【連携】と【協力】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「連携」(読み方:れんけい)と「協力」(読み方:きょうりょく)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「連携」と「協力」という言葉は、どちらも「複数の人や団体がつながりを持つこと」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




連携と協力の違い

連携と協力の意味の違い

連携と協力の違いを分かりやすく言うと、連携とは連絡をとりあうことを表し、協力とは助け合うことを表すという違いです。

連携と協力の使い方の違い

一つ目の連携を使った分かりやすい例としては、「企業と大学が連携して社会に貢献する」「官民連携のアライアンス事業が始まります」「データ連携のイメージをイラストにする」「連携強化加算の施設基準を満たしている」などがあります。

二つ目の協力を使った分かりやすい例としては、「ご協力のほどよろしくお願いいたします」「メールで社内の各部署に協力を仰ぐ」「子ども食堂運営者に協力金を支給します」「仲間と協力することの大切さを実感しました」などがあります。

連携と協力の使い分け方

連携と協力という言葉は、どちらも複数の人や団体がつながって物事にあたることを表しますが、意味や使い方には違いがあります。

連携とは、互いに連絡をとりあって物事を行うことを意味し、複数の人や団体が関連しあって行動するさまを表現します。「官民連携」のように組織的なつながりを表すことが多い言葉ですが、「データ連携」のように事物のつながりを表すこともあります。

協力とは、力を合わせて事に携わることを意味し、互いに助け合いやサポートをしながら進めることを表します。「協力を仰ぐ」とは、他人に援助を求める際に用いられる表現で、相手に対して礼儀正しく助けを依頼する言い方です。

つまり、連携とは連絡をとりあうことのニュアンスが強く、協力とは助け合うことのニュアンスが強い言葉です。二つの言葉は似ていますが、意味は異なるので区別して使うようにしましょう。

連携と協力の英語表記の違い

連携も協力も英語にすると「collaboration」「cooperation」となり、例えば上記の「緊密な連携」を英語にすると「a close cooperation」となります。

連携の意味

連携とは

連携とは、互いに連絡をとり協力して物事を行うことを意味しています。

連携の使い方

連携を使った分かりやすい例としては、「保護者と教師の連携を図る仕組みをつくる」「小中の英語教育をスムーズに連携させるべきです」「システム連携にはメリットだけでなくデメリットもあります」などがあります。

その他にも、「アプリのID連携の設定方法が分かりません」「地域医療の連携事業を推進する」「調剤報酬点数表における連携強化加算が見直されました」「連携強化加算の算定要件を確認する」などがあります。

連携の「連」は訓読みで「つらなる」と読み、たくさんのものが並んで続くことを表し、「携」は訓読みで「たずさえる」と読み、手を取り合うことを表す漢字です。連携とは、同じ目的で何事かをしようとするものが、連絡をとり合って行うことを意味します。

「連携強化加算」の意味

連携を用いた日本語には「連携強化加算」があります。連携強化加算とは、新興感染症の発生時の体制確保に対する評価として、2022年度の診療報酬改定で新設された算定項目です。算定要件の主なポイントに施設基準があり、オンライン服薬指導の体制整備が追加されました。

連携の対義語

連携の対義語・反対語としては、一人だけ他から離れてつながりや助けのないことを意味する「孤立」などがあります。

連携の類語

連携の類語・類義語としては、互いに助け合うことや共同で物事を行うことを意味する「提携」、独立している二つ以上のものが一つになることを意味する「合同」、協力や提携して行うことを意味する「タイアップ」、チーム内の連係や協力態勢を意味する「チームワーク」などがあります。

協力の意味

協力とは

協力とは、力を合わせて事にあたることを意味しています。

協力の使い方

協力を使った分かりやすい例としては、「学校の先生方に協力を仰ぐ」「友達と協力して英語の宿題を終わらせました」「親子で協力するゲームで遊ぼう」「募金活動のポスターに協力をイメージしたイラストを入れる」などがあります。

その他にも、「募金以外でユニセフに協力する方法はありますか」「昔から付き合いのある協力会社との関係は良好です」「英語の学習を通して国際協力について考える」「介護報酬に協力医療機関連携加算が新たに創設されました」などがあります。

協力の「協」は、訓読みで「かなう」と読み、力を合わせることや調子を合わせることを表します。力を尽くすことや努めることを表す「力」と結びつき、ある目的のために心を合わせ努力することを意味します。

「協力会社」の意味

協力を用いた日本語には「協力会社」があります。協力会社とは、他の企業や官庁などから特定の業務を請け負った会社を意味します。建設業における協力会社とは、工事全体をとりまとめるゼネコンから発注を受け、専門工事を行う建設業者を指す言葉です。

協力会社は下請け会社とほぼ同じ意味ですが、「下請け」は上下関係を強く感じさせるため、近年は「協力会社」と呼ばれる傾向があります。

協力の対義語

協力の対義語・反対語としては、邪魔をすることを意味する「妨害」、敵としてはむかうことを意味する「敵対」などがあります。

協力の類語

協力の類語・類義語としては、複数の人または団体が力を合わせて物事を行うことを意味する「協同」、二人以上の者が一緒に事を行なうことを意味する「共同」、異なる分野の人や団体が協力して制作することを意味する「コラボレーション」などがあります。

連携の例文

1.今後はビジネスパートナーとの連携を強化し、さまざまなサービスを提供して参ります。
2.就活の自己PRでは、具体的なエピソードを挙げながら連携する力をアピールしました。
3.新しい学習指導要領では、国語教育と英語教育の連携が推奨されています。
4.学校と地域が連携し、協働を通じて子ども達の能力や資質を育んでいくべきです。
5.SNSアプリのアカウント連携の方法と使い方を、友達に教えてもらいました。

この言葉がよく使われる場面としては、互いに連絡をとりながら物事を行なうこと、手をたずさえて事にあたることを表現したい時などが挙げられます。

例文4にある連携と協働の違いは、連携はつながりあって物事を行うことを意味することに対し、協働は同じ目的のために共に働くことを意味する点です。連携よりも協働の方が、目的意識や達成する意欲が高いと言えるでしょう。

協力の例文

1.社員同士で協力する意識を高めるため、一致団結と書かれたポスターを職場に貼っています。
2.将来は国際協力NGOで働きたいのですが、求められる英語力はどれぐらいですか。
3.この地域の歳末助け合い運動は、地元の皆さまの協力を得て毎年12月に行われています。
4.クラスの一匹狼である彼が、文化祭の出し物に協力するとは思えません。
5.プロジェクトに支障が出そうな時は、早めにチームメンバーに協力を仰ぐようにしています。

この言葉がよく使われる場面としては、心を合わせて働くこと、力を合わせて努力すること、協同して働くことを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、協力の慣用的な言い回しには「協力する」「協力を得る」「協力を仰ぐ」などがあります。

例文1にある「一致団結」は協力を意味する四字熟語であり、多くの人が心を一つに合わせて堅く結ばれるさまを表します。

連携と協力という言葉は、どちらも「複数の人や団体がつながりを持つこと」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、連絡をとりあうことを表現したい時は「連携」を、力を合わせることを表現したい時は「協力」を使うようにしましょう。

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