似た意味を持つ「お立ち寄りください」(読み方:おたちよりください)と「お越しください」(読み方:おこしください)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「お立ち寄りください」と「お越しください」という言葉は、どちらも来てほしいことを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「お立ち寄りください」と「お越しください」の違い
「お立ち寄りください」と「お越しください」の意味の違い
「お立ち寄りください」と「お越しください」の違いを分かりやすく言うと、「お立ち寄りください」の方が「お越しください」よりも軽いニュアンスで使う言葉という違いです。
「お立ち寄りください」と「お越しください」の使い方の違い
一つ目の「お立ち寄りください」を使った分かりやすい例としては、「都合の良い時で構いませんのでお立ち寄りください」「近くに来ることがあればぜひお越しください」「今度大阪に遊びに来たときはお立ち寄りください」などがあります。
二つ目の「お越しください」を使った分かりやすい例としては、「大変恐縮ですが弊社までお越しください」「指定の時間までに2階の会議室にお越しください」「当店はドレスコードでお越しください」などがあります。
「お立ち寄りください」と「お越しください」の使い分け方
「お立ち寄りください」と「お越しください」はどちらも来てほしいことを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「お立ち寄りください」の方が「お越しください」よりも軽いニュアンスで使う言葉という点です。
では軽いニュアンスは何かというと、「お立ち寄りください」は来ることを強く願うというよりかは、来てくれたら嬉しいという意味で使います。一方、「お越しください」は来てほしいと願う場合に使うのが一般的です。
分かりやすい例を挙げると、「お立ち寄りください」は「近くまで来たときはぜひお立ち寄りください」のような軽いニュアンスで使います。一方、「お越しください」は「それでは土曜日の19時にお越しください」ように、日時を指定して来訪をお願いする場合に使うことが多いです。
「お立ち寄りください」と「お越しください」の英語表記の違い
「お立ち寄りください」も「お越しください」も英語にすると「please come」となります。
「お立ち寄りください」の意味
「お立ち寄りください」とは
「お立ち寄りください」とは、来てほしいことを意味しています。
「お立ち寄り下さい」は誤用
「お立ち寄りください」を「お立ち寄り下さい」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「お立ち寄りください」の「ください」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
表現方法は「お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」「機会がありましたらお立ち寄りください」
「お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」「機会がありましたらお立ち寄りください」「お気軽にお立ち寄りください」などが、「お立ち寄りください」を使った一般的な言い回しになります。
「お立ち寄りください」の使い方
「お立ち寄りください」を使った分かりやすい例としては、「移転後は大変アクセスが良くなったのでお立ち寄りください」「先月オープンしたのでお通りの節にはぜひお立ち寄りください」「お時間がありましたらお立ち寄りください」などがあります。
「お立ち寄りください」は目的地へ行く途中ついでに訪れることを意味する「立ち寄る」に、接頭語の「お」、相手に何かを要望や懇願することを意味する「ください」が合わさり、来てほしいことの意味で使われている言葉です。
「お立ち寄りください」は正しい敬語表現ではあるもののややカジュアルな言葉なので、社外の人などのかしこまった場面で使うのはあまり適していません。
また、「お立ち寄りください」は軽いニュアンスで使うので、必ず来てほしい場合ではなく来てくれたら嬉しいという意味で使うのが一般的と覚えておきましょう。
「お立ち寄りください」をさらに丁寧にした表現
「お立ち寄りください」をさらに丁寧表現したいのであれば、「お立ち寄りいただきたく存じます」「お立ち寄りくださいませ」「お立ち寄りいただけると幸いです」「お立ち寄りくださいますようお願い申し上げます」などがあります。
「お立ち寄りください」の類語
「お立ち寄りください」の類語・類義語としては、来てくださいを丁寧に表現した言葉である「いらしてください」があります。
「お越しください」の意味
「お越しください」とは
「お越しください」とは、来てほしいことを意味しています。
「お越し下さい」は誤用
「お越しください」を「お越し下さい」とするのは誤用です。
ではなぜ誤用かと言うと、「お越しください」の「ください」は補助動詞であり、日本語には動詞は漢字表記し、補助動詞はひらがなで表記するという決まりがあるのが理由になります。
表現方法は「お気をつけてお越しください」「お越しくださいますようお願いいたします」
「お気をつけてお越しください」「お越しくださいますようお願いいたします」などが、「お越しください」を使った一般的な言い回しになります。
「お越しください」の使い方
「お越しください」を使った分かりやすい例としては、「当日は9時までに会場へお越しください」「明日は足元にお気をつけてお越しください」「当日は混雑が予想されるため電車でお越しください」「明日は事件厳守でお越しください」などがあります。
「お越しください」は来ることの尊敬語である「お越し」に、相手に何かを要望や懇願することを意味する「ください」が合わさり、来てほしいことの意味で使われている言葉です。
「お越しください」は正しい敬語表現なので、ビジネスシーンにおいて上司や取引先などの目上の人に対して使うことができます。また、日常生活においても使うことができる言葉です。
「お越しください」は自分の元へ来てほしいと強く願う場合に使う言葉なので、「それでは火曜日の10時頃お越しください」のように、日時を指定して来訪をお願いする場合に使うことが多いと覚えておきましょう。
「お越しください」は二重敬語ではない
「お越しください」は同じ種類の敬語を重ねているので、二重敬語だと勘違いしやすいですが、正しい敬語になります。二重敬語とは「ご覧になられる」「お帰りになられる」などのように、一つの単語に同じ種類の敬語を重ねた場合を指します。
もし、「お越しになられる」とするのであればそれは二重敬語なので、使わないよう注意が必要です。
「お越しください」の類語
「お越しください」の類語・類義語としては、来るや行くを丁寧に表現した言葉を意味する「おいでください」来てくださいの敬語表現を意味する「いらっしゃってください」などがあります。
「お立ち寄りください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、来てほしいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お立ち寄りください」は書き言葉と話し言葉どちらでも使うことができる言葉です。
「お越しください」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、来てほしいことを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「お越しください」は書き言葉と話し言葉どちらでも使うことができる言葉です。
「お立ち寄りください」と「お越しください」はどちらも来てほしいことを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「お立ち寄りください」の方が「お越しください」よりも軽いニュアンスで使う言葉と覚えておきましょう。