似た意味を持つ「諸般の事情」(読み方:しょはんのじじょう)と「諸事情」(読み方:しょじじょう)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「諸般の事情」と「諸事情」という言葉は、どちらもいろいろな都合やもろもろの理由があることを意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
「諸般の事情」と「諸事情」の違い
「諸般の事情」と「諸事情」の意味の違い
「諸般の事情」と「諸事情」の違いを分かりやすく言うと、「諸般の事情」は「諸事情」よりもかしこまった表現という違いです。
「諸般の事情」と「諸事情」の使い方の違い
一つ目の「諸般の事情」を使った分かりやすい例としては、「諸般の事情により今回は欠席させていただきます」「この度は諸事情により退職することとなりました」「本日のコンサートは諸般の事情により中止となりました」などがあります。
二つ目の「諸事情」を使った分かりやすい例としては、「私たちは避難者が抱える諸事情を理解する必要があります」「諸事情により本日の握手会は中止とさせていただきます」「諸事情により発表が遅れてしまい申し訳ございません」などがあります。
「諸般の事情」と「諸事情」の使い分け方
「諸般の事情」と「諸事情」はどちらもいろいろな都合やもろもろの理由があることを意味しており、大きな違いはありません。あえて違いを挙げるならば、「諸般の事情」の方が「諸事情」よりもかしこまった表現という点です。
ただし、どちらの言葉も目上の人に対して使うのはあまり適していないので、お互いに置き換えて使っても問題ありません。
「諸般の事情」と「諸事情」の英語表記の違い
「諸般の事情」も「諸事情」も英語にすると「various reasons」「for various reasons」となり、例えば上記の「本日のコンサートは諸般の事情により中止となりました」を英語にすると「Today’s concert was canceled due to various reasons」となります。
「諸般の事情」の意味
「諸般の事情」とは
「諸般の事情」とは、いろいろな都合やもろもろの理由があることを意味しています。
「諸般の事情」の読み方
「諸般の事情」の読み方は「しょはんのじじょう」です。誤って「しょぱんのじじょう」などと読まないようにしましょう。
表現方法は「諸般の事情を鑑み」「諸般の事情にて」「諸般の事情により」
「諸般の事情を鑑み」「諸般の事情にて」「諸般の事情により」などが、「諸般の事情」を使った一般的な言い回しになります。
「諸般の事情」の使い方
「諸般の事情」を使った分かりやすい例としては、「諸般の事情で出張先が北海道へ変わりました」「諸般の事情により回答に少しお時間がかかります」「本大会は諸般の事情により日韓の共同開催となりました」などがあります。
「諸般の事情」とはいろいろな都合やもろもろの理由があることを意味する言葉で、相手に事情や理由を明かしたくない場合や事情が複雑で説明が困難な時など、婉曲的に表現したい時に使います。婉曲とは、言いまわしが穏やかでかど立たないことを意味しています。
「諸般の事情」は主に、何かを辞退する時、中止する時、物事の内容を変更する時、欠席する時などで使われています。
「諸般の事情」は目上の人には失礼
ビジネスシーンにおいても使うことができますが、曖昧な表現であり相手に対して事情を説明しないということなので、目上の人に対して使うのはあまり好ましくありません。
もし、目上の人に対して使いたいのであれば、物事を推察することを意味する敬語の「ご賢察」を使用し、「諸般の事情をご賢察くだされば幸いです」などとするようにしましょう。
「諸般の事情」の類語
「諸般の事情」の類語・類義語としては、個人的な問題や事情のことを意味する「一身上の都合」、そうするよりほかに方法がない状態のことを意味する「やむをえない事情」などがあります。
「諸事情」の意味
「諸事情」とは
「諸事情」とは、いろいろな都合やもろもろの理由があることを意味しています。
表現方法は「諸事情により欠席」「諸事情で」「諸事情をご勘案の上」
「諸事情により欠席」「諸事情で」「諸事情をご勘案の上」などが、「諸事情」を使った一般的な言い回しになります。
「諸事情」の使い方
「諸事情」を使った分かりやすい例としては、「こちらの内容は諸事情により変更される場合があります」「この度は諸事情により芸能界を引退することとなりました」「諸事情により発売日が延期となりました」などがあります。
「諸事情」とはいろいろな都合やもろもろの理由があることを意味する言葉で、相手に事情や理由を明かしたくない場合や事情が複雑で説明が困難な時など、婉曲的に表現したい時に使います。婉曲とは言いまわしが穏やかでかど立たないことを意味しています。
「諸事情」は主に、何かを辞退する時、中止する時、物事の内容を変更する時、欠席する時などで使われています。
「諸事情」を使う上で注意しなければならないのは、明確な理由がはっきりしている場合には使えないという点です。例えば、高熱を出しで会社を休んでいる場合などは、会社を休む理由が明白なので、わざわざ「諸事情」を使う必要はありません。
また、相手に対して詳しく説明しなければならない場面でも、「諸事情」を使うのは適していないと覚えておきましょう。
「諸事情」の類語
「諸事情」の類語・類義語としては、 いろいろなものが複雑に入り組んでいる状態のことを意味する「込み入った事情」、特別の理由のことを意味する「仔細」などがあります。
「諸般の事情」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、いろいろな都合やもろもろの理由があることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「諸般の事情」は何かを辞退する場合や、中止する場合に使うことが多い言葉です。
「諸事情」の例文
この言葉がよく使われる場面としては、いろいろな都合やもろもろの理由があることを表現したい時などが挙げられます。
上記の例文にあるように、「諸事情」は何かを辞退する場合や、中止する場合に使うことが多い言葉です。
「諸般の事情」と「諸事情」はどちらもいろいろな都合やもろもろの理由があることを表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、「諸般の事情」の方が「諸事情」よりもかしこまった表現と覚えておきましょう。