似た意味を持つ「ミニマル」と「ミニマム」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。
どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。
「ミニマル」と「ミニマム」という言葉は、「最小限」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。
ミニマルとミニマムの違い
ミニマルとミニマムの意味の違い
ミニマルとミニマムの違いを分かりやすく言うと、ミニマルは可能な限り最小限である様子を表現する時に使い、ミニマムは一定範囲において必要最小限である様子を表現する時に使うという違いです。
ミニマルとミニマムの使い方の違い
一つ目のミニマルを使った分かりやすい例としては、「ミニマル・アートを中心とした展示会へと足を運ぶ」「友人の生活はミニマル化されていて服があまり存在しなかった」「ミニマルペアを活用して英語を学ぶ」などがあります。
二つ目のミニマムを使った分かりやすい例としては、「ミニマムサイズのポーチでは容量が足りなかった」「ミニマムショートヘアにしたことで驚かれた」「ミニマムな編成でしっとりとした音楽をコンサートで聞かせてくれた」などがあります。
ミニマルとミニマムの使い分け方
ミニマルとミニマムのどちらの言葉も最小限のものを意味する言葉ですが、意味合いや使い方が異なります。
ミニマルを使った言葉には、装飾的な部分などをできるだけ無くし、シンプルな形や色で表現を行う「ミニマル・アート」や、音の違いが1か所だけあることで意味が区別できる単語の組み合わせを意味する「ミニマルペア」などがあります。
一方のミニマムを使った言葉には、生活における最低限度を表す「ナショナル・ミニマム」や、最低輸入機会と呼ばれる「ミニマム・アクセス」などがあります。
これらの言葉から分かるように、ミニマルは快適さは残しつつも可能な限り最小限である様子を表しますが、ミニマムはその分野などの範囲において最小限である様子を表すため、使い方が若干異なります。
例えば、インテリアにおいてミニマルは無駄な家具や機能を省いたデザインを指し、ミニマムはサイズ感の小さい家具や家具が少ない状態を指します。そのため、ミニマルである状態は必ずしもミニマムであるとは言えません。
ミニマルとミニマムの英語表記の違い
ミニマルを英語にすると「minimal」となり、例えば上記の「ミニマル・アート」を英語にすると「minimal art」となります。一方、ミニマムを英語にすると「minimum」となり、例えば上記の「ミニマムサイズ」を英語にすると「the minimum size」となります。
ミニマルの意味
ミニマルとは
ミニマルとは、最小限である様子を意味しています。
表現方法は「ミニマルな暮らし」「ミニマルに暮らす」「ミニマルなデザイン」
「ミニマルな暮らし」「ミニマルに暮らす」「ミニマルなデザイン」などが、ミニマルを使った一般的な言い回しです。
ミニマルの使い方
ミニマルを使った分かりやすい例としては、「ミニマル・ミュージックを聞いていると作業が捗る」「ミニマルな洋服が似合う人は何を着ても似合うと思っている」「ミニマルアートは多くの創作者に対して影響を与えた」などがあります。
その他にも、「ミニマルデザインを突き詰めたウェブサイトは非常に見やすい」「ミニマル化された暮らし方は自分には想像できない」「ミニマルグッズを設置することで空間が広く感じることもある」などがあります。
ミニマルは英語で「minimal」という表記で、形容詞として使われています。カタカナ語として使う場合もミニマルだけではなく、他の名詞などと一緒に使われることがほとんどです。
ファッション用語として使われる場合は形や色がシンプルな状態を指し、音楽用語には上記例文の「ミニマル・ミュージック」という言葉もあり、定められたパターンを反復させる音楽を指します。
「ミニマルデザイン」の意味
上記例文の「ミニマルデザイン」はユーザーに伝えたいものを残してシンプルな装飾デザインを指しますが、外観だけではなく必要最小限の機能を選別して設計することも意味します。
ミニマルの対義語
ミニマルの対義語・反対語としては、最大限である様子を意味する「マキシマル」があります。
ミニマルの類語
ミニマルの類語・類義語としては、極めて小さいことを意味する「ミクロ」、非常に小さいことを意味する「微小」、小さい様子を意味する「眇眇」(読み方:びょうびょう)などがあります。
ミニマムの意味
ミニマムとは
ミニマムとは、最小限を意味しています。
表現方法は「ミニマムな暮らし」「ミニマムに暮らす」「ミニマムな生活」
「ミニマムな暮らし」「ミニマムに暮らす」「ミニマムな生活」などが、ミニマムを使った一般的な言い回しです。
ミニマムの使い方
ミニマムを使った分かりやすい例としては、「ミニマムサイズのものを購入したが大きいのを買えばよかった」「ミニマム級は体重が約47kg以下の選手が出場する試合だ」「ミニマムな暮らしは不便なこともありそうだ」などがあります。
その他にも、「ミニマム・エッセンシャルズに関しての指導を受ける」「ミニマムインカムの創設を公約に掲げている政党がいくつかある」「ミニマムスタイルとミニマルファッションは混同されることが多い」などがあります。
ミニマムは英語で「minimum」という表記で、名詞や形容詞、副詞など様々な使い方がされており、カタカナ語として使う場合にも同じように使われます。中でも、数学用語として使われる場合には関数における極小値を意味します。
「ミニマムサイズ」の意味
上記例文の「ミニマムサイズ」とは、最小の大きさや非常に小さいサイズを意味する言葉で、衣類の大きさや機器類の規格など多くの製品に使われています。
「ミニマム・エッセンシャルズ」の意味
また、上記例文の「ミニマム・エッセンシャルズ」とは、最低限教えられるべき教材や教育内容を指す言葉で、児童や生徒だけでなく社会人にとって必要な知識を表す場合にも使われています。
この「ミニマム・エッセンシャルズ」や「ミニマム級」「ミニマムインカム」などのように、一定の範囲の中での最小限である場合に対して使われることがほとんどです。
ミニマムの対義語
ミニマムの対義語・反対語としては、最大や極大を意味する「マキシマム」があります。
ミニマムの類語
ミニマムの類語・類義語としては、下の方の限界を意味する「下限」、極めて小さいことを意味する「極小」、大きさが手ごろで扱いやすい様子を意味する「ハンディー」などがあります。
ミニマルの例文
この言葉がよく使われる場面としては、最小限である様子などが挙げられます。
例文1の「ミニマルインテリア」は生活必需品や、その他必要な最低限のものだけで生活するスタイルを指す言葉で、これを徹底する人は「ミニマリスト」と呼び、ミニマルインテリアを中心とする考え方を「ミニマリズム」と呼びます。
ミニマムの例文
この言葉がよく使われる場面としては、最小限などが挙げられます。
例文1、例文2と例文5のミニマムは、物の大きさに対して使われていますが、例文3は物の量に対して使われています。
また、例文4の「ミニマムスコア」は、大会出場などのための最低技術点や基準点を指す言葉で、特にフィギュアスケートにて使われている言葉です。
ミニマルとミニマムは、どちらも「最小限」を表します。どちらを使うか迷った場合は、可能な限り最小限である様子を表す場合は「ミニマル」を、一定範囲において必要最小限である様子を表す場合は「ミニマム」を使うと覚えておけば間違いありません。