【宿命】と【運命】の意味の違いと使い方の例文

言葉の使い方の例文

似た意味を持つ「宿命」(読み方:しゅくめい)と「運命」(読み方:うんめい)の違いを例文を使って分かりやすく解説しているページです。

どっちの言葉を使えば日本語として正しいのか、迷った方はこのページの使い分け方を参考にしてみてください。

「宿命」と「運命」という言葉は、どちらもその人の持つ運勢を表すという共通点があり、本来の意味は少し違いますが混同して使われる傾向があります。

宿命と運命の違い

宿命と運命の違いを分かりやすく言うと、宿命は前世の行いによって定められている命に宿った運であり、運命は自然界の巡り合わせによって現れる人間の運勢であるという違いです。

また、宿命は命や魂に宿っているものであり、変えることが出来ないとされていますが、運命は前世の行いとは関係せず、自分の強い意志によって変えることが出来るものであるとされています。

宿命というのは、前世の自分の行いによって生まれる前から背負っているものであるとされています。例えば、前世で良い行いをした人は、今生でも良い環境のもとに産まれるというようなものです。

人間というのは、前世の記憶を持ち合わせることは出来ないものです。そのため、前世の自分の行いが良かったのか悪かったのかは、わかりません。

しかし、今世の行いが来世の自分の宿命を決めるのだと考えることにより、今生で良いことを行おうという志を持つことは出来ます。宿命という言葉は元々は仏教用語であり、今世で良い行いをして、来世へ魂を繋げていこうという意味を持っています。

対する運命というのは、自分の前世での行いなどには関わらず、自然界の現象によって引き寄せられる人間の幸不幸のことを意味しています。天地や人体を貫いて存在すると言われている運気の流れのことを運命と表現したりもします。

例えば、星占いなどでわかるのが、人の運命です。これは星の並びやその人の生まれた月日などを照らし合わせて運を読み解くものです。このように、運命の場合には、先を予測することが可能である場合もあります。

先を予測することで、運命には対応することが出来ます。つまり、運命というのは、自分の力で変えることが出来る場合もあるとされているものです。

また、天の巡り合わせのようなものでもあり、偶然とも思える出来事がきっかけで運命の出会いをすることもあります。そのような場合には「運命の赤い糸」「運命の人」などと呼ばれたりもします。

宿命の意味

宿命とは、命に宿っていて生まれる前の世から定まっている人間の運のことを意味しています。宿命というのは、漢字の通り「命に宿っている」という意味を持つ言葉です。前世からの因果に関わるものであり、今を生きるその人自身には関係のないものです。

宿命というのは、元々は仏教用語であり、前世におけるその人の善悪の所業によって決まるものであるとされています。前世の自分が良い行いをしていたか、それとも悪い行いをしていたかによって、今生の自分の運勢も決まるという考え方です。

そのため、宿命というのは生まれる前からその人の魂が持っているものとされています。類語としては「定め」(読み方:さだめ)や「宿運」(読み方:しゅくうん)という言葉があります。

このように「宿命」というのは、現在の行いによって、次に生まれ変わった時の運まで決まってしまうという考え方により、来世で苦労をしないように、今生で良いことを積み重ねましょうという仏教の教えのひとつであると言えます。

つまり宿命というのは、自分の力では変えることの出来ないものであるけれど、自分の魂の責任であると言うことも出来るものです。前世の自分の行いによってもたらされた、今生の自分の運のことを宿命と呼ぶのだと覚えておくようにしましょう。

宿命の「宿」という字を使った言葉としては、前世からの因縁を意味する「宿世」、年老いて経験を積んだ老巧な人を意味する「宿老」、勤務者が泊まり込みで夜の警備に当たることを意味する「宿直」などがあります。

運命の意味

運命とは、自然界の現象によって現れる人間の運勢のことであり、人間の意志を超越して人に幸や不幸を与えるものを意味しています。運命というのは、人間の身の上にめぐる運気のことを意味しています。前世とは関係なく、今生の自分に関わることです。

運命というのは、自然界の現象によって引き寄せられる運勢のことであり、天地や人体を貫いて存在する大きな力であると考えられています。運命というのは占いなどの結果として用いられる「運勢」(読み方:うんせい)と同じような意味を持つものです。

つまり、運命というのは、星や月の動きと生まれた月日などを組み合わせることによってある程度見つめることの出来る運の流れであるとも言えます。予見できる場合もあり、昔は占いによって導かれる運命によって、都の場所を定めたりもしていました。

このように「運命」というのは、ある程度予測したりすることが出来るものであり、また場合によっては回避することが出来るものである可能性があります。宿命とは違い、前世の自分の行いとは関係のないものです。

運命の類語としては「運勢」や「天命」(読み方:てんめい)などがあり、もっと分かりやすい言い方をすると「巡り合わせ」などと表現することも出来ます。

運命とは、前世とは関係なく、今世の自分に降りかかるもので、人間の意志を超えて幸運や不幸を与えるものであると覚えておくようにしましょう。一般的に運命は意志の力で変えることが出来るということも覚えておくと良いでしょう。

運命の「運」という字を使った言葉としては、運がよいことや巡り合わせがよい様を意味する「幸運」、物事がある方向に進もうとする傾向を意味する「気運」、戦いの勝ち負けの運命や武士、軍人としての運命を意味する「武運」などがあります。

宿命の例文と使い方

1.私たち人間は陸上で生きる宿命にある。
2.彼のような善人が、このような困難に見舞われるのは、宿命なのかもしれない。
3.きっと私と彼女は、宿命のライバルなのだろうと思う。
4.どんな環境、どんな時代に産まれるかは、宿命のようなところがあると思う。
5.その人が何歳まで生きられるのかというのもまた、宿命的な問題なのかもしれない。

この言葉がよく使われる場面としては、生まれる前、前世より定められているその人自身の持っている運のことを表現したい時などが挙げられます。宿命というのは、生まれながらに決まっているもので、その人の命に宿った状態であるものを言います。

例えば、宿命という言葉は、例文3のように「宿命のライバル」や「宿命の相手」などの表現でよく使用されるものですが、これは前世からライバルであっただろうと思われるほどに、因縁が深いということを意味しています。

宿命というのは、その人の魂に宿っているものなので、自分自身の意志で変えることの出来ないものです。人間は陸上で生きるのが宿命であり、水中では生きられないように、変化させることが出来ないものを「宿命」と呼びます。

運命の例文と使い方

1.彼と私は運命の出会いを果たしたのだと思っています。
2.織田信長は天下を取れない運命にあったのだろうなぁ。
3.長く生きていると運命の悪戯のようなものを感じることがあるものよ。
4.僕はあなたこそが、運命の人だと確信しています。
5.彼の人生は数奇な運命を辿ることになる。

この言葉がよく使われる場面としては、人間の意志の力を超えて、自然界の現象によって現れる人間の幸不幸の運勢のことを表現したい時などが挙げられます。運命というのは、その時々の自然界の流れによって決まるものであり、前世とは関係ありません。

運命という言葉を使う場合には例文3のように「運命の悪戯」と表現したり、例文4のように「運命の人」と表現したりします。これらの「運命」というのは、前世から決められていたものではなく、自然の流れによって結びついたという意味を持ちます。

人間が皆持っている、人生の大きな運の流れによる巡り合わせが「運命」というものです。運命は自分の強い意志で変えることが出来るとされることもあります。

例えば、不幸な運命に見舞われても、それに負けずに良い方向に運命を持っていくことが出来るという考え方です。