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【謁見】と【拝謁】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「謁見」(読み方:えっけん)と「拝謁」(読み方:はいえつ)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「謁見」と「拝謁」という言葉は、どちらも「身分の高い人と面会すること」を意味しているという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




謁見と拝謁の違い

謁見と拝謁の意味の違い

謁見と拝謁の違いを分かりやすく言うと、謁見とは手続きをしたうえで公的に面会する場合に使い、拝謁とは自分をへりくだって表現する場合に使うという違いです。

謁見と拝謁の使い方の違い

一つ目の謁見を使った分かりやすい例としては、「両陛下に謁見を賜る機会を得られました」「エリザベス女王に謁見するためバッキンガム宮殿に出向く」「法王の個人謁見の申し出は慎重に審査がなされます」などがあります。

二つ目の拝謁を使った分かりやすい例としては、「叙勲の伝達式で天皇陛下に拝謁する」「天皇皇后両陛下の拝謁を賜ることに なりました」「昭和天皇拝謁記が出版され大きな反響を呼んでいます」などがあります。

謁見と拝謁の使い分け方

謁見と拝謁という言葉は、どちらも身分の高い人や目上の人に会うことを表す文章語ですが、厳密な意味や使い方には違いがあります。

謁見とは、貴人または目上の人に会うことを意味し、会うための手続きを踏んで公的に会う場合に用いられることが多い言葉です。上記の例文にある「個人謁見」とは、法王との謁見を希望する一般人が事前に諸手続きをして、審査が通った場合に認められるものです。

拝謁とは、君主や天皇などに面会することをいう謙譲語です。敬意を払うべき貴人や目上の人に会う場合に用いられます。謁見のような、手続きを踏んで面会するというニュアンスはありません。

謁見と拝謁の英語表記の違い

謁見も拝謁も英語にすると「audience」「presentation」「consultation」となり、例えば上記の「謁見を賜る」を英語にすると「have an audience」となります。

謁見の意味

謁見とは

謁見とは、貴人または目上の人に会うことを意味しています。

謁見の読み方

謁見の読み方は、音読みで「えっけん」です。音読みと訓読みを組み合わせた重箱読みや湯桶読みではありません。

謁見の「謁」は訓読みで「まみえる」と読み、身分の高い人に面会することや、お目通りすることを表わす漢字です。人に会うことを表す「見」と組み合わさり、謁見とは、高貴な家柄の人や地位の高い人に会うことを意味します。

表現方法は「謁見を賜る」「謁見を請う」「謁見を求める」

「謁見を賜る」「謁見を請う」「謁見を求める」などが、謁見を使った一般的な言い回しです。

謁見の使い方

謁見を使った分かりやすい例としては、「諸大名らが式日に将軍に謁見する」「エリザベス女王に謁見する日を迎えました」「謁見する際の作法を確認する」「一般人でも天皇陛下へ謁見要求できるのだろうか」などがあります。

その他にも、「一行は庭園から謁見室へと誘導された」「トプカプ宮殿の謁見の間を訪れました」「教皇謁見の英語ガイドツアーに参加しました」「ローマ法王謁見式の入場券を手に入れる」などがあります。

謁見という言葉は、日常では会うことの難しい人に会うために、手続きを踏んだうえで公的に面会する場合に使われることが多い文章語です。目上の人に会うことも意味しますが、日常で会う上司や先生などに対して使うことはありません。

「謁見行為」は誤り

謁見を用いた誤った表現には「謁見行為」があります。正しくは「越権行為」であり、与えられた権限を越えて事をおこなうことを意味します。

謁見の対義語

謁見の対義語・反対語としては、身分の高い人が公式に会見することを意味する「接見」、呼び入れて対面することを意味する「引接」などがあります。

謁見の類語

謁見の類語・類義語としては、貴人や目上の人にお目にかかることを意味する「お目見え」、内々で謁見することを意味する「内謁」、人に会うことをへりくだっていう語を意味する「拝顔」などがあります。

拝謁の意味

拝謁とは

拝謁とは、身分の高い人に面会することをへりくだっていう語を意味しています。

拝謁の読み方

拝謁の読み方は「はいえつ」です。誤って「はいかつ」などと読まないようにしましょう。

拝謁の使い方

拝謁を使った分かりやすい例としては、「皇居にて両陛下に拝謁いたします」「昭和天皇の生々しい肉声が拝謁記に残されています」「初代宮内庁長官の拝謁記がNHKスペシャルに取り上げられました」などがあります。

その他にも、「皇帝に拝謁を許される」「国王陛下に拝謁する」「旗本が将軍に直接拝謁することは珍しかった」「英語留学をしていた当時イギリス女王に拝謁を承る機会がありました」などがあります。

拝謁とは、君主や天皇など身分の高い人に面会することを意味する謙譲語です。拝謁の「拝」は自分の行為に冠して相手に敬意を示す語であり、拝謁という言葉は、つつしんでお目にかかることを表します。謙譲語であるため、目上の人の行為に使うことは失礼に当たるので注意しましょう。

「拝謁記」の意味

上記の例文にある「拝謁記」とは、終戦後に初代の宮内庁長官を務めた田島道治が、昭和天皇と面会した際のやり取りなどを記録していたものです。昭和天皇の本音が書き残されており、昭和史を研究する上での貴重な資料とされています。

拝謁の対義語

拝謁の対義語・反対語としては、地位の高い人が人を呼び入れて対面することを意味する「引見」などがあります。

拝謁の類語

拝謁の類語・類義語としては、身分の高い人にお目にかかることを意味する「目通り」、参上して目上の人に対面することを意味する「見参」、人に会うことをその人を敬っていう謙譲語を意味する「拝眉」、臣下が朝廷に参内して天子に拝謁することを意味する「朝見」などがあります。

謁見の例文

1.来日したスペイン国王に謁見を賜るという、たいへん名誉な出来事がありました。
2.ローマ法王との謁見を果たした中学生は、「一生忘れません」と英語でメッセージが伝えていました。
3.最古の漢字がつくられたという殷王朝の君主に、日本人が謁見したという記録はありません。
4.謁見を終えた教皇は、参向された時と逆の順序でお迎えの車に乗車されてバチカン宮殿を退出されました。
5.バチカン旅行をした際に、ローマ教皇フランシスコの一般謁見に参列しました。
6.応募した短歌が歌会始に入選したということは、すなわち両陛下と謁見できるということであります。
7.私は国に帰るために何としてでも国王陛下に謁見する必要があったが、異国の地でそのようなことは不可能に近かった。
8.この場所は謁見の間と言われ、王様が座っていたとされる豪華絢爛な玉座が今でも威厳を放っています。
9.私は老獪な侍従が謁見の希望者のリストを見ながら、皇帝の耳もとで何かささやくのを目撃した。
10.私はついに将軍様に謁見する機会を得た。私は衣冠束帯の出で立ちで、お城の中枢に通されました。

この言葉がよく使われる場面としては、貴人や目上の人にお目にかかることを表現したい時などが挙げられます。

例文1の「謁見と賜る」とは、謁見してもらうことを意味する敬語表現です。「賜る」は「もらう」を意味する謙譲語になります。

拝謁の例文

1.日本国民にとって最高の栄誉といえる勲章や褒章の受章者は、配偶者同伴で天皇陛下に拝謁することができます。
2.天皇陛下に拝謁を賜ることは感慨無量であり、これからも社会に尽くしていきたいという思いを新たにしました。
3.英語弁論大会の最終日に開催されたレセプションでは、皇太子妃殿下に拝謁することができました。
4.初代宮内庁長官が昭和天皇との対話を書き残した「拝謁記」を読むと、天皇の本音や考えの揺らぎが伝わってくる。
5.江戸時代、大名は将軍に拝謁するため、定期的に国許から江戸へ家来とともに往来しなければなりませんでした。
6.彼らは一万石を有するとはいえ、将軍との主従関係を持たなかったので、拝謁の資格を有しなかったのである。
7.国は使節を厚くもてなした。使節の一行は言われるがまま馬車に乗せられ、ホテルから宮殿へと拝謁に出かけたることになった。
8.軍の参謀総長が皇帝陛下に拝謁。敵国との重大な作戦の開始を命じる重大命令の裁可を受けた。
9.友人は戦時中から戦後にかけての歴史に興味があったので、図書館で昭和天皇拝謁記を借りて熱心に読んでいました。
10.万が一私が国王に拝謁を許されるとするなら、この国の惨状をありのままお伝えしとうございます。

この言葉がよく使われる場面としては、君主など高貴の人にお目にかかることを表現したい時などが挙げられます。

上記の例文にあるように、拝謁という言葉は、天皇や将軍など貴人や地位の高い人と面会する場合に用いられる謙譲語です。

謁見と拝謁という言葉は、どちらも「身分の高い人にお目にかかること」を表します。どちらの言葉を使うか迷った場合、手続きをしたうえで公的に面会することを表現したい時は「謁見」を、身分の高い人と面会することをへりくだって表現したい時は「拝謁」を使うようにしましょう。

言葉の使い方の例文
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