定期刊行物の刊行を廃止することを意味する「絶版」などがあります。

廃番の例文

1.メーカー廃番で販売終了となったコスメがどうしても欲しいので、メルカリで探しています。
2.家具が廃番になる理由には、デザインチェンジ、材料の変更、生産ラインの見直しなどが考えられます。
3.お気に入りの化粧品が廃番になったり、好きな映画DVDが廃盤になったり、悲しいことが続いています。
4.海外の顧客向けに、廃番のお知らせを英語で書いてサイトにアップしました。
5.愛用している廃番シャーペンが壊れてしまったら、修理できるのだろうか。
6.昨年編みかけだったセーターを編み始めたが、あと少しで完成のところで毛糸が足りなくなり、しかも毛糸が廃番になっていて続きをどうすべきか思案している。
7.やっとの思いで貯めたお金で高級時計を買おうとしたが、まさかの廃番で購入することができなかった。
8.家のテレビを修理に出したのはいいが、すでにその機種は廃番で部品も入手が難しいと言われ、結局修理を断られた。
9.たいへん申し訳ございません。お客様ご要望の製品はすでに廃番となっておりまして、現在はこの型番の商品のみの取り扱いとなっております。
10.この商品は廃番処分特価となっておりますが、当店独自の一年保証もついておりますので、安心してご購入ください。

この言葉がよく使われる場面としては、製造を止めること、また、製造を止めた品物や品番を表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、廃番という言葉は、化粧品、家具、シャーペンなど幅広い製品に対して使うことができます。

廃盤の例文

1.廃盤CDはフリマアプリで高額取引されやすいと聞いたけど、本当だろうか。
2.70年代洋楽の英語が聞き取りやすいので、廃盤になったレコードでリスニング力を鍛えています。
3.製造されなくなった化粧品を廃盤コスメと書いている通販サイトがあるけど、廃番コスメの間違いだろう。
4.絶版した本や廃盤レコードなどは、いつの日か価値が出るかもしれませんよ。
5.DVDで廃盤になっていた映画作品が、ブルーレイになってリリースされることがあります。
6.最近ファンになった歌手の、廃盤になった初回限定版CDをオークションサイトで見つけたが、なかなか高額なうえチェックしている人が何人もいて買おうか迷っている。
7.韓国のCD市場は日本と違ってすぐに廃盤となってしまうので、いつか買えばいいと思っていると泣きを見ることになるのだ。
8.廃盤になったレコードを中古レコード屋で買おうと思ったら、値段が跳ね上がってしまい買うことができなかった。
9.その楽曲はリリースされた当時、歌詞に問題があるとして、すぐに廃盤になってしまったといういわくつきの作品だ。
10.本日、紙ジャケットを含む廃盤タイトルが限定入荷いたしました。入荷リストは下記のアドレスをクリック!

この言葉がよく使われる場面としては、製造を中止したレコード盤、CD、DVDなどを表現したい時などが挙げられます。

例文4の「絶版」と「廃盤」の違いは、絶版は本などの出版物に使われることに対して、廃番はレコードやDVDなどの円盤状メディアに使われる点にあります。

廃番と廃盤という言葉は、どちらも「はいばん」と読みますが意味や使い方は異なります。どちらの言葉を使うか迷った場合、製品全般の製造を止めることを表現したい時は「廃番」を、特にレコードやCDの製造を止めることを表現したい時は「廃盤」を使うようにしましょう。

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