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【与件】と【要件】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「与件」(読み方:よけん)と「要件」(読み方:ようけん)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「与件」と「要件」という言葉は、「必要な条件」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




与件と要件の違い

与件と要件の意味の違い

与件と要件の違いを分かりやすく言うと、与件は前提条件を表現する時に使い、要件は重要条件を表現する時に使うという違いです。

与件と要件の使い方の違い

一つ目の与件を使った分かりやすい例としては、「与件データを確認してから研究に手を付ける」「与件が変化する場合も柔軟に対応しなければならない」「農業に関する与件の一つは環境であるため想像を超えてくることもあるだろう」などがあります。

二つ目の要件を使った分かりやすい例としては、「そのアプリを入手するためのシステム要件を満たしていない」「要件定義のステップをスルーできない」「保険の加入要件に一度目を通すよう言われたがすっかり忘れていた」などがあります。

与件と要件の使い分け方

与件と要件はどちらも必要な条件を表す言葉ですが、表される条件の内容が異なります。

与件は、物事を解決する時や研究する時の前提となる条件を意味する言葉です。必ず参考にして物事を考えていく場合に使われています。

一方の要件は、必要な条件という意味の他に大切な要件という意味もあり、ビジネスシーンで使われる場合には、求められる機能などを指します。

したがって、与件は事前に考慮すべき前提となる条件に対して使い、要件は求められた要求を踏まえた上で必要なものに対して使われるため、若干ニュアンスが異なります。

与件と要件の英語表記の違い

与件を英語にすると「given」となり、例えば上記の「与件データ」を英語にすると「given date」となります。

一方、要件を英語にすると「requirement」「request」となり、例えば上記の「システム要件」を英語にすると「the system requirement」となります。

与件の意味

与件とは

与件とは、解決されるべき推理や研究の前提となる条件を意味しています。

与件の使い方

与件を使った分かりやすい例としては、「与件整理をしっかりと行うことで今後の計画進行がスムーズになる」「取引先に与件を聞いていない場合は一度尋ねてみるのがいいだろう」「文化や慣習を上手く活用することは与件とも言える」などがあります。

その他にも、「感覚与件の考え方は心理学的なものと哲学的なものがあるようだ」「商売において商品の価格は第一の与件として扱われる」「その物事を考えるにあたっていくつかの与件を考慮しなければならない」などがあります。

与件の与という漢字は、他者に物事を与えることや関わりを持つことを持つことを意味します。このことから、与件は与えられた条件を表します。

「与件整理」の意味

上記例文の「与件整理」とは、事前に提示された条件をまとめて課題や目標を明確にすることを意味する言葉で、ビジネスシーンで多く使われます。これを整理しまとめた文書を「与件書」や「与件文」と言います。

「感覚与件」の意味

また、上記例文の「感覚与件」とは、視覚や触覚といった感覚を通じて意識に表われるものを意味する言葉で、「感覚所与」、心理学においては「感覚単位」とも訳されています。具体的には、目に見える形、耳にできる音や、舌で得られる味などの情報を指します。

与件の対義語

与件の対義語・反対語としては、思考を巡らせたり論じたりすることで最終的な判断をまとめることを意味する「結論」があります。

与件の類語

与件の類語・類義語としては、物事を成り立たせている基本的な内容や条件を意味する「要素」、他から与えられることを意味する「所与」などがあります。

要件の意味

要件とは

要件とは、必要とされる重要な条件を意味しています。

表現方法は「要件を満たす」「要件を伝える」「要件を詰める」

「要件を満たす」「要件を伝える」「要件を詰める」などが、要件を使った一般的な言い回しです。

要件の使い方

要件を使った分かりやすい例としては、「法律要件と法律効果の確認をする」「システム要件をリストにまとめておく」「制度への申請要件を尋ねて書類に不備がないよう準備する」「避難指示解除の要件を満たしていない場合は油断してはいけない」などがあります。

一方、「要件定義をどれ程詰めて行うかでチームの行動方針もしっかりと定められる」「要件漏れが発生したのかクレームが入っていた」などの文中で使われている要件は、「重要な事柄」の意味で使われています。

要件の要という漢字は、大切なところや求めることを意味します。そのため、要件という言葉は、必要な条件や重要とされる事柄を指す場合に使われています。

「法律要件」の意味

上記例文の「法律要件」とは、法律効果のために要求される事実を意味する言葉で、要件とだけ言われる場合もあります。効果に応じて「成立要件」や「対抗要件」などと分けて呼ばれ、要件の特性から「積極的要件」と「消極的要件」とに分けて呼ばれています。

「要件定義」の意味

また、上記例文の「要件定義」とは、開発業務において必要な性能や機能を明確にしていく作業を指す言葉で、「上流工程」とも言われています。要求されたものを実現するためにどのような手段を取るのかなどを定めてから細部の設計までを表す場合もあります。

要件の対義語

要件の対義語・反対語としては、小さなことで重要ではない様子を意味する「瑣末」、度を超えて無駄なことを意味する「余計」、付け加える必要のないものを意味する「蛇足」があります。

要件の類語

要件の類語・類義語としては、判断や行動などの根拠や理由となることを意味する「基本」、必ず用いるべきことを意味する「必須」、共通で適用される法則を意味する「原則」、何かをする時の土台を意味する「素地」などがあります。

与件の例文

1.経済的な諸与件は社会や歴史の移ろいと共に変化するもので、企業ごとにメリットとなることもあればデメリットとなる場合もある。
2.与件を整理した後書類にまとめ、先輩に一度目を通してもらってから印刷しようと思っていたが、先輩は先に退勤したようだった。
3.顧客に明確に提示されずとも事前の話し合いの中で与件を捉えなければならないため、相手の言葉を繰り返しがちだ。
4.与件を生かすことで特定の銘柄の酒を作ることに特化し、多くの人に満足してもらえている酒蔵もそこまで多くはない。
5.自然を与件とするだけでなく、必要であれば他分野の考察なども視野に入れてそのプロジェクトに手を付けるべきだろう。
6.このイベントの集客をはかることが営業部の与件としてあるため、編集部も次号はイベントの告知PRを入れつつ、このエリアの特集号を発行する予定です。
7.計画に取り掛かる際は、やみくもに作業に取り掛かるのではなく、与件整理を行うことで計画はスムーズになると教わりました。
8.クリエイティブな職場で経営を改善するという言説にはいくつかの与件が考えられるはずだが、それについては言及されていない。
9.グラフィックスデザインをするにあたっては、いくつかの与件を確認しなければならないので、近々ミーティングを行う予定だ。
10.クライアントに与件を聞かないまま仕事を進めてしまったために、勝手な解釈でプロトタイプを作ってしまい、結果的に修正に時間がかかってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、解決されるべき推理や研究の前提となる条件などが挙げられます。

例文2の「与件を整理」は「与件整理」と言うこともでき、また与件をまとめた書類はまれに「与件書」とも呼ばれています。

要件の例文

1.要件定義をする際は顧客ととことん話をすることで最終的な顧客満足度が大きく変わると思っている。
2.次のバージョンがリリースされる時にアプリのサイズが大きくなっていたら、アップデートが出来なくなるだろうことは要件を確認してわかったことだ。
3.確かに要望通りの商品だったが、すぐに修理依頼をする必要あるなど非機能要件に問題があるため、リピートすることはないだろう。
4.気になったアプリケーションをダウンロードする前にソフトを実行するためのシステム要件を一度確認しておく。
5.商品を開発する段階で要件が不足していたら頓挫してもおかしくないため、チームメンバー皆が慎重になっている。
6.応募したい会社があるのだが応募要件をすべてを満たしていないと受けても無駄なのだろうか。絶対条件ではないはずだよ。応募してみた方がいい。
7.久々に大学時代の先輩に電話をしたので積もる話もあるのですが、忙しかったようで要件は手短にとあしらわれてしまいました。
8.パート・アルバイトの社会保険の加入要件が拡大したことにより、多くの非正規労働者は様々な保障を受けることができます。
9.企業から内定をもらったものの、もしこの論文を書き終えないと卒業要件を満たすことができずに留年なんてことにもなりかねない。
10.若手時代には要件がなくとも毎日のように電話してきてくれたのに、仕事が忙しくなってからは音信不通になってしまった。

この言葉がよく使われる場面としては、必要とされる重要な条件などが挙げられます。

例文3の「非機能要件」とは、顧客や発案者の要望として搭載されたもの以外の機能を指す言葉で、具体的に性能やセキュリティなどが挙げられます。

与件と要件は、どちらも「必要な条件」を表します。どちらを使うか迷った場合は、前提条件を表す場合は「与件」を、重要条件を表す場合は「要件」を使うと覚えておけば間違いありません。

言葉の使い方の例文
編集者
株式会社セラーバンク/例文買取センター運営
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