【フォロー】と【フォローアップ】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「フォロー」と「フォローアップ」の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「フォロー」と「フォローアップ」という言葉は、「他者の支えになること」という共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。




フォローとフォローアップの違い

フォローとフォローアップの意味の違い

フォローとフォローアップの違いを分かりやすく言うと、フォローは不足を補助することを表現する時に使い、フォローアップは定着するまで世話をすることを表現する時に使うという違いです。

フォローとフォローアップの使い方の違い

一つ目のフォローを使った分かりやすい例としては、「同僚にこの問題のフォローをするよう頼んでみた」「どんな人もフォローできるような人間になりたい」「有名人がSNSのアカウントを作ったその日には多くの人にフォローされていた」などがあります。

二つ目のフォローアップを使った分かりやすい例としては、「研修フォローアップのおかげで乗り越えられた時も少なくない」「フォローアップ面談はそこまで時間が掛からない」「フォローアップ研究の題材が興味深い」などがあります。

フォローとフォローアップの使い分け方

フォローとフォローアップはどちらもフォローという言葉を含み、他者の支えになるようなことを意味しますが、意味合いが若干異なります。

フォローは、他者の足りない部分を補うことや仕損じたことをすること、また、一度落ち着いた物事を追い続けて必要に応じて手を貸すことを意味する言葉として使われています。その他にも、今日ではSNSで他者の投稿を見るための申請も意味します。

一方のフォローアップも、他者の支えになり面倒を見ることを意味しますが、相手が物事を出来るようになるまでや知識が定着するまでなど、最後まで面倒を見切ることを表します。

つまり、フォローはフォローアップよりも汎用性が高く、相手を支えるために補うことを意味しますが、フォローアップは代わりに補うことはせずに相手が出来るようになることを意味するという違いがあります。

フォローとフォローアップの英語表記の違い

フォローもフォローアップも英語にすると「follow up」となり、例えば上記の「この問題のフォローをする」を英語にすると「follow up on this problem」となり、「研修フォローアップ」を英語にすると「training follow-up」となります。

フォローの意味

フォローとは

フォローとは、不足箇所や仕損じたところを補うことを意味しています。

その他にも、SNSなどにおいて他のユーザーの投稿を継続的に見るためにホーム画面に表示させるようにすることを意味します。

フォローの使い方

「他者のフォローを率先して行う縁の下の力持ちになりたい」「後輩のフォローをするのは当然のことだ」「フォローを期待するのではなくまずは努力をしたい」などの文中で使われているフォローは、「補うこと」の意味で使われています。

一方、「インスタでフォローしているのは動物に関するアカウントだけである」「自分をフォローする人は何が目的なのだろうか」などの文中で使われているフォローは、「SNSへの投稿文を継続的に表示させるための申請」の意味で使われています。

フォローは英語で「follow」と表記されますが、後に続くことや従うこと、後を継ぐことを意味する言葉で、他者を支え補うことを意味することはありません。その場合には「follow up」もしくは「help」など他の語を用います。

そのため、上記例文のように「他者のフォロー」「後輩のフォロー」などのように使われているフォローは和製英語であり、日本語としてしか使うことができません。

また、今日では、InstagramやTwitterなどのSNSにおいて、他者が投稿した文章や画像を継続的に自分のタイムラインに時系列などの条件によって順に並べられるようにするために、相手に申請をすることを表す言葉として使われています。

フォローの対義語

フォローの対義語・反対語としては、妨げることを意味する「阻害」、SNSにおいてフォロー申請をしてきた相手を自分からもフォローすることを意味する「フォローバック」があります。

フォローの類語

フォローの類語・類義語としては、味方となって助けることを意味する「応援」、相手を励まして気持ちを奮い立たせることを意味する「鼓舞」、手助けをすることを意味する「加勢」、物事の経過をたどって調べることを意味する「追跡」などがあります。

フォローアップの意味

フォローアップとは

フォローアップとは、徹底させるために他者の面倒を見ることを意味しています。

その他にも、追跡調査をすることを意味します。

フォローアップの使い方

「フォローアップを行い、いつでも引継ぎができるようにしておいた」「戦略的フォローアップのための研修が企画された」「フォローアップセンターに問い合わせをする」などの文中で使われているフォローアップは、「面倒を見ること」の意味で使われています。

一方、「フォローアップ研究の結果が今後の発達心理に役立てられる」「フォローアップ調査を行うことでより良い社会になるよう尽力していきたい」などの文中で使われているフォローアップは、「追跡すること」の意味で使われています。

フォローアップは英語で「follow up」「follow-up」と表記され、どこまでも追求することや厳しく追跡すること、徹底させることを意味します。日本語でも同じように使われています。

特にビジネスシーンでは、徹底させることという意味が転じて、そのために相手の面倒をしっかりと見ることを意味します。また、医療用語としてフォローアップが使われる場合には、患者の治療後の状態を継続的に看る経過観察の意味で使われます。

フォローアップの対義語

フォローアップの対義語・反対語としては、妨げるとなることを意味する「邪魔」、第三者が口を出して文句をつけることを意味する「横槍」があります。

フォローアップの類語

フォローアップの類語・類義語としては、人のために尽力することを意味する「世話」、助けて面倒を見ることを意味する「介抱」、病人に付き添って世話をすることを意味する「看病」、気にかけて面倒を見ることを意味する「心配」などがあります。

フォローの例文

1.上司として部下のフォローをするのは当たり前だと考えているが、手を差し伸べれば優しいと言われることが多い。
2.先生からのフォローを求める前に、まずは自分で公式を覚えたり、類似問題の解法を先に確認しておくなど出来ることは色々ある。
3.過剰なフォローを入れてくる友人の好意は嬉しいが、いつまで経っても独り立ちできなくなるため少し控えてほしいのが本音だ。
4.フォロワーやフォロイーなどという言葉をSNSで聞いたことがあるが、フォローすることやされることを表すらしい。
5.無言フォローされていたために、友人が自分のアカウントを見てくれていることに気が付かなかった。
6.彼女は仕事はできるがマイペースなので、もう少し新人に目を配り業務をフォローしてもらえると助かるなあ。
7.経営戦略において、新規事業の開拓は既存事業のフォローに比べてリスクが高いことが知られています。
8.組織の効率化には、仕組みの問題以外にも、リーダーの的確な指示とメンバーのフォローが欠かせません。
9.どんなビジネスにおいても、クライアントのニーズを的確にフォローすることが、ビジネスの成功につながります。
10.ドキュメンタリー映画は、一般的な新聞や雑誌ではフォローしきれない事件の記録にもなります。

この言葉がよく使われる場面としては、不足箇所や仕損じたところを補うことを意味する時などが挙げられます。

例文4や例文5のように、SNSにおいて他者の投稿を継続的に見るための申請を指す言葉として使われることもあります。

また、例文4の「フォロワー」はフォローしてくれている人たちを指し、「フォロイー」は自分がフォローしている人たち指す言葉です。前者は自分からフォロワーへのフォローが必須ではなく、後者はフォロイーから自分へのフォローが必須ではありません。

フォローアップの例文

1.先日フォローアップを受けていた人たちに、求めていたアドバイスであったかや、今後使えそうな情報提供であったかを尋ねたい。
2.フォローアップセンターなどに頼らなければどういった手続きなどを行えばいいのかわからない。
3.この前行われたフォローアップ会議のおかげでやり忘れていた仕事を思い出し、今はとても焦っているところだ。
4.フォローアップ研究を行うには時間もコストも多くかかるが、得られるものも時によっては大きくはないだろう。
5.面談で意見を聞くことをフォローアップ調査の方法としているが、直接聞くよりも匿名アンケートにした方が良いのか悩んでいる。
6.離職率が高いこともあってか、入社2,3年目の社員にも定期的にフォローアップ研修を実施することになった。
7.セミナーの後にも学びを深化してもらうため、フォローアップ資料を提供し、参加者が学んだことを実践するための支援を行いました。
8.外国ではフォローアップ研究が盛んであるが、我が国では依然フォローアップをするだけの環境がないように思いました。
9.新しいシステムの導入したものの、その後のフォローアップトレーニングを怠ったため、社員がスムーズに運用できるようになるまでに時間がかかりました。
10.彼は顧客のフィードバックに基づいて、フォローアップ戦略を改善し、サービスの質を向上させた実績があります。

この言葉がよく使われる場面としては、徹底させるために他者の面倒を見ることを意味する時などが挙げられます。

例文4と例文5のように、追跡することを意味することもあるため、追跡調査や継続的な研究を表す場合に使われています。

フォローとフォローアップは、どちらも「他者の支えになること」を表します。どちらを使うか迷った場合は、不足を補助することを表す場合は「フォロー」を、定着するまで世話をすることを表す場合は「フォローアップ」を使うと覚えておけば間違いありません。

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